注 : 被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
930125 | いじめ自殺 | 2003.2.11. 2003.7.1更新 |
1993/1/25 | 愛媛県松山市の中学校の男子生徒(中3・15)が、午後6時40分頃、JR予讃線の普通電車に飛び込み自殺。 | |
遺 書 | 「○○がいじめるけん死ぬ」などと、いじめた同級生の名前と書いた遺書がポケットから見つかった。 | |
親の認知と対応 | 家族の話では、1年生の頃から田んぼに突き落とされて泥だらけになったりした。 学生かばんが刃物で傷つけられたり、夜間、ランニングから帰宅すると、ズボンが汚されていたことがあった。担任教師にいじめを訴えていた。 |
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担任の対応 | 1、3年時の担任教師(26)に両親がいじめを訴えたが、取り合ってもらえなかった。 | |
学校の対応 | 校長は「担任の教諭に確認したが、いじめについて両親から相談された記憶がなく、いじめがあったことは全くつかんでいない」「Aくんがいじめで悩んでいたことに気づいた教員はいなかった。結果的に生徒の気持ちを見抜けず、教師として申し訳ない」と話した。 最初は遺書の存在自体を否定していたが、マスコミで報道されて、ようやくメモの存在といじめの事実をほ認める。しかし、いじめが自殺の原因とは断定しない。 「教育現場で犯人捜しはできない」として、いじめた生徒たちへの調査や指導をしなかった。 |
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被害者 | Aくんは4人兄弟の長男。やや消極的な性格。学校では3年間、陸上部に所属していた。優しい人柄で友だちも多かった。 | |
調 査 | 遺族が、息子の同級生を一人ひとり訪ね歩き、証言を記録。 | |
支援団体 | 教師や保護者が作る松山生活指導サークルが、同級生らからいじめの実態を調査。「君の死を無駄にしないために」にまとめ、冊子を松山市教委に提出して、再発防止を訴えた。 | |
いじめ態様 (調査結果から) |
ジャンケンに負けると、顔に落書きされた。 前髪を茶色に染められた。 掃除や帰りのカバン持ちを強要されていた。 自転車の修理代を要求されたり、ジュースなど買い物の使い走りをさせられたりしていた。 テレビゲームのソフト購入代金の支払いを強要されていた。 |
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教育委員会の対応 | 松山生活指導サークルが、いじめの実態調査を小冊子にまとめ、愛媛県教委、松山市教委に提出し、「いじめが自殺の直接の原因」と認めるよう求めたが、両教委は認めない。 | |
参考資料 | 1993/1/29東京新聞(月刊「子ども論」1993年3月号/クレヨンハウス)、1993/1/29朝日新聞・大阪(「いじめ問題ハンドブック/高徳忍/つげ書房新社)、1995/5/10読売新聞・大阪(月刊「子ども論」1995年7月号/クレヨンハウス) | |
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