犯罪捜査に通信傍受を認める通信傍受法案を柱とし、巧妙化する組織犯罪対策に大きな効果が期待されているといわれている組織犯罪対策関連3法案が、6月1日に衆議院本会議において可決された。
しかしながら、通信傍受法案については、組織的な殺人、暴力団などによる薬物・銃器犯罪及び集団密航の4類型に犯罪対象を限定し、犯罪を前提としない単なる情報収集のための盗聴とは一線を画するものといわれているものの、憲法で保障された通信の秘密やプライバシー保護といった基本的人権に抵触する可能性を秘めた法案であることも否めない。
また、違法傍受の歯止めや、令状記載の犯罪についての通信にあたるかどうかを判断する通信傍受など、傍受すべき通信範囲に限度がなくなることなどについても危惧されている。
よって本市議会は、今後参議院での審議にあたっては、通信傍受法案の基本構造や目的を踏まえ、残された問題点を一つひとつきめ細かく検証し、国民の基本的な権利と社会の安全確保との調和をどこに求めるかについて、なお一層慎重な議論を重ねられるよう強く求めるものである。
以上、決議する。
年 月 日
川崎市議会
この決議は、1999.06.15 に川崎市議会で可決された。採決の結果はつぎのとおり。 賛成33(民主・市民連合、共産、神奈川ネット)反対29(自民・公明・市民同士会)