子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
970410 いじめ自殺 2003.6.22 2003.9.更新
1997/4/10 長野県北佐久郡望月町の県立望月高校の清水洋次くん(高2・16)が、山林で木の枝にロープをかけて首吊り自殺。
遺書ほか 自宅のワープロのフロッピーディスクに「遺書」と題した文書が残されていた。
「遺書 僕は死にます。もうつかれた。お父さんおかあさんごめんな じいちゃんにばあちゃん あにきもほんとうにごめんな おれはもうこんなところにはいたくないんだ。ちょくぜんまで本当に迷惑かけたけど迷惑かけっぱなしだけどゆるしてください。みんないままで本当にありがとう。おやっさん、バイク、サンキュな。おかあさんには、一番迷惑かけたと思う 苦労もかけっぱなしで、親孝行、ぜんぜんできなくてほんとにごめん あにき、お前にはおれの部屋にあるもの全部やるよ じいちゃんばあちゃんにもめいわくかけたな ながいきしろよ みんな本当にいままでありがとう。死ぬ理由がいまいち分からないと思う 実は、俺、いじめにあってたんだ。○○○○ってやつ。あいつさえいなけりゃ楽しい学校だったのに 弁当お母さんが一生懸命にいつもいつも朝早く起きてつくってくれたのに昼にあけるといつもくってあるんだ。宿題はやらされるし自習のときプリントがあると必ずやらされた 本人は遊んでいるのに俺は人の2倍の量をこなさなくちゃいけない 金も貸したきり帰ってこないし暴力もふられる、俺は何もしていないのにいきなりけられたこともあった あいつが留年すれば・・・って思ってたけどだめだった これから見れば中学のときは楽しかったのにな 決まり文句だけど先立つ不孝をおゆるしください
PS 俺がためた金あんましないけどつかってください。みんないままでありがとう そして、さようなら」などと書いていた。
いじめ態様 弁当を食べられる。暴力をふるわれる。金を奪われる。
使い走りや自習のプリントをやらされていた。
加害者 クラスのグループ
学校の対応 4/18 夜、臨時PTA総会が開かれ、学校側が経過や調査の途中結果などを説明。
1時間半の総会終了後、PTA役員とともに記者会見。

「確認できた点が、亡くなった生徒にとって大きな苦しみと悩みのもとになり、それが要因になって死を選んだとすれば、そうした行為は、いじめに当たる」との見解を示した。

遺書のなかで名前をあげられている生徒に関しては「当初は、友人関係のような意識でとった行動と思っていたようだが、強い者との力関係の中で行われた行為と思い始めている」と話した。

また、同じ学年の別の生徒の自殺について校長は、「(家族から)急性心不全で死亡したと連絡があった。生徒の家庭から知らされたことを17日のホームルームでそのままクラスに伝えた」と話した。
関連事件 1997/4/16 夕方、望月高校の男子生徒(高2)が、自宅倉庫内で自殺。
書き置きが自宅に残されていたが、いじめなどに触れた記述はなかった。
県教委は「(2つの自殺の)関連はない」とした。
参考資料 1997/4/11、4/19讀賣新聞、4/11毎日新聞(「いじめ問題ハンドブック」/高徳忍著/つげ書房新社)、1997/4/11信濃毎日新聞(月刊「子ども論」1997年7月号/クレヨンハウス)



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