注 : 被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
920602 | いじめ報復 傷害 |
2002.12.23新規 |
1992/6/2 | 東京都文京区の日本大学豊山高校で、男子生徒A(高3・17)がいじめられたとして、同級生の男子生徒Bくん(高3・17)の左脇腹を文化包丁で刺し、大腸まで達する重傷を負わせた。全治1カ月。 | |
当日の経緯(犯行態様) | 4時限目の体育の授業が終わった昼休み、Aが教室に戻ったところ、自分の制服が黒板の下に投げ捨てられていた。 AがBくんに「お前がやったのだろう」と問いつめたが、「知らない」と言われ口論。 Aはかばんから包丁を取り出し、座席に着いていたBくんをいきなり刺した。事件当時、教室には生徒10数人がいた。 Aは地下鉄護国寺駅まで逃げたが、教師が追跡し、大塚署に傷害の現行犯で逮捕された。 |
|
加害者の供述 | 5月初め頃から、体育の授業後、制服が机から下に落とされていることがあったり隠されたりすることがたびたびあった。また、体育館の入り口が閉められ、入れないことが数回あった。 AはBくんの仕業だと思い、「いじめられた。仕返しをしてやろう」と思っていた。 |
|
凶 器 | 数日前に自宅から文化包丁(刃渡り約17センチ)を持ち出し、さやを作り、かばんの中に隠し持っていた。 | |
背 景 | Bくんのロッカーの中が荒らされたり、靴に接着剤が塗られたこともあった。 Aの仕業との噂があった。 |
|
背 景 | 学校の内規では、けんかをすれば注意や停学処分となった。 実際にAやBくんが1年生のとき、同級生がけんかをして3日間の停学処分を受けていた。 |
|
被害者との関係 | 2人は3年生で同じクラスになった、席はAの後ろがBくん。2人はどちらかというと仲がよかった。 ともに成績は中の上で進学希望。日大に推薦で入学できるレベル。 クラブなどには所属していない。おとなしい生徒で2人とも生活態度に問題はなく、指導を受けたこともなかった。 |
|
学校の対応 | 制服を投げ捨てるなどのいじめは、「担任もきめ細かに指導していたが、気づかなかった」と校長は記者会見で話した。 | |
参考資料 | 1992/6/3東京新聞、1992/6/13毎日新聞・夕刊(「月刊子ども論」1992年8月号/クレヨンハウス) | |
Copyright (C) 2000 S.TAKEDA All rights reserved.