注 : 被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
S860807 | 学校災害 | 2004.6.6 2005.5.15更新 | ||||||||||||||||||||||||||
1986/8/7 | 千葉県の県立船橋高校の相撲部の滝口浩二くん(高1・16)が他校との合同合宿の訓練中に熱中症を発症。翌日死亡。 | |||||||||||||||||||||||||||
経 緯 |
|
|||||||||||||||||||||||||||
背 景 | 屋内相撲場は、三方に窓があるが、開閉できる窓は一カ所のみだった。 窓および出入口はさほど大きくなく、通気が特に良いとは考えられない。 稽古中、塩分や水分の補給を行なっていなかった。 |
|||||||||||||||||||||||||||
被害者 | 小学校4年生から相撲を始める。高校入学後に相撲部に入部。 | |||||||||||||||||||||||||||
部活動 | 相撲部は3年生4名、2年生2名。1年生は浩二くんを含め2名だったが、もうひとりは退部を申し出ていた。2、3年生は試合に出るだけで、平素は浩二くんが1人で練習することが多かった。 クラブは週2、3日。1回の練習時間は1、2時間程度。 |
|||||||||||||||||||||||||||
裁 判 | 両親が、高校の相撲部員の息子が合宿中に死亡したのは、熱射病にかかっているのに放置した教師の責任だとして、県を相手どって約4000万円の損害賠償を求めて提訴。 | |||||||||||||||||||||||||||
判 決 (一審) |
1991/3/6 千葉地方裁判所で、教師の過失責任を認めて、原告勝訴。 |
|||||||||||||||||||||||||||
判 決 (二審) |
1994/10/26 東京高裁は一審判決を支持。県に約3600万円の支払い命令。 清水湛裁判長は、浩二くんの死因を熱射病を原因とする心不全と認定したうえで、、救急車を呼ぶなど「顧問が十分注意していれば命を救えた可能性が高い」と判示し、顧問教師の応急措置と医療機関に搬送する注意義務違反の過失が肯定され、学校側の過失を認めた。 |
|||||||||||||||||||||||||||
参考資料 | 1994/10/27東京新聞(月刊「子ども論」1994年12月号)、「学校災害ハンドブック」/喜多明人/1993.9.12草土文化、「教育判例ガイド」/船木正文/有斐閣、1994/10/27 毎日新聞/学校災害ハンドブック/喜多明人)、(判例タイムズ757号142項、判例時報1407号170項、判例タイムズ888号170項)/熱中症のHP http://heat.gr.jp/ | |||||||||||||||||||||||||||
Copyright (C) 2000 S.TAKEDA All rights reserved.