子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
930127 暴行致死 2005.5.8新規
1993/1/27 北海道札幌市の私立札幌山の手高校の野球部で、倒立の練習中、柳谷高志くん(高2・17)の足が顔に当たったことに腹を立てた男子部員が、高志くんの胸をける。約1時間半後に死亡。
事件を知った顧問教師は、部員に口裏合わせを指示していた。
経 緯 1/27 学校校舎2階で、野球部で倒立の練習中、高志くんの足が男子部員Aの顔に当たった。
腹を立てたAが、胸をけったところ、高志くんは胸を押さえて倒れた。
約1時間半後に死亡。
学校・教師の対応 練習に顧問教師は立ち会っていなかった。
部員からの報告で事件を知った顧問は、すぐに部員全員を部室に集め、「柳谷くんが倒立に失敗して自ら崩れ落ちたことにしよう」と言って、口裏合わせを指示した。

報告を受けた理事長らも、柳谷くんの両親にはその事実を伝えなかった。

3/ 学校側は、初めて両親に隠していたことを認めて謝罪。

学園理事長は、「事実を隠したのではなく、警察の捜査結果など確認したうえで、きちんと説明しようと考えていた」と説明。
裁 判 両親が、「学校が管理監督義務を怠り、部員らに適切な指導をしていなかったことが事故の原因であり、さらに事実を隠したことで精神的打撃を受けた」として、逸失利益と慰謝料6900万円の損害賠償を求めて、学校を経営する学校法人西岡学園を提訴。
学校側の主張 学校側は、「死因がはっきりせず、暴行と死の因果関係も分かっていない」として、主張を保留。
参考資料 1993/11/13北海道新聞(月刊「子ども論」1994年1月号/クレヨンハウス)



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