子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
010609
殺人未遂
2001.9.9. 2004.6.19更新
2001/6/9 福岡県小郡市の公園で、男子児童(小6・11)が、自宅から持ち出した文化包丁で、同級生の男子児童(小6・11)の胸や頭など13カ所に刺し傷や切り傷を負わせ全治1カ月の重傷を与えた。
経 緯 土曜日、午後1時20分頃、福岡県小郡市の公園にキャッチボールをするために来ていた男児が同級生の男児に馬乗りになり、包丁でメッタ刺しにした。
通りがかりの人が119番通報。現場には少年のリュックサックとともに、凶器の文化包丁(刃渡り約18センチ)が残されていた。
被 害 男児は、胸や頭など13カ所に刺し傷や切り傷を負い、全身に揉みあった跡があった。傷のうち2つはは肺にまで達していた。全治1カ月の重傷。
警察の対応 当初、一緒にいた加害男児は、「ボールを拾いに行って戻ってきたら、(男児が)倒れていた。40歳ぐらいの男が黄色い自転車で逃げた」などと話していたことから、県警は緊急配備を敷いて男の行方を追っていた。

被害男児が運ばれた病院で、「同級生の友だちに刺された」と話したことから、県警が事情を聴いたところ、「ぼくが刺しました。包丁は家から持ち出した」と大声で泣きながら容疑を認めた。男児は衣服に返り血を浴びていた。
加害者の言い分 男児は、「日頃からいじめられ、この日も十数回殴られたりしたため、刃物で刺した」と話した。
顔などに殴られたような跡があった。
学校・ほかの対応 2人の児童が通う小学校の校長は、「2人は1年生のころからの仲良し。おとなしくて、まじめな子たちだった。事件後、担任に話を聞いたが、けんかやいじめがあったとは認識していない」「動機に思い当たる節がない」と話した。

同校では、月に1回、問題行動のある子どもについて、担任や養護教諭らが対応を話し合う指導交流会を開いているが、今まで2人の名前があがったことは一度もなかった。
被害者と加害者の関係 2人は同級生で、同じミニバスケット部に所属。ふだんから一緒に遊ぶことが多かった。
少年法 加害男児を殺人未遂容疑で補導。14歳未満のため、同夜、福岡県久留米児童相談所に通告し、身柄を移した。男児は家裁ではなく児童福祉施設に送られた。11歳であることや、被害者が死亡しなかったことを考慮したとみられ、少年審判は開かれなかった。
その後 その後の警察や市教委の調べでは、いじめの事実は確認できなかった。
被害男児の両親が、「本当のことを知りたい」と、何度か男児の状況などを尋ねたが、児童相談所は「守秘義務がある」として、教えない。

加害者の家族は事件後に引っ越して、行方は分からない。
被害者側はうわさで、加害児が施設を出たことを知る。
参考資料 2001/6/10朝日新聞、2001/6/10朝日新聞・大阪(月刊「子ども論」2001.9/クレヨンハウス)、2004/6/19毎日新聞



ページの先頭にもどる | 子どもに関する事件 1 にもどる | 子どもに関する事件 2 にもどる

Copyright (C) 2000 S.TAKEDA All rights reserved.