子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
S940724 学校災害 2004.6.6新規
1994/7/24 埼玉県立春日部高校山岳部の田中洋平くん(高2・17)が、夏合宿先の山形県朝日連峰で熱射病にかかり、下山中に死亡。
経 緯 山岳部の山形県朝日連峰での夏合宿に、部員9人と引率教師3人の計12人が参加。

1日目、洋平くんは初日から遅れ気味だった。テントには他の部員より1時間遅れて到着。

2日目、足取りはさらに重くなる。途中で2時間の休憩をとり、教師2人と生徒1人に付き添われ、ザックを外して歩いた。しかし、容体は悪化し、脈絡もない言葉を発したり、部員を女性に間違えたり、意識障害も起きていた。体温は38度台。濡れタオルで額などを2時間ほど冷やした。夜は血のような色の尿が出た。

3日目、多少、体温が下がる。ゆっくりなら歩けたことから、午前6時前、下山を開始。約10分後、150メートルほどの地点で動けなくなり、意識を失ってそのまま亡くなった。死因は熱射病。

背 景 この夏は「猛暑」と言われていた。登山前に洋平くんがもらってきた手引き書にも、熱射病に対する警告があった。
裁 判 両親が民事訴訟を提訴。
判 決
(一審)
2000/3/ 浦和地裁は引率教師の過失を認め、埼玉県に賠償金支払い命令。(確定)
その後 両親が熱射病に関する解説と洋平くんの記録を冊子にして、無料配布。
参考資料 2000/7/12 朝日新聞、熱中症のHP http://heat.gr.jp/



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