注 :学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ事件を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
021025 | 教師のワイセツ行為 | 2004.8.7 2004.9.26更新 |
2002/10/25 | 大阪府堺市立中学で、担任の男性教師Y(51)が、職員室に相談にきた女子生徒Aさん(中1・13)を別の教室に連れだし、胸を触るなどのワイセツ行為。一週間前にも同様のことがあった。 | |
経 緯 | 2002/10/ 事件の一週間前にもYに体を触られた。 10/25 朝、Aさんは職員室にいたYに、友人のことで相談に訪れた。 教師はAさんを数学ルームに連れだし、胸を触るなどした。 Aさんは被害を友人に話した。1時間目の終わりに別の教師に、昼休みに生徒指導の教師にも伝えた。 放課後、Yは職員室前にAさんを呼んで、「誰かに言ったか」と聞いた。「5人くらい」と答えると、Yは「その子たちを呼んできてくれ。謝りたい」と言った。 母親が学校に呼ばれる。 10/26 Aさんが教師を告訴。 |
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学校の対応 | 10/26 校長と教頭が担任に付き添って、被害者のAさんと母親と共に警察に行った。 10/29 Aさんが担任の逮捕を生徒に知らせるよう再三、校長に要求。 10/31 学校側が担任の逮捕を生徒に知らせる。 |
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被害者 | Aさんは中学校の生徒会長。 事件後、「急性ストレス障害」が見られると診断された。学校を休みがちになった。 |
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誹謗・中傷 | Yの逮捕が発表された後、大勢の生徒がAさんを見に来た。 「態度が普段と変わらないのは異常だ」と言われる。 「担任は被害者だ」「親子にはめられた」「このメールを5人に送れ」というチェーンメールが流れる。(母親が名誉毀損で告訴) 刑事告訴について、友人から「あんたは先生の人生をめちゃめちゃにした」と言われた。 上級生の男子生徒に囲まれて、「こいつセクハラされたやつやで」と言われた。 |
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刑事裁判 | 2002/10/26 Aさんが刑事告訴し、男性教師を逮捕。学校を懲戒免職。 | |
証 言 | 2003/1/21 大阪地裁堺支部で論告求刑公判が開かれ、被害者のAさんが約20分間にわたって意見陳述を読み上げた。 「思い出すのはつらいけど、きちんと裁判で話したい。友人のことを相談しに先生と数学ルームに行った。頭が真っ白になり、体がこわばった。殴ってやればよかった。でも、相手は先生だし、信じられないという思いで何もできなかった。 今でも学校に行くと思い出す。学校がつぶれればいいのにとさえ思う。 刑事告訴したことについて「あんたは先生の人生を人生をめちゃくちゃにした」と友人に言われた。男の先輩に囲まれて「こいつセクハラされたやつやで」とも言われた。 私は幼稚園のころから先生という人を尊敬し、大好きだった。でも、もう信用できない。学校も好きだったのに、今では嫌でしかたない。 先生に「ちょっと来い」と言われたら誰でもついていくし、2人きりになってしまう。私は先生のことをもう先生とは思っていない。きちんと謝ってほしい。私が泣き寝入りしたら、先生はこれからも何度もこういうことをすると思った」 などと話した。 性被害に関して中学1年生が法廷で意見陳述をするのは異例。 |
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加害者 | Y教師は「いたたまれない。すべて私のせいで本当に申し訳ない」と被告人質問で供述。 | |
判 決 | 2003/2/25 大阪地裁堺支部で、懲役2年6カ月執行猶予3年(懲役2年6カ月の求刑)の判決。(確定) 湯川哲嗣ぐ裁判長は、「教師の立場に乗じた犯行で悪質だが、教職を失い、反省もしている」と理由を述べた。 また、「被害者は事件後も周囲から好奇の目にさらされるなどして癒しがたい心の傷を負っており、犯行がもたらした結果は重大。被害者の意見陳述を聞いてあなたもわかっただろう」と話した。 |
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参考資料 | 2003/1/22讀賣新聞、2003/2/21朝日新聞、2003/2/25朝日新聞・朝刊、夕刊 | |
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