注 :学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ事件を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
940600 | 障がい児 体罰 |
2005.6.5新規 |
1994/6/ | 福岡県築紫野市の県立福岡盲学校の小学部で、複数の教師が児童を内出血するくらいたたいたり、失禁したため全裸にして怒鳴るなどの行為をしていた。 | |
被 害 1 | 1994/6/中旬 担任教師A(54)が、視覚障がいと知的障がいのある男子児童(小6)が、自分の手で両耳をたたく自傷行為をやめないことを理由に、平手で背中を強く十数回たたき内出血させたり、腹を強くつねるなど、3回にわたって行った。 男子児童は翌朝は登校したが、次の日から数日間は学校を休んだ。 校長と担任教師が児童の自宅を訪ねて話し合った結果、男子児童は再び登校するようになった。 |
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被 害 2 | 1994/6/中旬 担任教師Bが、失禁した男子児童(小4)を全裸にして、「なぜトイレと言わない。そんなことがわからないなら幼稚部に行きなさい」と怒鳴った。 | |
その他の被害 | 授業中や給食時間などに、指示に従わない児童が頭や背中を平手打ちにされたり、体をつねられたり、小突かれたりすることがたびたびあったという。また、A教師は、注意をきかない別の児童の口にコショウをふりかけたりした。 | |
背 景 | 同校は児童生徒数76人。視覚障がいだけでなく、知的障がいなど重複障がいのある児童も机を並べていた。 児童への厳しい指導は以前からあった。1994年6月頃からひどくなった。 |
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加害教師 | 教師たちは、「手を上げたのは事実。目の不自由な子どもたちは、言葉の調子や動作にめりはりをつけてやらないと通じない部分がある。自傷行為をやめないのでなんとかしたかった。体罰との認識はなかった。結果的には行き過ぎだったかと反省はあるが、すべて子どもを思ってのことだ」と話した。 1995/4/ A教師は、別の養護学校に転任。 |
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学校・ほかの対応 | 1994/秋頃から、小学部教師が話し合い、「体罰をやめよう」との認識で一致していたが、「体罰」と「教育上の指導」との線引きはあいまいなままだった。 校長は、「教育上の指導の範囲」という。 1995/3/上旬 学校側は独自に実態を調べ、教育委員会に報告。 1995/4/ 校長、小学部主事、関係教師らは人事異動で転出。 |
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被害者の親の対応 | 保護者たちは、子どもが体罰を受けたとわかっても、「手のかかる子どもを預かってもらっている」「幼稚部から高等部、専攻科まで同じ学校に通うと思うと、学校とのトラブルは極力避けたい」として、口をつぐんでいた。 | |
その他の対応 | 学校内外から「子どもの人権を無視した行きすぎた指導」との声が出ていた。西日本新聞社の調べで、たたいたり、裸にしたりした行為が発覚。 1995/1/ 福岡法務局人権擁護部が、「体罰の疑いがある」とみて調査。 1995/9/ 福岡法務局は、体罰と認め、男性教師を説示処分。 |
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参考資料 | 1995/5/11北海道新聞(月刊「子ども論」1995年7月号/クレヨンハウス)、1995/10/18西日本新聞(月刊「子ども論」1995年12月号/クレヨンハウス) | |
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