子どもたちに関する事件【事例】



注 :学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ事件を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
030512 教師のいじめ 2004.8.29新規
2003/5/12 福岡市西区の市立小学校の男性教師X(46)が担当するクラスの男児Aくん(小4・9)の母親の曽祖父が米国人だと知ったことをきっかけに、差別発言や暴力などを繰り返した。自殺を強要されてPTSDを発症。
経 緯 2003/5/12 家庭訪問で、XはAくんの母親の曽祖父が米国人と知り、「汚れた血が混じっている」と発言。翌日からいじめがはじまる。

5/ 中旬から下旬にかけて連日、耳をつかんで持ち上げる、鼻を強く引っ張るなどの暴力を繰り返した。

5/末、保護者が学校に抗議して発覚。その後、校長らが交代で授業に立ち会った。

6/23 学校側は両親との信頼関係を損なったと判断して、Xを担任から外した。
いじめ態様 XはAくんの母親の曽祖父が米国人なのを理由に、「血を恨みなさい」「汚れた人間は生きる価値がない。自宅マンションから飛び降りろ」「まだ死んでいないのか。今日やるんだぞ」などと繰り返し言った。

授業中に男児の学習道具を「汚い」と言って捨てたり、「髪が赤い人」などの差別発言をしたり、「アメリカ人は頭が悪いから向こうに行け」と邪魔者扱いしたりした。

5/ 中旬から下旬にかけて、下校時には、Aくんだけに10秒以内に帰り支度をするよう命じ、できないと、ほおを引っ張る「アンパンマン」、鼻血が出るほど鼻をつまみ回す「ピノキオ」、両耳をつかんで持ち上げる引っ張る「ミッキーマウス」など「5つの刑」と称した暴力から男児に選ばせ実行。1か月近く繰り返した。Aくんは鼻血や切り傷、耳が裂けて化膿したり、、歯を折るといった傷害を負った。

Xは同級生宅に「男児がお宅のお子さんをたたいた。やめるように言っても聞かないので、自分が男児をたたいた」という虚偽の電話をかけるなどの嫌がらせを続けた。
被害者 Aくんは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で、震えや腹痛、吐き気が続き、通学できない状態になった。
「血を入れ替えたい。自分に生きる価値がない」と口にするようになった。
教育委員会の対応 2003/8/ Aくんの両親から連絡を受けた福岡市教委は、一連の行為を「いじめ」と認定。
「児童に差別を受けたと感じさせ、耐え難い苦痛を与えた」として、Xを停職6か月の懲戒処分にした。
加害者 Xは当初、「血が混じっているんですね」と言ったことと、体罰を2回したことは認めた。
しかし、市教委の聞き取り調査に対して、ほぼ全面否定。

2003/10/10 Xは処分に対する不服申立書を市人事委員会に提出。
裁判 2003/10/8 男児と両親が、教師と市を相手取り、慰謝料など1320万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。
男児を励ますため、代理人の弁護士が全国の弁護士仲間に電話やメールで賛同者を募り、503人が原告弁護団を結成して訴状の代理人名簿に名を連ねる異例の裁判になった。
参考資料 西日本新聞2003/6/28、日刊スポーツ新聞2003/10/8、京都新聞2003/10/8、讀賣新聞2003/10/9、朝日新聞2003/10/10、



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