わたしの雑記帳

2009/3/28 柔道事故・斉野平(さいのひら)いずみさんの民事裁判、控訴審第6回目

2009年3月17日(火)、東京高裁424号法廷で斉野平(さいのひら)いずみさんの民事裁判、控訴審第6回目があった。
裁判官は、渡邉等氏、西口元氏、山口信恭氏。

今回、控訴人である斉野平さん側から、訴えの変更があった。請求が拡張されたという。
また、今まで金額がはっきりしなかったものが、出された。
これについて、裁判後に控訴人代理弁護士から説明があった。
いずみさんは、意識のない状態でずっと入院しているが、3カ月ごとに受け入れ病院を捜さなければならず、差額ベット代が発生するところしか、結局は見つからなかった。父親の定年退職を期に、自宅で受け入れる予定もある。そのための自宅改装費用などもかかるとのこと。一審の金額金額1億2300万円から、上乗せした金額の2億円が改めて請求された。
本来、請求金額に対して印紙代の追加が必要となるが、いずみさんに収入がないということで、救助手続きがとられ、追加分の印紙代は免除となったという。

なお、控訴人弁護士らは、教師の注意義務について、学者の鑑定を出したいと申請したが、それは裁判所が判断することで必要ないでしょうということだった。
前回の予告どおり、裁判所から和解勧告が出て、山口裁判官を受命裁判官として、話し合いがもたれることになった。

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いずみさんは12月に手術を受けて、そのときの傷は順調になおっているという。もちろん、植物状態に変わりはないが。
病院は診療報酬の関係で、3カ月ごとに次の転院先を探さなければならない。
そして、差額ベット代1日1万5000円を出さないと受け入れ先がない。
病院から病院への移送は、患者負担で、自分でさがさなければならない。
今、入院しているところは、自宅からもそう遠くなく、拘縮(間接等が固まって動きにくくなること)を緩和するためのマッサージなどもしてもらえている。できれば、長くいたいがそれができない。

元々、高齢者の社会的入院をなくすためとして導入された診療報酬の形態だと思う(あまり詳しくないので、間違っているかもしれない)が、この方式で、どれほど多くの患者家族が心理的、経済的負担を被っていることか。
そして、差額ベットは保険がきかない。1日4万5千円の差額ベット代を請求されて支払えないと嘆く学校災害被災者もいるという。家族が長期入院しなければならないということだけでも、大きな負担なのに、病人も、家族も追いつめられてしまう。
一つの不幸にまたいくつもの不幸が重なって、死ねといわんばかりだ。

報告会のなかで、学校災害の責任の所在はともかくとして、せめて、自治体なりで転院先を紹介するなり、自治体の病院で引き受けるなりしてほしいという話があった。
お金があってもなくても、病気やけがをしたときには、治療に専念できるようにしてほしい。

そして、早期のリハビリの大切さも、同じ被災者のなかから声があがっている。
早期にリハビリを始めれば後遺症や回復力が違う。しかし、現状では人手不足やリハビリの必要性を認識している医師が少ない、医療費がかかるなどの問題がある。
お金と時間をかければ社会復帰が可能な人間を放置して、障がい者になればお荷物扱いする。
誰の、何のための、医療制度なのか、根本を問い直さなければ、これからの日本で安心して生きられない。



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