2009/10/27 | 奈良中学校、柔道部顧問による傷害事件傍聴報告。 刑事事件としては、顧問教諭の不起訴処分が決定!? | |
2009年10月27日(火)、午前10時00分から、横浜地裁503号法廷で、奈良中学校、柔道部顧問による傷害事件の民事裁判第9回口頭弁論が行われた。裁判長は三代川俊一郎氏、峯俊之氏、塩田良介氏。 まず、裁判長がT顧問の代理人弁護士に、変更部分はないか確認した。 どうやら書類の一部に不明点(昏睡が5日なのか、50日なのか?)があり、それについて再度、裁判長が質問した。しかし、弁護士は何ページにあると書いたと返答。どこの部分に書いてあるのかと問われても、きちんと調べればわかるはずと突っぱねた。裁判長は丁寧な口調で、裁判所でも見てみたが、わからないので質問している。再度調べてわからなければ、また聞くかもしれないと、引き下がる形となった。 裁判官に対して、これだけ不遜な態度をとる弁護士も珍しい。ふつうは、心証を悪くすることを避けるものだが、ちょっと驚いてしまった。 神奈川県や横浜市からは、急性硬膜下血腫の原因と因果関係が、現時点のものではわからないので、鑑定が必要という意見と、MRIの画像を提出してほしい旨の要求があった。 それに対して、原告側は、一部、保管期限が切れてしまって廃棄され、入手できないものがあったが、検討して出せるものは出したいと答えた。 また、裁判長からは、検察庁のほうはどうなっているかと聞かれて、近く処分(結果)を出すといわれている。次回までには出ているのではないかと思うと原告代理人が答えた。 また、高次機能障がいについて、現状を報告してほしいと裁判長が要請した。 次回は12月8日(火)午前10時から、横浜地裁503号法廷にて。今回、被告側から出された反論に対して、原告側が再度、反論を行う。 ************** 裁判後に、原告弁護士から簡単な説明があった。今日、検察から呼ばれていて、これから行くとのこと。前回は今年の3月。結論が出るはずだったが、延期になった。 通常は1年以内に結論が出るが、送付からすでに2年3カ月たっており、異例であるとのこと。さすがに、今回で結論が出るだろうとのこと。 そして、Kくんの母親が言った。今まで、自分たちは、医師からたくさんの同じような症例があることを聞かされてきた。しかし、そのほとんどが交通事故だった。ある方に指摘されて気づいたが、自分たちの息子の事件は、人間対人間。にもかかわらず、40キロ、50キロのスピードを出してぶつかった車対人間と同じように、ラベ静脈が切れている。これは何を意味するのか。 人間対人間の事故に詳しい、スポーツ事故の専門家に話を聞いてほしいと、検察にお願いしてきた。 そうすれば、単なる事故ではないことがわかるはずと。 帰宅後、Kさんからのメールで、不起訴処分が決まったことを知った。 ネットニュースでも詳細が出ていた。 讀賣新聞のサイトには、 「横浜市立奈良中学校(青葉区)で2004年、柔道部顧問の男性教諭(31)が部活動中、教え子だった当時中3の男性(19)に脳挫傷などの重傷を負わせたとして傷害容疑で書類送検された事件で、横浜地検は27日、「技をかけるときに傷害の故意があったと認めることはできない」として、男性教諭を嫌疑不十分で不起訴とする方針を固めた。 県警の発表などでは、事件は04年12月24日午後、同校の格技場で起きた。県警は07年7月、教諭が受け身の取れない状態の男性に大外刈りや背負い投げなどの技を続けて重傷を負わせたとして書類送検した。教諭側は「投げ技のスピードだけで脳の血管が切れることはあり得ない」などと反論。捜査関係者らによると、教諭は男性の頭を畳に打ち付けていないことなどが確認されたという。」とある。 しかし、多くの柔道事故で、脳の血管が切れて亡くなったり、重い障がいが残ったりしている。 顧問が、Kくんの頭を畳に打ち付けていないことをどうやって確認したというのだろうか。教師がやっていないと言えば、やっていないことになるのだろうか。 しかも、引退した3年生部員を下校時に待ち伏せして、無理やり道場に連れて行って、顧問が相手をした直後に意識を失って、救急搬送されている。 顧問には講道館杯日本体重別選手権で優勝経験がある。中学生との力量差は明白だ。 柔道の投げ技でさえ起きないというなら、いつ、どこで、交通事故でもないKくんの脳の血管は切れたというのだろう。学校側は電信柱に頭でもぶつけたのではないかなどと言ったというが、それこそ、その程度で切れる血管ではない。 柔道の猛者が意識的にやってこそ、可能な傷害ではないのか。 すもうの時津風部屋・斉藤俊(たかし)さんの事件でも、最初に検視した愛知県警はすぐには立件しなかった。解剖さえしなかった。新潟の実家に遺体が送られて、両親が新潟県警に相談して初めて、事件が動き出した。 県警と相撲界の関係も当時、いろいろ報道されていたはずだ。 同じことが、ここでも起きているのではないか。 とくに神奈川県警と柔道との結びつきは強い。最初から結論ありきで、ただ、ほとぼりが冷めるまで待っていただけなのではないか。これは当初から心配されていたことだった。 身内かばいと同じ意識が働いているとしたら、とんでもないことだ。 警察で、自衛隊で、リンチ殺人が起きても、立件されない。それが、学校現場にまで入り込むとしたら、これが先例となるとしとたら、武道にかこつけたら、何でもできてしまう。 交通事故死に関して、日本の科学捜査は優秀だと聞いたことがある。科学的な立証を重ねていけば、たとえ被害者が証言できなかったとしても、密室で行われたとしても、立件できるのではないだろうか。それためのヒントを、被害者の両親が必死になって提供してきた。ほんとうに、あらゆる手立てを尽くして、公正に審議された結果なのか、疑問に思う。 顧問は今も、別の学校で柔道の指導を続けている。真実を明らかにすることが、再発防止への唯一の道だと思う。 両親は審査会に不服申し立てを行うという。 |
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