注 : 被害者の氏名は、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名・団体名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校・団体も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
021221 | いじめ自殺 | 2004.7.3新規 |
2002/12/21 | 京都府京都市内のスイミングスクールに通っていた伏見区のRくん(中1・13)は、スクールの1学年上級のA(中2・13)から「K−1ごっこ」と称して暴力を受けたり、昼食代をとられるなどのいじめを受けていたが、自室で自殺。 | |
経 緯 (同級生ほか の証言から) |
1998/ Rくんは小学校3年生時にスイミングスクールに入会。 2001/ 小学校6年生時に本科を卒業。 9/ 育成コースに入る。 2002/3/ 水球コースに所属する。 春頃から、Aによるいじめがはじまる。それまでも下級生などにいじめを行っていたが、Aと同級生のCくんと1学年下のRくんにいじめが集中するようになる。 5/ ゴールデンウィーク中の強化練習中に、AはRくんから昼食代を取り上げ、マンガや菓子などを買わせていた。(そのため、Rくんは同級生らに弁当を分けてもらっていた) その後も連日のように、物品を購入させていた。 6/or7/ 更衣室内で「K−1ごっこ」を強要。RくんはAから腹などを一方的に殴られる。1回5〜10分程度の暴行が週2〜3回行われていた。首を絞められて気を失ったこともあった。 9/ ロッカールームで、AはRくんにエアガンを撃った。 10/以降、同じくAからいじめられていたCくんがほとんどスクールに来なくなり、いじめがRくんに集中して激しくなる。 11/ Cくんがスイミングスクールを退会。 11/-12/ 暴行がさらにひどくなっていた。 |
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主ないじめ 態様 |
「K−1ごっこ」と称して、一方的に殴ったり、首を絞めたりする。 金を取り上げ、マンガや菓子などを買わせる。 エアガンで撃つ。水球用のボールをぶつける。 携帯電話を勝手に使う。携帯メールに「殺す!死ね!」などの言葉が送信されていた。 |
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コーチ等の 対応(関係 指導員3人) |
生徒や生徒の保護者は、コーチやインストラクター等に対して、Aがいじめを行っていることを伝えていた。また、AがRくんに対してエアガンを撃っているのを目撃した生徒がコーチ等に伝えたが、「現場を見なければどうしようもない」「見たひとは教えてください」と言うだけで、Aに注意をしなかったという。 コーチ等はRくんの両親に、いじめがあることを知らせていなかった。 |
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警察の対応 | 京都府警は生徒たちから事情を聴き、暴行の一部を認めてAを児童相談所に通告。 | |
加害者 | AはRくんより1学年上。小学校中学年から同スイミングスクールの水球コースに所属。 Rくんとは帰宅方向が一緒で、同じ路線を使っていた。 AはRくんが水球コースに所属する以前から、複数の下級生や同級生のCくんに対していじめを行っていた。 2002/12/21 Rくんの自殺を知ったAは、「Rのこと悲しいな。俺のせいかな」と友人にメールを送っていた。 |
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加害者の親の 対応 |
Aの保護者に対して、いじめを受けた生徒の保護者が複数、水球のボールをぶつけられた、殴られた、蹴られたなどの具体的な内容を伝え、いじめをやめさせるよう要請していたが、Aの母親は「うちの子はやっていないと言っている」と答えるのみで、何も対応をしなかった。 | |
被害者の親の 認知と対応 |
両親はRくんがいじめられていることを知らなかった。警察やスクール生徒の保護者から知らされて初めていじめがあったことを知る。 | |
背 景 | 水球コースの中学生男子の練習時間は月曜日から土曜日の週6日、午後5時30分から8時45分頃までだった。ほかに夏休みなどには強化練習があった。 | |
事件後の スクールの 対応 |
2002/12/21-28 強化練習中に、コーチらは水球コースの生徒らから事情を聴いた。その後、生徒らの前でAに対して「お前が悪い」と言ったという。 2003/1/7 Rくんの両親がスクールに出向き、「真実を教えてください」と申し入れたが、「聴いてません」「うちにも伝統がありまして」と言うだけで、真摯に答えようとはしなかった。 1/13 同スクール中学部の保護者説明会で、「そういうじゃれあいがあったらしい」と説明しただけだった。 スクールからは今だ謝罪も、電話も、焼香もない。 |
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裁 判 | 2003/12/22 Rくんの両親が、生徒の両親とスイミングスクール、コーチらを相手に約8000万円の損害賠償を求めて、京都地裁に提訴。(2004/7/現在係争中) | |
参考資料 | 2003/12/23京都新聞、ほか | |
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