注 : 被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
S821111 | 学校災害 | 2005.6. 新規 |
1982/11/11 | 茨城県勝田市の市立高野小学校で、体育の授業中、担任のK教師(50)の指示で、クラス全員が体育館2階観覧席から床に敷いた2枚重ねのマットのうえに飛び降りを命じられた。女子児童Aさん(小6)が着地の際、首を痛め、むち打ち症と診断。1カ月後症状が悪化して入院。むち打ちと中脳障害を負って、通院しながら中学校に通う。 | |
経 緯 | 体育の授業中、担任教師の指示で、クラス全員が体育館2階観覧席から床に敷いた2枚重ねのマットのうえに飛び降りを命じられた。 Aさん(小6)は着地の際、首を痛めた。むち打ち症と診断。 1週間後、同じ飛び降りで、男子児童(小6)が右足骨折。体育を見学していたAさんが「危ないからやめて」とK教師に言った直後だった。 女子児童は1カ月後、背中の痛みを訴え入院。 1983/3/ 退院するまで、頭を動かすことを禁じられ、読書すらできなかった。 |
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後遺症 | その後も、むち打ちと中脳障害を負って、手足や肩、背中などに痛みが残り、1年以上も通院しながら中学校に通う。 主治医の診断では、Aさんの症状は「外傷性中脳水道周辺症候群」で、手足のまひ、平衡感覚の異常があり、集中力もにぶっている。完治にはあと半年から1年はかかるという。 |
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教師の言い分 | 担任のK教師(50)は、飛び降りの指示について、「脚力、瞬発力をつける」ために、「自分で飛んでみて安全だったので授業に採り入れた」と話した。 少女の両親が、症状の悪化で学校側に事情説明を求めた際、校長に報告がされておらず、K教師は「たいしたけがではないと思った」と話した。 |
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学校・ほかの対応 | 学校から市教委への報告は、1カ月以上もたってからだった。 入院時の治療費は学校安全協会から出た。 市教委は、「その他の出費は市が負担する」と説明。「症状が落ちついたらまとめて払う」とし、入院でかかった雑費、ハリ、マッサージの通院費などは今だ(1989/1/28現在)支払われていない。 Aさんが卒業した後、その後の措置もとっていない。 |
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参考資料 | 1984/1/29朝日新聞 | |
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