子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
870117 体罰死 2005.7.新規
1987/1/17 神奈川県川崎市立の市立桜本小学校で、特殊学級に通う本間達也くん(小2・8)が授業中、担任の男性教師(32)に「集中力を欠く」と殴られ死亡。
経 緯 1/17 担任教師は授業で、書道の作品・書き初めを校内の作品展に出品しようと指導していた。
しかし、達也くんが書き初め用に教えた字を書こうとしなかったため、男性教師は「集中力を欠く」を欠くと言って、逃げ出さないよう頭を片手で抱えて、こぶしで数回頭を力いっぱい殴った。

正午過ぎ、達也くんは帰宅後、「頭が痛い」と訴え、保護者が付き添って病院で診察を受けたが異常は発見できなかった。

1/18 午後9時過ぎ、再び「頭が痛い」と訴え、救急車で病院に運ばれる。硬膜下血腫で死亡。
被害者 達也くんは、アベルト症候群という頭の骨が変形する病気で、生後6カ月のときに手術を受けていた。そのため、やや発達の遅れがあり、一部の教科を特殊学級で受けていた。
ふだんから頭痛を訴えていた。
保護者の対応 両親は入学の際に、診断書を添えて、「子どもは頭を手術しているので、絶対に頭をたたかないでほしい」と申し入れていた。
加害者 担任の男性教師は、臨時任用教師を経て、1984年から同校の特殊学級専任となる。
1986/2学期、受け持ちの障がい児を足げにしてけがをさせていた。
熱心だが、怒りっぽく、よく殴る先生として、子どもたちから怖がられていた。
背景1 同校は、「ふれあい教育」と称して、特殊学級に通う児童と普通学級の児童との日常的交流を積極的に推進していた。
背景2 川崎市教育委員会の調査では、過去3年間に、同市内の小中学校で起きた体罰事件(教師が処分されたもの)は28件。
刑事裁判 教師を傷害致死容疑で逮捕。
参考資料 「体罰死−ふれあい教育の果てに」/片岡進/月刊「子ども」1987年3月号/クレヨンハウス、1987/1/19、1/20毎日新聞(月刊「子ども」1987年3月号/クレヨンハウス)



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