わたしの雑記帳

2011/10/26 奈良中学校、柔道部顧問による傷害事件 民事裁判結審(10/11)

2011年10月11日(火)、横浜地裁503号法廷で、奈良中学校、柔道部顧問による傷害事件の裁判が、結審した。
原告で、被害者の母である小林恵子さんが、裁判長の許可を得て、1分という短い時間制限のなか、以下の文章を読みあげた。


 「息子が重い障害を受けてから、季節の流れも目に入らず、リハビリに膨大な時間を費やしております。

 柔道指導者が、小学1年生を投げ、死亡させた刑事裁判を、9月に傍聴しました。
裁判官の「柔道は昔、どのようなものであったか?」との質問に、「戦場で相手を殺す武器」と被告は答えました。
「受け身を作ることで、今の柔道になったのに、あなたは受け身ができない相手に技を掛けたのか?」と裁判官は詰問しておられました。
 直接頭を打たなくても、技を連続してかけ、頭部を激しく揺さぶった事で、急性硬下血腫が発生した、と裁判所ははっきり認め、有罪の判決を下しました。

「受け身の持つ意味」は、柔道家ならば誰でも知っています。息子を、受け身のできない状況に追い込み、死の一歩手前まで追いやるのは、教育者としての配慮もなく、虐待そのものです。検察は、息子に怪我をさせたのはT教諭だ、と断定しました。

裁判長様におかれましては、公正、厳正なる判決をお願い申し上げます。」


次回はいよいよ、判決。2011年12月27日(火) 13時10分から、横浜地裁503号法廷にて。



この事件は本来、刑事事件で、有罪にするべき内容だったと思う。しかし、そうならなかったことが、かえってご両親の思いに火をつけた。
「柔道場で、柔道着を着て、柔道技を使えば、どんなことをしても無罪になってしまう」。
そんなばかなと、やむを得ない事故ではなかったこと、暴行であり、虐待であることを証明するために、小林さんは脳損傷の医学的知識を勉強し、加速度損傷という答えを導きだした。海外にも問い合わせをして、毎年のように柔道で死亡事故が起きているのは日本だけだということを広く人々に知らしめた。一人では立ち向かえない、被害者が連携しないと同じことが起き続けるとして、被害者の会を立ち上げた。
もし、奈良中や顧問教師Tが、自分たちのしたことをきちんと認めて謝罪し、二度と繰り返さないことを誓っていたら、この1年余りの間に起きた柔道連盟をも揺り動かすような動きは生まれていなかったかもしれない。
柔道事故撲滅のためのここまでの流れをつくってきた小林さんの裁判にこそ、勝訴を!

何十年もかけて、100名を超える子どもたちの死亡事故のうえに、よくやくつくられたこの事故防止の流れを、柔道による重大事故ゼロになるまで、止めてはいけない。海外ではすでに実現している。日本でも、実現できないはずがない。

全国柔道事故被害者の会(http://judojiko.net/)では、2011年11月27日(日曜日)、10時から16時半頃まで、東京・四ツ谷で、第4回シンポジウム「柔道事故撲滅のためのアプローチ」を行う。今回は二部制で、午前中は今までのおさらい。午後からは、新しい講師を迎えて、医学的、科学的な検証を行う。申込みは、同会の申込みフォーム http://judojiko.net/news/949.html から(先着160名)。



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