子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
851213 いじめ自殺 2002.12.16新規
1985/12/13 千葉県富津市の市立中学校の牧野勝司くん(中3・15)が、自宅近くの雑木林で首吊り自殺。
遺書・ほか 自殺した遺体のそばにあったかばんの中からノートが見つかる。
「今日はどこかおかしいよ なにかいやなんだよな なんだか自分を見失ってしまう どうにもならないものか せめてものことをしておきたい」と書かれていた。
次のページには「電話」という字が紙いっぱいに書いてあった。
経  緯 1985/ 夏休み以降に自宅に夜、2〜3日に1度の割合で、「勝司のばか」などといういやがらせの電話がかかっていた。同じ中学校の同学年の生徒からとみられ、勝司くんはそのたびにふさぎ込んでいた。

10/ 両手の甲に、たばこの火を押し付けたような火膨れがあった。親がどうしたのか尋ねたが答えなかった。

11/ 下旬 、勝司くんは「もう、電話はいやだ」と言って、家の中の電話線を切ったことがあった。

12/ 勝司くんが死ぬ1週間前、教師にリンパ腺が腫れているから医師に診察してもらうように言われた。その後、学校を欠席していた。
警察の対応 富津署は、「いじめが要因ではなく、高校受験などを悩んで自殺」と断定。
学校の対応 校長は警察の調べ通りの内容を職員会議と富津市教育委員会に報告。
校長は取材に対しては「どうも警察の調べた原因だけでは割り切れない。いじめの具体例が浮かばないが、実態を解明する必要がある」と話した。
被害者 勝司くんは小柄でおとなしい性格。英語と数学の塾に通い、業者テストでは公立高校に入学できる成績で、受験でとりわけ悩んでいる様子はなかった。
参考資料 1985/12/18朝日新聞・夕刊(「いじめ問題ハンドブック/高徳忍著/1999.2.10つげ書房新社)、「いじめ・自殺・遺書」/子どものしあわせ編集部編/1995.2.1草土文化



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