わたしの雑記帳

2015/5/23 子どもの自殺は「故意による死亡」!?  
あまりに異なる学校事故対応の2つの調査結果
5月20日(水)、GHPが文科省に申し入れをしてきました

5月20日(水)、NPOジェントルハートプロジェクトは、民主党参議院議員の小西洋之(ひろゆき)議員にご同行いただいて、文部科学省に申し入れをしてきた。
自民党の集団的自衛権の法制化に対して、反対派の急先鋒を務める超多忙ななか、秘書さんではなく、まさかご本人が同行してくださるとは思わずにいたが、いじめ防止対策推進法を議員立法する時からずっと変わらず、当事者たちの意見を吸い上げ、子どもの問題に自ら積極的に関わって下さってくれている。感謝、感謝。
対応していただいたのは、スポーツ・青少年局学校健康教育課。

今回の申し入れの発端は、今年2月に発表された国立大学法人大阪教育大学の文部科学省委託事業「学校事故対応に関する調査研究」報告書(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/167027.pdf)の内容。
ジェントルハートプロジェクトが、平成22年に学校事故事件の被災者や遺族対象に行った「当事者と親の知る権利アンケート」の結果と大きく異なっていた
ことだった。
しかも今回、「故意による死亡」という表現を用いて、学校事故対応に関する調査・研究から、自死事案が除外されていることにも納得がいかなかった。

回答としては、自死事案を今回の調査の対象から外した理由は、
いじめ自死については「いじめ防止対策推進法」があり、自殺についても「自殺対策基本法」があるが、他の学校事故については今まで取り組みがなされてこなかったことから、有識者会議を設けて取り組むことになったという。
そして、「自殺」を「故意による死亡」と言い方をしているのは、「独立行政法人日本スポーツ振興センター法」にそうあるからという理由だった。
(文科省通知に「重大な過失等の場合に関する運用基準について」がある
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19940324001/t19940324001.html 参照)

それに対し私たちは、「自殺対策基本法」では、自殺は「追いつめられた末の死」と解釈されており、まして、子どもの死を「故意による死亡」と考えることは間違いであること。そう考えている限り、子どもの自殺をなくすことはできないから、まずは文科省から変えてほしいと訴えた。

なお、自殺事案に関するセンター給付については、2007年から、自宅など学校や通学路以外の場所での自殺であっても、原因が学校に起因することであれば、小中学生については給付が認められるようになったものの、その当時からすでに懸念されていた。
実際に、学校や教育委員会が「いじめによる自殺」などと学校生活との関係を認めなければ、手続きさえしてもらえなかったり、センターに給付を阻止され、同じような事案であっても、給付されたり、されなかったりするなど、学校・教委とセンターの意向が大きく反映され、掛金の一部を負担している保護者の意見や権利がないがしろにされていることなどを話した。
また、大人の自殺でさえ、パワハラや過労死など、労災で認められているのに、高校生だけが、たとえ学校の敷地内で自殺したとしても、指導死など、明らかに学校関連の自殺であっても、認められないのはおかしい。
学校保健安全法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33F03501000018.html 参照)には、「最新の知見に基づいて」とあるが、古い知見のまま運営されていることなどについて、変えてほしいと話をした。
これについては、小西議員もたいへん関心を持っていただき、2007年にセンター法を改正して、小中学生の自宅での自殺が一部認められるようになったのではあれば、高校生についても十分、改正の余地があるのではないかとと言っていただいた。

また、学校事故対応については、まだ始まったばかりなので、これからいろいろ検討していくということだったが、だからこそ、最初の入り口で、自死事案が排除されてしまったら、今後も検討対象にはならない。
いじめ自死については、いじめ防止対策法で多少は前進したものの、運用面での課題はまだまだ多いし、いじめ以外の自死については、自治体によって取り組みはかなり温度差がある。自死事案を切り捨てないでほしい。

小西議員からは、いじめ自死について、他の学校事故に比べて一歩でも二歩でも先に行っていると評価するのであれば、いじめ防止対策推進法以降、現実はどうなのか、うまくいている部分、いっていない部分について、法人のもっている情報や知見をヒアリングしたり、会議のメンバーに加えることで、学校事故対応に生かすこともできるのではないかという提案もしていただいた。

私たちがとった当事者アンケートと、今回の大阪教育大学アンケートとの違いは、学校や教育委員会の職員等が答えているからで、そのことは数値を発表するときにきちんと説明しているという。
しかし、この数値を「正しい現状」と認識して対策を立てるなら、検討会の方向性は全く違ったものになってしまうだろう。今まで散々、当事者と学校や教育委員会の見解が異なることは周知の事実として報じられてきた。
学校事故の対応を見直すのであれば、学校関係者からの情報収集一辺倒の在り方そのものを見直すべきだと思う。

今回は、被災当事者たちにも広くヒアリングを行っているという。
しかし、調査報告書に具体的な事例としてあがっているのは、どれも学校と被災者との関係がある程度うまくいっているものばかりだ。有識者会議でのヒアリングについても、このままでは全く改善されないと危機感を抱いた遺族たちが、あわてて自分たちの話を聞いてほしいと申し入れて、ようやく受け入れられることになった。積極的な情報収集とは感じられない。
むしろ、うまくいっていない事案こそ積極的に取り上げるべきではないかという提案もさせていただいた。
一例として、私学の情報開示の問題や、学校や設置者が誠実に対応しない場合に、現状では行政も動こうとはせず、条文が全く生かされていないことも話をした。

いろいろ不満はあっても、学校事故事件の被災者から、スポーツ・青少年局学校健康教育課の評判はけっして悪くない。今までは門前払いされていたものも、丁寧に話を聞いてくれるようになったという声も上がっている。
しかし、オリンピック招致を前に、2015年10月からスポーツ庁が設置されるのに伴って、児童生徒課に統合されてしまうという。そのことで、後退してしまう部分もあるのではないかと懸念する。

今回の要望がどこまで入れられるかは別にして、少なくとも今後、話合いの機会を継続的にもっていただけることを約束して終わった。


要望書の内容は以下の通り。



                                                平成27年5月20日
文部科学省
文部科学大臣 下村 博文 様
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課
課長 和田 勝行 様
「学校事故対応に関する調査・研究」有識者会議
座長 渡邉 正樹 様
   有識者会議委員各位

                                   NPO法人ジェントルハートプロジェクト
 
                                            代表理事 小森新一郎

                        要 望 書


 私たちは、いじめ自死遺族を中心に、いじめ問題の解決に取り組むNPO法人です。
いじめ防止とともに、学校でのできごとが原因・要因と思われることで自死した場合に、わが子の身に何があったのかを知ることのできる「親の知る権利」を求めて活動してきました。
 今回、国立大学法人大阪教育大学の文部科学省委託事業「学校事故対応に関する調査研究調査報告書」(以下、学校事故対応報告書)を拝見しました。こうした調査研究がなされることは、再発防止や知る権利の面で価値あることと考えます。
 その一方で、以下の2点について危惧を抱きました。

@子どもの自死事案が調査研究の対象から除外されていること
A学校事故対応報告書の内容が、平成22年に当法人が被災者や遺族を対象に行った「当事者と親の知る権利アンケート」(以下、法人アンケートという)の結果と大きく異なること


 学校事故対応報告書は、昨年度から引き続き行われている「学校事故対応に関する調査・研究」有識者会議の方向付けにも大きく影響すると思われますので、以下、私たちの意見と要望を述べます。
 審議の際にご検討いただき、結果についてもご回答いただけますようお願いいたします。


【要望事項】

1.調査研究対象に自死事案を含めてください。

2.事件事故災害後の対応の現状について、被災者や遺族から直接情報を吸い上げる仕組みをつくってください。




【要望事項の説明】

1.調査研究対象に自死事案を含めてください。

 今回の「学校事故対応に関する調査」の調査概要には、「故意による死亡を除く」とあります。「故意による死亡」は、自死事案を指していると思われます。
 しかし、いじめや体罰、不適切な指導を背景とした子どもの自殺は少なからず起きており、それらも当然学校事故に含まれるべきものと私たちは考えます。自死を含まない情報をもととした事故対応調査は、現状を正確に反映できず、正しい対応策を導く妨げにもなり得ます。
 事実、学校事故対応報告書の内容、とくに「事件事故災害後の対策」調査結果は、平成22年に実施した法人アンケートの結果と大きく異なります (添付資料参照)。
 学校事故対応に関する正しい現状把握、それによるより有用な調査研究のため、今回の「学校事故対応に関する調査・研究」有識者会議の議題に自死事案を含め、また、事件事故の遺族から聞き取りをする際には、いじめ等自死遺族を含めていただけるよう要望します。
 

2. 事件事故災害後の対応の現状について、被災者や遺族から直接情報を吸い上げる仕組みをつくってください。

 学校事故対応報告書の基本となる情報は、災害共済給付制度に基づく給付請求のために日本スポーツ振興センターに寄せられた申請情報に基づくものです。
 しかしこの情報を元データとするには、以下2点の課題が残ります。

@災害共済給付制度に基づく給付請求が行われないケースが散見される
A給付請求のための記載事項が現実を正確に反映していないケースが存在する

 そのため、当事者が把握している事実とセンターに寄せられる情報に乖離があるのであれば、学校事故対応に関する調査研究を正確に行うことは困難です。
 学校事件事故災害後の情報収集のために、文部科学省は常に学校設置者や学校管理職を経由して情報を吸い上げてきましたが、これも当事者のもつ情報を正確に反映していませんでした。この乖離こそが学校事件事故災害後の対応の一番の問題です。
 なぜ、これほどにまで被災者や遺族のとらえ方と、学校や設置者の報告内容が異なるのかを分析したうえで、被災者や遺族から直接情報を吸い上げる仕組みをつくってください。



【要望事項に関する補足説明】

1. 要望事項1に記した「調査研究対象に自死事案を含める」ことに関して補足して説明します。
 自殺は、心理的に「追い込まれた末の死」です。これは、「自殺総合対策大綱(平成19年6月閣議決定)」の「自殺対策の基本認識」に、「多くの自殺は、個人の自由な意思や選択の結果ではなく、様々な悩みにより心理的に「追い込まれた末の死」ということができる。」と明記されている通りです。子どもであれば、周囲や社会的要因からの影響で心理的に追いつめられやすいことは容易に想像できます。
 また最新の知見でも、自死は「故意による死亡」と認識されるべきではないとされているにもかかわらず、調査に関わった独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下、センターという)自体、新しい法律の新しい知見にあわせてセンター法を改正することなく、今だに高校生の自殺は故意による死亡とみなし、死亡見舞金を支給しない方針をとっています。
 学校保健安全法の第3条には、「国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各学校において保健及び安全に係る取組が確実かつ効果的に実施されるようにするため、学校における保健及び安全に関する最新の知見及び事例を踏まえつつ、財政上の措置その他の必要な施策を講ずるものとする。」とあります。
 こうした観点からも、学校事故対応に対する調査研究に自死事案を含めることは当然だと考えます。


2. 要望事項2に記した「事件事故災害後の対応の現状について、被災者や遺族から直接情報を吸い上げる仕組み」に関して補足して説明します。

 「自殺対策基本法」の目的の一つとして「自殺者の親族に対する支援の充実」があげられています。また、学校保健安全法第29条の3項においても、「事故等により児童生徒等に危害が生じた場合において、当該児童生徒等及び当該事故等により心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等その他の関係者の心身の健康を回復させるため、これらの者に対して必要な支援を行うものとする。」とあります。
子どもを亡くした親の第一の望みは、わが子に何があったかを知ることです。
 いじめ自死については、「いじめ防止対策推進法」 (以下「いじめ防止法」という)のなかで、いくらかは改善されつつあります。しかし今だ、わが子に何があったか知ることを学校や教育委員会に阻まれ、関係者の言動に遺族がさらに深く傷つけられることもめずらしくありません。そして、いじめ以外の自死については、自治体や学校によって対応が異なります。
 「犯罪被害者等基本法」には、「『犯罪等』とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう」と書かれています。
 学校における事件事故災害及び自死も、「心身に有害な影響を及ぼす行為」という意味で同等です。基本理念に定められているような「個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」ことを認め、被災者や遺族が適切に遇されるよう、具体的な指針をつくってください。
 その為に有効な取り組みが「すべての事案の調査検証及び報告に、当事者や遺族・家族の意見がきちんと反映される仕組み」づくりです。当事者・遺族・家族として、事件事故等に関する意見を表明し、それが記録されることは、被害体験からの回復の意味でも欠かせない行為です。


3. 私学の事件事故対応に関して補足して説明します。
 私学での事件事故では、公立学校以上に当事者や遺族が知ることは困難です。
私立学校法第6条に、「所轄庁は、私立学校に対して、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」とあります。また、いじめ防止法第31条にも、「都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、私立学校法第6 条に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。」とあります。
 しかし現実には、よほど世間の耳目を集めるような事件事故でない限り、学校や法人が被災者への適切な対応をせず、調査報告や情報開示を拒んでも、私学の自主性を口実に、知事及び所轄庁が動くことはほとんどないのが現状です。
 学校保健安全法第4条では、「学校の設置者は、その設置する学校の児童生徒等及び職員の心身の健康の保持増進を図るため、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」とあり、私学も公立学校同様に、その対象にしています。
 事件事故が起きたときに、世間の関心の大きさや設置者によって、調査報告や被災者・遺族に差が生じることがないように、私学での被災者の現状から問題点を洗い出し、設置者の責任を明確にして、実効性のある対策を立ててください。


添付資料
・NPO法人ジェントルハートプロジェクト「当事者と親の知る権利アンケート」調査結果
・学校事故対応に関する2つの調査の対比表


                                                           以 上


資料2 学校事故対応に関する2つの調査の対比表 
                                                  2015年5月 
                              NPO法人ジェントルハートプロジェクト作成

  「学校事故対応に関する調査研究」
報告書
「当事者と親の知る権利アンケート」
調査
実施者 国立大学法人大阪教育大学に委託   NPO法人ジェントルハートプロジェクト  
実施時期 平成26(2014)年   平成22(2010)年2月〜9月  
調査対象 平成17年度〜25年に独立行政法人日本スポーツ振興センターが死亡見舞金及び障害見舞金(第1級〜第7級)災害共済給付を行った事件・事故
(故意による死亡を除く)
  回答者の被災時期は平成4(1994)年から平成11(2009)年。
51件中 当事者である子どもが亡くなっているケースが38件
(自殺23件、自殺以外の死亡15件)
 
有効回答 558件   51件  
記入者 学校、学校設置者   被災当事者1件、保護者50件  
被災者への説明 「被災した児童生徒等の家族への「学校側からの具体的な経緯の説明」
1 時間以内に64.2%、
24 時間以内に計90.3%の割合で、説明が行われていた。
話した内容については、「事故概要・発生時の説明」が351 件で最も多かった。
16 「事件事故の経緯や詳細についての説明」「その日のうち」が10件(19.6%)、
「1カ月以上たってから」が9件(17.6%)。
「いまだに説明がない」が14件(27.5%)。

「学校や教育委員会から、自発的な説明や報告はありましたか。」の問いに、
自発的な説明や報告を受けた人は6件(11.8%)、
41件(80.4%)が「自発的な説明や報告はなかった」と答えている。
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謝罪 また少数ながら、「謝罪」との記述もあった。ただし、本調査では、謝罪に関する具体的な質問を実施していないため、他にも「謝罪」を行っているが記載されていない事例が含まれている可能性がある。 16 「責任があると思われるひとたち」からの謝罪について、
「受けていない」34件(66.7%)
「受けた」13件(25.5%)。
責任があると思われる学校管理職33人中、謝罪があったのは10人。複数回答なのでだぶっている可能性もあるが、責任があると思われる「担任教師」29人と「部活動顧問・指導者」20人のうち、謝罪があったのは11人のみ。
謝罪を受けたひとに、「どのような謝罪だったか」を尋ねると、「心からの謝罪と感じられた」は、わずか1件。「形式的な謝罪に思えた」5件、「当初、謝罪していたが、後に拒否された」5件。
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説明や報告の
納得感
「学校側からの事件・事故災害に関する説明に対して、被災した児童生徒等の遺族・家族からの理解が得られにくかった説明内容としてはどのようなことがありましたか。」という自由記述形式の設問に対して、無回答や不明と記入した回答を除いて304 件の回答があった。回答内容により以下の8 項目に分類した結果、「特になし」、「理解が得られている」という回答が最も多く202 件であった。

その一方、「原因やそれに至った経緯」が35件、救急対応の遅れなど「事件事故発生時の学校側の対応」が25 件あげられており約3割の遺族・家族から理解が得られにくかったという結果であった。
18 学校・教育委員会の説明や報告は、あなたにとって納得できるものでしたか。」の問いに、
「まったく納得できなかった」40件(81.6%)、
「あまり納得できなかった」4件(8.2%)、
合わせて約9割が「納得できない」と答えている。
「納得できた」は0件、「少しは納得できた」3件。

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調査への
要望・意見
検証委員会において、被災した児童生徒等の遺族・家族から事故の内容や調査方法に対する要望・意見等を聴取した割合は84.3%であったものの、被災した児童生徒等の遺族・家族が検証(調査)委員会の活動に積極的に参加した割合は52.1%であった。
また審議経過をマスコミに公表した割合は20.0%であった。
23 「学校・教育委員会は調査するにあたって、被災者や親の意見を取り入れてくれましたか。」の問いに、
「全く取り入れなかった」ケースが最も多く32件(64%)。
「ほとんど取り入れなかった」6件(12%)と合わせると
76%のケースで親の意見が取り入れられていなかった。
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調査内容 検証(調査)委員会を設置したと回答のあった78 件のうち、検証結果を公開したのは39件であった。公開の範囲については遺族・家族(31 件)や学校関係者(30 件)が多くなっていた。 25 「学校や教育委員会はアンケートや作文のほかにどのような調査をしましたか。」の問い(複数回答)の回答
上位3 位は、
「どのような調査をしたかわからない」(17 件,22.4%)、
「知っていそうな児童生徒に聞き取り調査を行った」(15 件,19.7%)、
「学校管理職や教育委員会の人間が、関係する教職員に聴き取り調査を行った」(14 件,18.4%)。

学校・教育委員会の事実調査について、「あまり適切だと思わない」が2件、「不適切だと思う」が38件で、計40件、8割近くが「適切ではない」と答えている。

アンケートの設問では、学校が教育委員会にあげる事故報告書とスポーツ振興センターに保険の支払い請求をするための「事故報告書」とを区別していないが、「学校事故報告書」を「見た」が8件、「コピーを持っている」が27件、「実物は見ていないが内容は聞いている」が3件。
これら「内容をある程度知っていた」38件のうち、複数回答で、「正確に書かれていると思う」はわずか5件。
「重要な情報が抜け落ちていた」が22件。
「一部にうそが書かれていた」が12件。
「書かれていることの大部分がうそだった」が10件。

「黒塗りが多く内容がほとんどわからない」が6件。
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その他 「関係者への対応が速やかにかつ適切に行われたか」という設問では、「とても思う」という回答割合が、「遺族・家族」に対しては90.6%。
「遺族・家族と当該の学校及び学校設置者との関係は良好ですか」という設問については、74.7%が「とても思う」と回答していた。

一方、「あまり思わない」と「全く思わない」との回答が計8.5%あった。
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「事実を知るうえで、障害になったものは」の設問について、単数回答で、
第1位 学校管理者の拒否や抵抗 46件(20.6%)
第2位 関係する教師の拒否や抵抗 33件(14.8%)
第3位 関係する児童生徒の保護者の拒否や抵抗
30件(13.5%)
第4位教育委員会の拒否や抵抗 23件(10.3%)

事実を知るうえで、最も障害になったものは、単数回答で、
第1位 学校管理者の拒否や抵抗 28件(59.6%)
第2位 教育委員会の拒否や抵抗 6件(12.8%)

第3位 関係する児童生徒の保護者の拒否や抵抗
4件(8.5%)
第4位 関係する教師の拒否や抵抗 3件(6.4%)

※今回の文部科学省委託事業の「学校事故対応調査」は、遺族らが事実を知るうえで最も障害になったと答えた学校管理者や教育委員会が回答している。
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※頁は、各報告書のページ。

【参 考】

・「学校事故対応に関する調査研究」報告書
 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/167027.pdf

・「当事者と親の知る権利アンケート」調査 (NPO法人ジェントルハートプロジェクト)
 http://npo-ghp.or.jp/wp-content/uploads/2014/03/victim_20140305.pdf

・概要版 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/2010_ghp_questionnaire.pdf



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