2010/10/8 | 奈良中学校、柔道部顧問による傷害事件傍聴報告 |
2010年10月5日(火)、午前10時から横浜地裁503号法廷で、奈良中事件(平成19年(ワ)第4884)の民事裁判口頭弁論が行われた。裁判官は、森義之氏、峯俊之氏、根本政和氏。 最初に原本の確認。原告(小林さん側)は準備が整っておらず、次回に持ち越しとなった。また、原告主任弁護士の落合洋司弁護士が多忙で、証拠申し立て書も用意できなかったということで、次回になった。 証人を申請するにあたっては、原告からは、原告両親とKくんの治療に当たった医師。 また、専門家の意見書を準備中なので、提出したいという申し入れがあった。 なお、被害者であるKくんの陳述書は、心身の後遺症により、作成できない状況にあるという。 被告側は、T教諭の証人申請とともに、Kくん本人の証人尋問を申請しているがという裁判長の言葉に、原告代理人弁護士が、それは無理だという両親の強い意向を伝えた。 裁判長が、「非公開ではどうか? 」と尋ねたが、「語れる状況にはない。無理」と言う。 父親が補足して発言。記憶障がいの問題もあるが、何より本人がT教諭について強い恐怖心を抱いていること。事件について触れられたくないこと。証言することが、命に関わるほど危険な状態であることを説明した。 原告からは、Kくんが証言台に立つことは無理であるという医師の意見書を提出することになった。 次回、証拠申立て書、証人申請書、意見書や書証でいくつか出したいものを提出して、立証関係は一通り揃う予定という。 次回は、11月16日(火)、午前10時から横浜地裁503号法廷。 ********** ここのところ、世間では検察のあり方が問題になっている。たくさんの事件事故に接していると、「今さら」という気にさえなる。 柔道事故・事件は私的制裁・リンチであることがかなりはっきりしていても、起訴さえされない。 世の中には、防ぐことがかなり難しい事故だったかなと思えるものさえ、たくさん起訴されているのに、最低限と思われる過失致傷や過失致死にさえ問われないのは、あまりにバランスが悪い。 単に高い有罪率を保つためというより、恣意的なものをそこには感じる。 警察関係者が関与している事件事故、自衛隊、相撲界、柔道界など、公権力や警察と密接な関係のある団体関連の事件事故。 いずれも捜査内容が不透明で、不自然な結果を迎えている。それも、一部の地域でということではなく、全国的に。 このサイトで何度も述べているが、奈良中事件でも検察審査会が二度にわたって、「不起訴不当」としているにもかかわらず、検察は一蹴している。そして、申請しても、刑事関係の書類が開示されない。 少年事件でさえ、民事裁判に使うことを条件に多くが情報開示されてきた。まして、相手は公立中学校の教師であり、成人。 不起訴が誰がみても納得できるものであるのなら、情報は開示できるはずだと思う。 横浜は、他地域に比べても、刑事事件の情報開示が進んでいると、犯罪被害者支援の弁護士に聞いた。にもかかわらず、今回は頑なに拒否している。 不起訴の理由もはっきりしない。検察審査会の意見を否定した理由も、「検察審査会は素人の集まりだから」と担当者が言ったと聞いた。それでは、何のための検察審査会か、裁判員制度の意味はなんなのか、わからない。 不起訴にするのなら、その理由の説明責任を検察はきちんと果たしてほしい。 冤罪を防ぐために捜査段階での可視化が言われている。警察、検察の不法行為を明らかにするためにも必要だと思う。 ただし、それを誰が見ることができるかをきちんと確立しておかなければ、結局は、制度があっても宝の持ち腐れで、利用することができない。 個人情報や公権力を盾にされれば、一般市民は何もできない。「公= 善」という考え方はとっくの昔に崩壊している。 弱い立場の人間にも使える制度がほしい。 |
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