注 :学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ事件を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
961023 | 体罰事件 | 2005.6. 新規 |
1996/10/23 | 長野県南安曇郡三郷村の三郷小学校で、担任の男性教師(36)が、授業で持久走の練習参加に遅れた女子児童(小6)が木の陰に隠れていたなどとして、左手の甲でたたく体罰で、女子児童の前歯2本の一部が欠けた。同教師は日常的に体罰を繰り返していたことが判明。担任を変えたあとも、クラス児童のなかに幼児退行現象が出るなど、体罰の影響を残した。 | |
経 緯 | 10/23 授業で、11月の持久走大会に備えて校外のコースを走る練習の参加に遅れた女子児童(小6)が、木の陰に隠れていた。 練習後の反省会で、担任の男性教師(36)が、そのことを問題にし、左手の甲でたたいたところ、女子児童の前歯2本の一部が欠けた。 別の日にも同教師は、別の理由で同じ女子児童をグローブでたたき、唇を切るけがを負わせた。 他にも3人の女子児童が、遅刻などの理由で、顔をたたかれた。 11/15 外部からの匿名電話で学校側が事実を知り、校長が女子児童の保護者に謝罪。 11/19 学校側は急遽、担任を別の教師に変えた。 |
|
加害教師 | 体罰問題が表面化して以降、保護者や子どもたちの訴えで体罰が日常化していたことが明らかになる。男性教師は、時間に遅れたり、給食を食べるのが遅かった児童に繰り返し体罰を加えていた。 男性教師のクラスは、休み時間が終わると子どもたちがさっと教室に戻り、忘れ物が少ないなど、何でもきちんとできると評判だった。 同教師のクラスでは、何人かの児童が「先生係り」という役割をさせられていた。 教師のジャージをたたんだり、机の上を片付けるなど。 職員室にタバコを取りに行かせたこともあった。教師は教室内で喫煙もしていた。 同教師は、事件発覚後、学校を休む。 12/末 辞表を提出。依願退職。 |
|
教育委員会・ほかの対応 | 1997/2/12 村教委は、教育長に「監督不行き届き」として文書による訓告処分。 2/19 県教委は、男性教師に停職1カ月、昇給延伸6月の懲戒処分。辞表を受理。 |
|
PTSD | 事件後、児童たちの間で、友だちの筆箱を洗濯機で洗ったり、教室で衣服を脱いだり、幼児期の精神状態に戻る退行現象が現れた。 学校側が、児童らの心理状態を調べるために、長野県立こども病院に依頼して、臨床心理士の監督下で、絵を書くなどの心理テストを行った結果、複数の児童に体罰を原因とした心的外傷があると診断された。 なかには、幼児帰りの状態が強く、病院で継続的にカウンセリングを受けている児童が数人いるという。 |
|
PTAらの対応 | クラスの父母が親の会「陽だまりの会」を結成。 体罰問題で受けた心の傷の後遺症から、子どもたちが立ち直るよう、卒業後も結束して見守っていく。 定期的な会合や会報発行を続けていく。 |
|
参考資料 | 1996/11/27信濃毎日(月刊「子ども論1997年2月号/クレヨンハウス)、1997/2/20信濃毎日、1997/2/22讀賣大阪(月刊「子ども論1997年5月号/クレヨンハウス) | |
Copyright (C) 2000 S.TAKEDA All rights reserved.