わたしの雑記帳

2008/5/26 千葉県浦安市立小学校養護学級でのわいせつ事件 被告元教師・校長・市教委・県教委の証人尋問


2008年5月21日(水)、10時30分から17時まで、千葉地裁仮庁舎4階405号法廷で、千葉県浦安市立小学校養護学級でのわいせつ事件の民事裁判(平成18年(ワ)第978号)の証人尋問が行われた。
今回も開廷の30分前には、傍聴券の抽選に約60人が並んだ。前回、抽選にはずれてしまった。そして、今回もまた。
本当にくじ運がない。しかし、私には人運がある。あとで交代する約束で、先に傍聴させていただくことになった。しかも、その後も、帰られた方がいたりして、結局、全証人尋問を傍聴することができた。傍聴券を譲ってくださった方に感謝!

裁判官は三代川三千代裁判長(女性)、片山昭人裁判官、飯塚素直裁判官(女性)。
最初に、尋問の間、市や県の証人はどうするかという協議になった。被告側は、裁判後に結果にわっては処分を考えたりしなければならない立場なので、在廷させてほしいということだったが、三代川裁判長は、所長としての立場と、証人としての立場は別もの、処分の参考資料としたいのであれば、記録や他の関係者の傍聴で十分補えるはずとして、原告側の意見を入れて、他の証言の間は、ほかの証人は外で待機することになった。

(記録は、裁判自体が丸一日がかりと長時間にわたったこと、暑さのなかで頭がボーとしていたこと、記録メモを起こしたのが、数日後ということもあり、自分の字が読み取れなかったり、書ききれていない部分もある。必ずしも正確ではない部分があることを了承のうえ、読んでいただきたい)


最初に被告である元教師Kの証人尋問。
被告の代理人弁護士から主尋問。

Q:M学級の担任は、いつ、どのようにして決まったのか?
A:4月の頭に、校長から言われた。
Q:担当は、どうやって決めたのか?
A:子どもの情報と教師や補助教員の経験を話しあって決めた。全体としては時々、担当を入れ替えた。担任は全員をみる。補助教員は教職を目指していたので、いろいろ経験してもらったほうがよいと思った。
Q:あなたが特殊学級の担当になったのは、小学校普通免許と養護学校特殊免許をもっていたからか?
A:大きく影響していると思う。
Q:補助教員は何のためにいるのか?必要に応じて申請するのか?
A:子どもの安全確保のために、校長・教頭が窓口になって、市教委に申請する。
Q:担当のやり方について。
A:M学級は1学級。本来、9名以上の児童生徒がいる場合には2学級になる。しかし、担任のS先生は新規採用だったこともあり、ティームティーチング方式を採用した。2学級であっても、1学級で運営するほうが効率的。
Q:補助教員も授業を担当していたのか?
A:していた。教職を目指していて、子どもとのやりとり、かかわりが大切だと思った。

Q:○○くんのいたずらについて。
A:シャワートイレのカーテンを閉めたりしていた。
またA子さんが、○○くんから「おっぱい触られた」と言ってきたことがある。また、A子さんが座っているとき、スカートの中を覗くことがあったので、注意した。
Q:それを聞いてどのように指導したのか?
A:カーテンは気がつけば開けるようにしていた。具体的にははっきりしないが、A子さんは1年生の子から、2回ほど「おっぱいギューされた」と言ってきたことがあった。実際の現場は見ていないので、A子さんに「やめてと言いなさい」と言った。
Q:M学級で、下半身を出したりした子はいたか?
A:○○くん、○○くんが、そのようなことがあった。○○くんは体育の授業のとき、短パンのわきからチョロっと出した。○○くんは、トランポリンをやっているとき。

Q:あなたが、「○○のおっぱい大きい」と話したことについて?なぜ、そのような発言をしたのか?
A:高学年の女子生徒はちょっとしたことで大騒ぎになるので、注意喚起のつもりで話した。
Q:刑事事件の裁判のときに、「○○さんの胸を見たい、触りたいと思った」と証言しているが?
A:刑事さんの取調べのなかで、そのままの流れで、そうなった。よく考えてみても、そのようなことを思ったことはない。
Q:法廷で、なぜ言わなかったのか?
A:法廷で、そこまで言っていいかわからなかった。調書で一度取られているから、そのままだろうと思ってしまった。


別の被告代理人弁護士から質問。

(略)

Q:A子さんをくすぐったことについて。
A:本人のほうから、やってほしいと言ってきた。自分から積極的にやったことはない。
Q:どこをくすぐったのか?
A:わき腹。
Q:どんなときにするのか?
A:あまり元気がないと、出させるためにくすぐった。
Q:くすぐることは問題だとは思わなかったか?
A:思わない。コミュニケーションの一環。自分でやったことはない。本人から「やってください」と言ってやったから、問題ない。

(略)

Q:犯行時の図について。簡易ベットがあったここを犯行場所として、自白しているが?
A:警察とのやりたりの中で、ここにベットがあったことを忘れていた。
Q:自白はなぜしたのか?
A:刑事からずっと、「犯人はお前しかいない」と言われ、事実を話してもひとつも取り上げてもらえない。「A子さんを病気にしたのはお前だ。改善させてやるのがお前の仕事だろう」と言われ、自暴自棄になった。自白のあと、自分の気持ちが整理できなかった。ボールペンでのどを突いて命を絶とうと思った。

*******

原告代理人の黒松弁護士から、反対尋問。

(略)

書類を指し示しながら
Q:「A子さんが、『○○くんがA子の胸を触ってきた』と報告してきたとある。この書類は7月に、教頭から「何か誤解されると思い当たるようなことはないか」と言われて、あなたが自分で書いたものだが?
A:はっきりとは覚えていない。自分で書いたのは確か。
Q:S先生は「○○くんが、先生のほうを見ながら片手で、胸をタッチするようにして逃げたいた」と証言しているが。
A:自分は見ていないのでわからない。

Q:あなたは、I市の小学校で1年間、普通学級の3年生を受け持っていた。しかし、翌年は担任を持たずに社会科だけを教えている。保護者からクレームが来たのは覚えているか?
A:覚えていない。
Q:体育の授業のあと、女子児童が着替えているときに早めに教室に入ってくるのをやめてほしいというクレームは?
A:覚えていない。
Q:生徒が、「見ないでほしい」と抗議したら、「あと10年しないと見てもしょうがない」などと言ったということで、保護者会で問題になったのではないか?
A:覚えていない。
Q:「おい」「コラ」などと怒鳴らないでほしい。2〜3人が不登校になっていると抗議があったのではないか?
A:受けていない。

Q:M学級でも、1年間、特殊学級を担当したとき、授業について保護者から苦情があったのではないか?
A:覚えていない。知らない。
Q:母親が直接、言っているというが?
A:覚えていない。
Q:担任を外れたのは、保護者から担任を外してほしいと要望があったからではないのか?
A:聞いていない。

(略)

Q:5月中ごろ、保護者の要望で、保護者会が設けられたか?
A:覚えていない。
Q:そこで、指導が冷たい、熱意が感じられないと言われたのでは?
A:聞いていない。
Q:K先生に話しても誠意ある回答が得られないからと教頭に苦情がいったのではないか?
A:教頭から聞いていない。
Q:Aさんからも、「大きな声で叱らないで」と言われたのではないか?
A:あったと思うが、Aさんの言っている主旨がわからなかった。
Aさんからは、A子さんの進路について、相談された。地域の学校の特殊学級に入れたほうがいいのか、養護学校に入れたほうがよいのか悩まれていた。学校のバス路線を調べて教えてあげた。

(略)

:前任校といい、T小といい、指導力のなさと、クレームの多さについて、校長や教頭から指導があったことは?
A:覚えていない。
Q:Aさんから、A子さんをたたいた、触ったとクレームが出ていると知ったのはいつか?
A:平成15年の後半。7月には聞いていない。
Q:7月8日、9日に宿泊学習があった。7月7日に被害申告が教頭に出されて、7月14日に教頭から事情聴取を受けたのではないか?
A:被害申告のことは聞いていない。
Q:Aさんから、A子さんがカレーの日に触られたということで聞かれたときに、どこを触ったと聞かれたのか?
A:正確には覚えていない。
(裁判官から)
Q:正確でなくとも、だいたいどの辺りかは思い出すことができるのでは?どこを触ったかによって、話はまったく変わってくる。
A:・・・。胸かと思う。
Q:していないのか?
A:触っていない。
Q:教頭は何と答えたか?
A:わかったということだった。

Q:A子さんの頭をたたいたという話は出たか?
A:覚えていない。
Q:6月27日、プールでA子さんの頭をたたいた話は?
A:それは聞いていない。
Q:パンツのなかに手を入れたという話は?
A:それはあったかなと思う。
Q:カレーの日とのかかわりで?
A:わからない。
Q:教頭に聞かれて、どう答えたのか?
A:「そういうことはありません」と答えている。
Q:何分くらい事情聴取されたのか?
A:そんなに長くなかった。
Q:5〜10分か?
A:覚えていない。
Q:回答に教頭は何と言ったのか?
A:「カレーの日は自分も見回りをしていたよな」と言った。
Q:「やっていない」というあなたの言葉を教頭は信じたのか?
A:そう思う。

Q:ここにある文書は教頭に依頼されて書いたのか?
A:ここにこうやってあるのだから、書いたんだろうなという感じ。
Q:書面の内容について、意味を聞かれた記憶は?
A:なかったかなと思う。
Q:校長から、教頭を通して、担任をはずされた理由は聞いたか?
A:保護者との信頼関係が確立できていないからと言われた。
Q:体罰や体を触ったからだとは言われなかったか?
A:言われないと思う。

Q:担任をはずされたことは、補助教員に自分の口から伝えたか?
A:伝えた。
Q:O教師は、「子どもから胸を触られたという訴えがあって担任を外されたとあなたが言った」と証言しているが?訴えが出ていることを初めて知ったのはそのときだと。
A:覚えていない。
Q:担任をはずされたことは納得したか?
A:納得はできないが、受け入れるしかないだろうと思った。
Q:弁解したか?
A:とくにしていない。
Q:市教委で研修を受けさせられた理由は?
A:保護者との信頼関係ができていないから。
Q:体罰、わいせつ行為は?
A:言われていない。

Q:10月14日に市教委から事情聴取されたか?
A:あったことは覚えている。
Q:何について聞かれたのか?A子さんの被害申告の事情聴取か?
A:A子さんだけでなく、B子さんのこともあったように思う。
Q:A子さんからどういう訴えが出ているということだったのか?
A:カレーの日に、胸を触られたということ。
Q:場所について聞かれたか?
A:覚えていない。
Q:パンツの中に手を入れたということは?
A:出たかなと思うが、覚えていない。11月にも事情聴取があったので。場所は、トイレのシャワーの前だけと聞いている。
Q:10月14日に、頭たたいた件は聞かれたか?
A:でなかったと思う。よく覚えていない。
Q:このときが、初めての市教委の直接の調査になるのか?
A:そういうことになる。
Q:どうして、調査があったのか? 
A:訴えがあったから。7月14日の教頭の調査で終わっていると思ったが、8月に保護者から校長あてに、学校に手紙が放り込まれたと聞いた。そっちの流れかなと思った。

Q:B子さんの被害について、具体的にどのようなことを聞かれたのか?B子さんは絵を描いている。そういう状況があったのかと聞かれたのではないか?
A:絵を見たかどうかも覚えていない。
Q:全体にどれくらいの時間だったのか?
A:だいぶ、長かったように思う。
Q:どういう説明だったのか?
A:説明はなかった。
Q:市教委はあなたの言い分を信じたと思うか?
A:だと思う。

ここから、原告代理人の関哉弁護士から尋問。
Q:ここに、11月11日の市教委の調査書類3枚があるが、これは、聞かれて答えた内容か?
A:これは、私が答えたものではない。2ページ目は、これは書いてある通り。
Q:スキンシップについて聞かれて、ゼロではないと回答しているが、どのようなスキンシップがあったと答えたのか?
A:具体的には答えていないと思う。
Q:子どもはいやがっていなかったか?
A:いない。
Q:他にどのようなことを聞かれたか?
A:これ以上のことは聞かれていない。

Q:保護者の前で自信をもって答えられたか?
A:今の自分だったらできる。あの頃は、校長、教頭のいいなりだったので。
Q:24項目について、他の教員にも聞き取りをしたのか?
A:他の先生が話したことは聞いていない。

(ここまでで12時。午後は13時30分から再開)
引き続き、関哉弁護士から。
Q:インターネットを始めたのはいつ頃か?
A:1995年くらい。
Q:自宅からCDロムが多数押収されている。保存した際に、その中身は見たか?
A:何本か見た。
Q:どのような画像を見たのか?
A:よくわからない写真をとってきたのをCDロムに保存した。
Q:わいせつな内容のCDロムがあったが、内容を見たことはあるか?
A:何本かは。
Q:どういったわいせつ画像だったのか?
A:わいせつな画像としか覚えていない。
Q:CDロムには、幼児性愛の内容があったのではないか?
A:インターネットを始めた頃、中身もよくわからないままダウンロードした。
Q:何のためにダウンロードしたのか?
A:興味半分だった。
Q:あとで観るためではなかったのか?
A:そんなつもりはなかった。
Q:ファイル名に「××の中学生」というタイトルがあるが、つけたのは誰か?
A:知らない。
Q:題名を見てダウンロードしたのか?
A:そういうこと。いや、どうだったか、ちょっと覚えていない。
Q:CDロムに落とすのに当たって、内容は確認したのか?
A:ろくに見ていなかった。
Q:ほとんど見ていないのか?
A:見たものもある。

Q:CDロムに「××の中学生」というラベルが貼ってあるが、ラベルをつくったのはあなたではないのか?
A:記憶にない。
Q:あなた以外に作ったりするひとはいるのか?可能性のある人はいるのか?
A:ないと思う。
Q:貼った時点で中身もわかっていたのではないか?
A:覚えていない。
Q:わいせつ画像とわかっていたのでは?
A:ラベル自体、つくったことを覚えていないので、わからない。
Q:小学生と思しき東南アジアの少女の裸体が映っているものやロリーター写真などのタイトルは?
A:知らない。
Q:中身を見ていないのか?
A:わからない。
Q:フォルダーに静止画像が375枚。ダウンロードに相当の時間がかかるのではないか?中身を見ないで、ダウンロードしたのか?
A:全部ダウンロードしなければ、中身が見られない。
Q:なぜ、これを選択したのか?
A:そこにあったから。インターネット上に。
(法廷内に失笑がもれる)
Q:いつ頃、作成したのか?
A:わからない。覚えていない。
Q:プロパティに2002.12.25と出ているが?県教委には、インターネットを始めた頃、中身もわからずダウンロードしたと言っていたが、それは事実か?
A:その通り。
Q:プロパティ作成日時は、ロリーター、SM写真2002.12.25とあるが、あなたが作成した日ではないのか?
A:覚えていない。
Q:押収されたDVDには「激ヤバ援交」「中3××」「無修正中学生××」などのラベルが貼ってあるが、ラベルを作成して貼ったのはあなたではないのか?
A:他にはいないと思う。

Q:平成15年の宿泊学習の食事のとき、A子さんがあなたのそばに座るのを嫌がったことがあったか?
A:あったと思う。朝ごはんだったと思う。
Q:ここにどうぞと誘導した時に、拒否するような態度があったという記憶は?
A:ただ単に、座りにくそうな態度。
Q:T教師の証言では、K教師のそばがあいているのに、A子さんがすごくいやがっているのを不思議に思ったといっているが。

Q:職員会議で、C子さんのおっぱいが大きい。おれにだきついてくると、おれが犯罪者みたくなってしまう」と発言したのは、先ほど、注意喚起のためということだったが、具体的にどういう発言のなかでしたのか?
A:話の文脈で、出るとこ出て、引っ込むところが引っ込んでいる。小学生の体つきではないと言った。
Q:そういう子が抱きついてきて犯罪者みたいな気持ちになるとか、C子さんはおっぱいが大きいとか言ったのか?
A:内容的にはそういうことになる。そのあたりははっきりしない。わからない。
Q:刑事事件のとき、なぜ、そのような証言をしなかったのか?
A:刑事とのやりとりで、調書で認めてしまって、仕方がないことだと思い込んだ。
Q:これは、刑事公判で否認に転じてからのことだ。
A:なぜと言われても、そういう状況であったとしか言いようがない。
Q:4回も主張する機会があったのに、主張していないのはなぜか?
A:そういう状況ではないと思い込んでしまった。刑事さんとのやりとりのなかで、「おっぱいを見たい、触りたいと、お前は思っていたんだろう」とずっと言われたので。

Q:Aさんとの会話でも、発言しているが?
A:覚えていない。
Q:その後、Cさんが、「本当にそんな発言をしたのか?」と聞いたら認めて、あきれたと発言しているが?
A:覚えていない。

(略)

Q:A子さんの胸もふくらんでいると思ったか?
A:思っていない。刑事との話のなかで、そうなった。
Q:否認した段階の調書で主張しているのか?
A:覚えていない。
Q:平成16年3月13日の上申書で、そう思っていたから作成したのではないか?
A:「お前、思ったことがあるだろう」と、「書け」と言われて、その通りに書いたと思う。

(略)

Q:○○くんが、カーテンを開けて着替えるのを見える状態にしたのを「もう一度やってと思ったこともある」とあるが、女子が着替えているときにシャワートイレのカーテンを開けて、着替えが見えた状態だという意味か?
A:あったかどうかさえ覚えていない。
Q:○○くんは、そういうところに興味があり、覗きに行ったり、自分が入ったりしていたのか?
A:記憶にない。記憶にないということは、なかったということかなと思う。
Q:具体的にあなたが話さなければ、警察がこのようなことを知るはずがないのではないか?自分から言ったのではないか?
A:わからない。覚えていない。

Q:スキンシップはゼロではないということだったが、誰に、どういうスキンシップをしたのか?
A:いろいろある。くすぐり。体ごとぶつかってきたら受け止めるということもあると思う。
Q:くすぐり以外は?
A:覚えていない。
Q:A子さんへは何度もあったのか?
A:ない。1回か2回。詳しくは覚えていない。
Q:A子さんをくすぐったのは、A子さんに「くすぐって」と言われたからか?
A:そうだ。
Q:他には?
A:自分が覚えているのは、それだけ。
Q:A子さんをくすぐることは、何の問題もないことか?実際に胸に手が触れたことはないのか?
A:身をよじるので、可能性はある。
Q:刑事事件で、胸に触れてしまったことがあると供述しているが、今、そういう事実はあるか?ボールプールで、わき腹をくすぐったとき、A子さんのおっぱいにさわったことがあると供述しているが。
A:あたった可能性がある。

Q:性器を子どもたちに見せたことはあるか?
A:ない。
Q:公判で供述している。たまたまパンツに手を入れて、直そうとしたところを見られたと。
Aパンツに手を入れたことを認めただけ。
Q:否認している段階で作られた上申書で書いているが?
A:はっきりしない。
Q:調書の内容は事実ではないのか?
A:そうだ。
Q:見せたという意思を持ってたわけでなく、たまたま直そうとして、パンツノナカニ手を入れたのを見られた事故だというのか?生徒が見たのはトイレの前の廊下か?
A:生徒は見ていないと思う。トイレから出てきただけ。
Q:生徒が見る可能性は?
A:わからない。可能性はわからない。刑事から、あっただろう、あるはずだと言われた。
Q:事実はどうなのか?見られたのか?
A:覚えていない。可能性については答えられない。

Q:児童に注意をするのに、手を出したことは?
A:ない。
Q:○○くんをたたいたことは?
A:なかったと思う。
Q:お尻を1回たたいたあと、「だめでしょう」と大声を出したことは?
A:そこに書いてあるなら。
Q:事実は?
A:なかった。
Q:A子さんの頭をげんこつでたたいたことは?
A:ない。
Q:公判廷で認めているが?
A:そういう記述はあると思う。
Q:どういう状態だったのか?
A:A子さんの手が当たって、めがねを払われたということがあるくらい。
Q:公判で、「故意でたたいた」という供述は事実ではないのか?
A:事実ではない。
Q:公判廷では、事実がないのに認めたのか?
A:(無言)

Q:平成18年6月5日、県教委の調査の時、そういう話をしたことは?
A:会ったことは覚えている。内容は覚えていない。
Q:そのときに認めたことは?
A:覚えていない。
Q:A子さんをたたくそぶりを見せたことは?
A:どういう状況かわからない。
Q:左手を頭の上にかざし、その上を自らの右手でたたいたのでは?A子さんが、「アイドル」と言って何度も続けて、やめないので、注意喚起で、「そんなことを言っちゃだめ」と言って、右手をひらっとさせたことはある?
A:覚えていない。わからない。
Q:教頭に誤解されそうなことを書けと言われて書いているが?
A:わからない。
Q:あなたが階段のところで、A子さんを押して、A子さんが階段から落ちたことは?
A:ない。落ちたわけではなかった。触れてしまって、階段を駆け下りるような感じ。具体的な状況は覚えていない。階段の下のほうだと思う。倒れこんだのでもない。

Q:平成16年3月12日、初めて妻が面会に来ているが、それまで面会に来なかったのはなぜか?
A:接見禁止だった。
Q:母親は来ているのではないか?
A:親族1名だけしか許されなかったので。
Q:3月3日から事実を認めたことは妻に伝わっていたのか?3月12日には、どういう話をしたのか?
A:覚えていない。事件について話すことは禁止されていたので、話していない。

Q:示談にするよう動いてほしいと弁護人に頼んだのでは?
A:と思う。

Q:A子さんにどういう脅しの口止めをしたのかと聞かれて、答えているが?
A:「川に流す」「ねこを殺す」と言ったなど、いくつか言ったら、「それが当たりだ」と言われた。
Q:これは警察から言われたことなのか?
A:警察から、「どんなことでもいいから言ってみろ」「お前は脅しているんだ」と言われて、思いついて言ってみたら、「当たりだ」と言われた。
Q:この内容は取り調べまでに出ていたのか?
A:記憶ははっきりしない。その前にいろんなところで、聞いていたと思う。具体的なところでは覚えていない。ねこのことは教育委員会の調査のときに聞いた。

Q:自白内容について、教育委員会から聞かれたか?
A:記憶があいまいだが、聞かれたことがあったと思う。
Q:どう答えたのか?
A:「本当じゃないんだ」と答えたと思う。それしか覚えていない。
Q:理由については?
A:覚えていない。
Q:教師を依願退職したのはなぜか?身の潔白を主張しているのではなかったのか?
A:そういう状況ではなかった。
Q:今は何の仕事をしているのか?
A:今はフリーで働いている。カメラの仕事で。

*******
被告側の補足質問。
Q:ズボンに手を入れたとき、性器自体は児童に見られたかどうかはわからないのか?
A:見られていないと思う。周りの状況は覚えていない。
Q:あなたはA子さんの手があたってメガネが飛んで、たたいたことは認めていたはずだが?
A:反射的に手が出た。げんこつか、平手か、覚えていない。

(略)

男性裁判官から質問。
Q:A子さんの父親からクレームを受けて、どうしたのか?
A:意味がわからなかった。7月7日の授業参観に来て、「いつもこういう状況ですか?安心しました」と言われた。
(後の報告会で、Aさん側は「そのような事実はなかった」と話した。)
Q:何も思い当たることがないのに、聞き返さなかったのか?
A:当時の感情は覚えていない。父親のクレームに対して、その時にS先生もいて、顔を見合わせた。
Q:他の補助教員は?
A:覚えていない。

裁判長から質問。
Q:9月3日から教育センターの研修に行き、10月1日から特別研修を受けているが、市教委からの事情聴取は何回くらいあったのか?
A:覚えていない。
Q:警察から任意で事情を聞かれたことは?
A:2月16日の逮捕までは、聞かれたことはない。
Q:逮捕後、休職処分になっているが、1審、2審と刑事裁判が続いて、釈放されたのはいつか?
A:翌年の4月の終わり。1審で無罪を言い渡されたあと。

Q:クラス担任を外されたあと、職員室で勤務していたということだが、何をしていたのか?
A:雑用。
Q:課題は与えられなかったのか?
A:与えられた気はするが、覚えていない。
Q:教育センター研修での課題は?
A:覚えていない。
Q:毎日、居行くセンターで何をしていたのか?
A:何かしていたと思うが、課題そのものは覚えていない。
Q:教育センターでの研修を命じられた意味は想像がついていたのか?
A:そのときは、それほど重大重要とは思っていなかった。
Q:なぜ、いきなり担任をはずされ、教育センターに行かされ、そのままになっているのか、考えたでしょう?
A:考えても理由がわからなかった。
Q:誰にも、聞かなかったのか?
A:それを考えるのが研修だと思った。
Q:1週間に1回、会って聞かれたのか?
A:日誌は書いていたが、その日誌でということはあった。
Q:あなたの場合は、刑事事件で起訴されて、すぐ民事訴訟になったのだから、ブランクなく、裁判が続いていた。その割には、「忘れた」ということと、「刑事裁判で言ったのは違って、今、言っていることが正しい」ということが余りに多すぎる気がするが、なぜそうなったのか?
A:よく思い返してみて、今が正しい。忘れたことは、思い返しても、思いつかない。
Q:インターネットのわいせつ画像は有料なのか?
A:無料のものだ。


*******

TAKEDA感想

K被告は、主尋問では真面目にはきはきと答えいたが、反対尋問になると急に、じっくり考えるそぶりさえ見せずに、「知らない」「覚えていない」の即答を連発した。しかも特に女性の弁護士の質問に対しては、時々、開き直ったように「何を言っているのかわからない」「どういう主旨で質問しているのか」「もう少し、整理して聞くように」と言い、反撃にさえ出た。一方で、女性の裁判長に対しては真面目に答えて見せる。二面性を感じた。

刑事裁判で認めた内容さえ、すべて警察官に脅されて書かされたとし、それ以外は「忘れた」とする。おそらく、事実ではないことを話すとき、長時間にわたる質問、多方面から聞かれたり、時間差で聞かれたりすると、最初の答えとあとの答えとで矛盾が出てくることがある。それを心配して、当然、覚えていなければならないような内容さえ、「忘れた」としたのではないか。
しかも、前任校や本校での親からのクレーム内容をすべて覚えていない、知らないとする。もし、それが事実だと仮定するなら、この教師に、保護者や学校の上司・同僚、教育委員会など、周囲がどれだけ真剣に話をしても、全くムダだったということだ。どんな重要事項でも、どんなに抗議を受けても、処分を受けても、何の反省もなく、同じことを繰り返してきたということだろう。
何を考えながら、日々、子どもの教育に携わってきたのだろうか。

そして、税金のなかから給料をもらっての教育センターでの研修が、まるで中身のないものだったこともわかる。本当に、指導力不足が問題だったのであれば、指導力を身につける研修がされてしかるべきはずではないか。これでは、ただ、被害者から見えないところに隔離されただけではないか。1年なり、2年なりして、ほとぼりがさめるのを待っていただけなのかと思う。
それとも、他の指導力不足教員も同じように、とくにプログラムもなく、ただ懲罰的に何もさせない、毎日、日誌を書かせるだけで終わって、自ら辞めると言い出すのをただ待っているだけなのだろうか。

Kの教師としての資質に疑問を感じると同時に、未熟な教師をどのように指導し、足りないところを研修で補っていくのか、県や市の教育に対する姿勢そのものも、問われなければいけないと感じる。


15時15分から、元校長E氏の証人尋問が行われた。

被告代理人弁護士の主尋問から。
Q:平成15年の1学期、A子さんの様子に変わったことはなかったか?
A:なかった。平成15年7月15日に、Kが担任をはずれたあと、始業式前にA子さんが職員室前にいたので、「どうしたの?」と聞くと、「K先生いるの?」と聞いた。
Q:特に変わった様子は?
A:なかった。
Q:Kが担任を外れることをA子さんは知っていたのか?
A:知らないと思う。7月14日に、A子さんが学校を休んでいたので、会いにきたのかなと思った。
Q:2学期の様子はどうだったのか?
A:特に変化を感じなかった。
Q:注意はしていたのか?
A:詳しく様子を観察したり、声をかけたりした。「おはよう」と声をかけると、にこにこと返した。
Q:A子さんについて、他の先生にお願いしたことは?
A:詳しく様子を見るようにお願いした。報告では、特に変わったことはないと聞いている。

Q:K病院の医師にアドバイスを求めなかったのはなぜか?
A:保護者から要請が来ていなかった。

Q:平成15年11月10日に、Aさんが被害申告をしたあと、事情聴取はしたのか?
A:私と教頭が、浦安市教育委員会のK教師への事情聴取に立ち会った。
Q:Kの供述におかしいこと、矛盾することは?
A:なかった。
Q:24項目の被害申告はどういう形で聞いたのか?
A:一つひとつについて確認したが、事実は確認できなかった。
Q:M学級以外の職員にも聞いたのか?
A:全職員から聞いた。
Q:どこで?
A:校長室か、教室で。[M学級で聞いたこと、変わったことはなかったか」と聞いたが、特に何もなかった、
Q:24項目について全職員に確認したのか?
A:しなかった。誤解を受けるといけないので。
Q:本人や他の児童から話をきくことをしなかったのはなぜか?
A:Aさん、Bさんから止められていた。先生から聞いて確認できなかったので、Aさん、Bさんに事情聴取しようとしたが、連絡が取れなかったのでできなかった。教頭が何度も連絡をしたのだが。
(報告会で、この点もAさんは否定。家にいたが連絡はなく、しびれを切らせてこちらから連絡したという)
Aさん、Bさんは文書がほしいということだったので、教育委員会作成への報告書を渡した。
Q:もう1回、話を聞いてほしいということはなかったのか?
A:なかった。

Q:4年4組で個別学習をしていたのは知っていたか?
A:巡回していたので、知っていた。
Q:事前報告は?
A:ない。

(略)

Q:K先生だけのときはなかったか?
A:なかった。必ず、T先生がいた。
Q:11月10日の被害申告のあと、K教師と児童が2人きりの可能性について調査したか?
A:しなかった。

*******
原告代理人の杉浦ひとみ弁護士から質問。
(略)

Q:Kのくすぐりについて問題は感じなかったか?
A:Kがくすぐっているところを見たことはないが、問題は感じていない。スキンシップは大事なことなので、問題ないと思う。
Q:第二次成長期にある女子をくすぐることは問題ではないかという発言は教師から聞いたことはないか?
A:誰からも聞いたことがない。

Q:個別学習のときに、K教師のみになるときがあったか?
A:知らない。毎日、何回も巡回しているが、そのようなことはなかった。
Q:巡回以外のときは?
A:何かあれば連絡があるようになっている。
Q:○○くんが、たびたび学校の外に抜け出していたことは?
A:抜け出したことがあったことは知っている。かぎをかけて出られないようにした。外に出たのは1回しか聞いていない。
Q:○○くんが、そういうことにはなっていないのに、一人で下校してしまったということについては?
A:聞いていない。

(略)

Q:E氏の陳述書の2ページ目に、平成15年7月7日、Kから体罰を受けたり、胸を触れたということが書いてあるが?
A:教頭から、そういう話があったと聞いた。教頭から、すぐ調べたが何もなかったと聞いた。
Q:調査する前は、相談があったということは聞いていないのか?
A:聞いていない。相談があったということで、すぐ調べて報告した。保護者も、「子どもが言うことなので、そのままにしてほしい」と言っているということだった。
Q:どんな聞き方をしたのか全く知らないのか?調査指示は校長がしたわけではないのか?
A:はい。

Q:M学級の職員に教頭が事情聴取したとき、校長が立ち会っていないのはなぜか?
A:思い出せない。所用があったと思うが。
Q:報告は文書にしたのか?
A:はい。教頭がまとめたものを校長名で、教育委員会に出した。
Q:内容を見たか?
A:見た。

Q:A子さんの精神的被害は心配ではなかったのか?
A:全く、そういう状況がみられなかった。職員からも、特に変わったことはないと聞いた。
Q:病院に行っていることは?
A:聞いたことがない。
Q:精神症状については?
A:全く、聞いていない。Aさんからも聞いていない。

(略)

Q:体罰やわいせつ行為については、当然、報告すべきだと思うが、親から訴えがあったことは事故報告書として市教委に提出したのか?
A:事実が確認できていないので、出していない。報告書は研修に行かせるためのものなので。
Q:学校と保護者と言い分か違うときには、併記することになっているのではないか?
A:事実があったものに対しての報告書。体罰やわいせつ行為を確認できていないので。
Q:親が性的被害を訴えているのに出さないのか?
A:あったものに対して、報告書を出す。われわれが確認できていないから、出していない。
Q:事実関係に争いがあっても、教師が否認していることについては出さなくてよいのか?
A:事実としてい認められたものだけが報告の対象となる。あるかもしれないことについては、いらない。

*****
男性裁判官から質問。
Q:事故報告書は、今時点でも、間違っていなかったと思うか?
A:事実として確認したものしか出せないので。

********
TAKEDA私見

元校長は、AさんらのKによる体罰やわいせつ行為があったのではないかという訴えに対して、教頭が話を聞いて、翌日に校長に報告をする前に職員らに聞きとり調査をした結果、事実がでてこなかったので、それを信じたという。
体罰とわいせつ行為。しかも、相手は自分から被害を訴えることが困難な障がいのある児童に対して。それをわずか半日から1日の調査で結論が出せると思っていること自体、問題の深刻さが何もわかっていないと言える。
もし、校長が、ことの重大さを認識していたなら、教頭が調べたと言っても、もっと詳しく誰から、どのように聞いて、どんな結果になったのか。教師から聞いたあとは、当然、Aさんを含めた児童の保護者から、丁寧な聞き取りをするべきだったろう。

そして、事故報告書も、指導力不足の教師を研修に行かせるための申請書のみで、保護者からの詳しい訴えを書いた事故報告書は出ていないという。その理由は「事実が確認できていない」からと言う。体罰等について、保護者との意見に食い違いがあるときに併記するようになったのは、体罰をされたという生徒と体罰をしていないという教師の意見が食い違うことがとても多いからだ。それが、学校が事実が確認できていなければ、報告義務さえないのであれば、併記する意味はない。

いじめの定義にしても、当初、文部省は「学校として、その事実を把握しているもの」という一文を入れていたのをとった。1994年のことだ。しかし、多くの学校で不祥事が発覚するたびに、学校側が教育委員会に報告さえしていなかったことが明らかになる。学校は問題を隠そうとする。
いじめ自殺の多発を受けて、伊吹前文部科学大臣は「隠すな」と言った。しかし、言葉だけで、制度としてきちんと、自分たちに不利な情報があがっていくシステムを作らなければ、同じことは続く。報告しなくても処分を受けるどころか、報告しなくてもよいような抜け道がわざわざ用意されていると感じる。

加害者が自ら認めたり、学校が処分を恐れずに自ら申告しない限り、どれだけ被害者が訴えても、問題は明らかにされない。
これでは、いつまでたっても、問題は解決されない。


16時00分から、浦安市教育委員会のT氏の尋問。
浦安市の代理人弁護士から主尋問。

Q:平成15年7月14日にA母から、市教委指導課に訴えがあったことは、誰から聞いたのか?
A:指導課長から聞いた。T小で、教員によるチカン行為があったのではないかという内容だった。
Q:市教委としてはどういう対応をしたのか?
A:指導課のほうで確認した。
Q:事情聴取はしたのか?
A:したと聞いた。
Q:誰が?
A:学校のほうで。
Q:結果は?
A:報告を受けた。
Q:誰あてに?
A:指導課だと思う。結果は、事実確認できなかったということだった。

Q:市教委が、Kから聞いたことは?
A:そのあと、学校に行って、私も確認した。
Q:いつ?
A:翌日の7月15日。
Q:誰がいたのか?
A:校長、教頭、K教師、S教師、私、Aさん母、指導課長。
Q:どのような質問をしたのか?
A:チカン行為をしたというのは事実かと聞いた。K教師は「ない」と答えた。
Q:その場で、他には?
A:よく覚えていない。

Q:平成15年11月10日にAさんが被害申告をした。両教委は事実調査したのか?
A:学校に行って、該当職員に事実確認をした。S教師と補助教員。Kには学校ではなく、市教委で行った。
Q:事実確認の際、作成したメモが24項目か?被害事実は確認できたのか?
A:できなかった。
Q:24項目はどういう形で確認したのか?
A:一つひとつ、どんな場面であったか、確認した。
Q:市教委は他の職員から事情聴取しなかったのか?それはなぜか?
A:その必要はないと判断した。
Q:児童からは事情聴取したか?
A:していない。子どもには聞かないでくれと、学校から聞いた。学校は保護者からと聞いた。

Q:先生のあと、Aさん、Bさんには、もう1回、聞こうとしなかったのか?
A:調べを行った結果について、会って報告する予定だったが、実現しなかった。日程調整がつかなかったと聞いている。

(略)

原告代理人杉浦弁護士から質問。
Q:7月14日の被害申告の具体的内容は?チカン行為。パンツの中に手を入れた。頭をたたかれた。胸を触られた。というのは聞いていないか?
A:頭についてはあった。胸を触られたについては覚えていない。学校を通して、調査指導するように言った。
Q:何を調査指導したのか?
A:詳しいことは聞いていない。
Q:胸を触られたという訴えについてはいつ知ったのか?
A:覚えていない。そんなに後ではない。
Q:7月15日ら校長・教頭から、14日の事情聴取について、誰がどのように質問して、回答があったのか聞いたか?
A:質問の仕方は聞いていない。
Q:各自、どれくらいの時間だったのか?
A:聞いていない。
Q:7月14日の調査の報告は市に上がっているか?
A:見た。
Q:いつ頃?
A:7月15日に、学校に行く前に。
Q:それは、この書類か?
A:違う。紙1枚だった。
Q:どんなことが書かれていたのか?
A:カレーづくりの件。概略が書かれていた。学校がつくった。誰が作ったか、名前は書いていなかった。

Q:M小の校長の書面を見たことはあるか?
A:ある。
Q:いつ?
A:今回の件が出てから。刑事裁判に入ってから。
Q:どういう経緯で見たのか?
A:覚えていない。
Q:どうして、手に入れた?
A:公判資料のなかで見た。
Q:市に上がってきたものではない?
A:はい。

Q:10月に再度、聴取しているのは、なぜか?
A:覚えていない。
Q:どこからか指示があったのか?
A:上司のほうから、「学校に行くよ」と言われて、ついて行った。
Q:何について、再調査したのか?
A:7月14日の中身について。カレーづくりの日に、またチカン行為があったのかということ。
Q:チカン行為の中身とは?
A:カーテンの中で、パンツの中に手を入れたというもの。
Q:前と同じになるとは思わなかったのか?
A:今度は、特別学級のなかで、検証した。
Q:なぜ、調査するかと思ったか?
A:どうなのかと思いながら行った。一緒に立ち会った。教室内の位置関係などを見た。
Q:そのときのことは何か、文書になっているか?
A:覚えていない。
Q:あとでも、これがあのときの文書かと思い当たるものはあったか?
A:覚えていない。

Q:11月の聞き取りは24項目の被害内容のみか?
A:覚えていない。

(略)

Q:スキンシップは障がい児教育にとって、非常に重要だと思うか?
A:思う。
Q:どういうとき?
A:鉛筆を使って字を書くときに手をそえるとか。
Q:Kが、高学年の女子のわき腹をくすぐるという行為も、重要なスキンシップだと思うか?異性間の危険な行為とは思わないか?
A:その場で見ていたわけではないが、子どものほうからやってほしいと言ったと聞いた。遊びのひとつかなと思う。
Q:体をよじったりしたとき、胸に触ったりする可能性はあるのではないか?
A:見ていないので、判断できない。
Q:行き過ぎのスキンシップもあると思うか?
A:わからない。

(略)

Q:今回のケースで、学校の事故報告書を見た記憶はあるか?
A:見た記憶はある。
Q:どんな?
A:指導力不足に関することだと思う。
Q:チカン行為が問題にされたことについては、事故報告書は?
A:覚えていない。
Q:こういう場合、通常、事故報告書をあげるようにとは言わないのか?
A:私が見たのき、チカン行為のではない。
Q:わいせつ行為や体罰について、事故報告書があがってきていない。被害者がどんな訴えをしても?
A:児童のケアについては指示を出した。
Q:どんな指示か?
A:上司から、様子をよよく観察してくださいと指示を出した。
Q:様子とは?
A:元気に登校するかどうか。子どもにプレッシャーを与えることではないかと思う。
Q:病院に聞くことは?
A:私はしていない。
Q:他の人は?
A:記憶していない。

Q:平成17年4月17日の1審判決の後の調査はしたのか?
A:調査していない。
Q:刑事公判で、Kが認めたことについて調査はしていないのか?
A:私はしていない。
Q:平成17年5月9日に、市教委がKに、供述調書の内容について聴取しているが?
A:私は関わっていない。
Q:記憶にないのか?報告を受けていない?
A:報告を受けていない。
Q:民事提訴のあとに、県教委から言われて調査したのか?
A:市は問題となる事実確認できなかったと報告しているが、私はタッチしていない。
Q:市教委内で、協議したのか?
A:覚えていない。
Q:この書類は見たことがあるか?
A:見ていない。
Q:浦安市が、わいせつ事案を他に扱ったことは?
A:私は記憶にない。


**********
TAKEDA私見

市教委からの聞き取りで感じたことは組織としての対応ではなく、個人としていの対応でしかないということ。自分は直接見ていない、そのとき担当していないから知らない。これでは、ころころ変わる人事のなかで、誰も責任を持たなくてよいことになる。

16時30分から、千葉県教委のM氏。
県代理人弁護士から主尋問。

Q:特別研修の申請理由書が来るまでに、県が認識していた事実は?
A:7月18日、船橋出張所から、Kを担任からはずすと口頭で言ってきた。
Q:親からわいせつ申告があったとの報告は入ってきていたのか?
A:入ってきていない。
Q:申請書の内容は?
A:わいせつ行為や体罰の記述は、覚えているかぎり、なかった。
Q:事実があった場合は、市教委から県教委に報告が担保されているか?
A:懲戒処分の対象なので、事故報告書があがってくる仕組み。
Q:特別研修の申請書と、事故報告書は別ものか?
A:研修申請書は、懲戒の対象としての意味はない。

Q:県は、懲戒事由があるとは把握していなかったのか?
A:していなかった。11月25日に、匿名の電話で、初めて知った。
電話は私が受けた。男の保護者からだった。浦安の小学校で、先生に児童がわいせつ行為をされたと思われることがあったが、県に報告は上がっているかというものだった。
市教委に、船橋出張所を介して問い合わせた。
Q:報告は?
A:事実はなかったということだった。

(略)

原告代理人の山田弁護士から。
Q:県教委は、体罰通知書を出しているが、そのなかで、「当事者の意見を十分確認すること」「加害者と被害者、体罰では教師と生徒との意見が異なる場合は、それぞれ記述すること」「当事者等の要望を記載したり、添付すること」と書いているが?
A:市町村に出している。日ごろから、そういう指導をしている。県立高校の学校事故報告書も同じ。
Q:保護者の意見を記述するのは、教師の非行についても同じか?
A:同じだ。

Q:県教委が出している「セクハラ防止指針」には、基本的な心構えとして、「セクハラ行為は、相手の受け止め方が重要」と書いてあるが、どういう意味か?
A:読んだ通り。
Q:被害を訴えた児童生徒の立場を尊重し、救済と心のケアを最優先とある。教師は加害行為を否定しているだけだと思わないか?
A:意見の食い違いはある。
Q:相手の受け止め、被害の訴えたひとの立場を理解するというのは、児童生徒から聞き取りをすべきということではないか?被害者の救済と心のケアは、否定している場合も大切か?
A:もちろん、そうだ。本件事故は、わいせつの疑いをかけられて、匿名の電話があった。
研修申請は出ていたが、事故報告書も本来、出すべきだった。学校や市教委が調べて事実があった場合。
Q:周りの教師から聞いて、意見の食い違いがあってもか?
A:出す必要があるか判断したうえで。

Q:申請書の様式は添付されていたか?
A:見た。
Q:職歴すべてを書くようになっているが、記載されていたか?
A:いた。
Q:各勤務校での指導状況の記載はあったか?
A:記憶に残るようなことはなかった。細かい記載は覚えていない。
Q:前任校での親からの苦情など、マイナス面の記載はあったか?
A:あった。厳しすぎるなどと、親からの苦情があったと書いてあった。
Q:そのために、担任を外したと書いてあったか?
A:当該校の担任を外すと書いてあったかもわからない。

Q:船橋出張所が、市教委に問い合わせたところ、結果的に「ない」ということだったが、報告書を出すように言わなかったのは、なぜか?
A:私の判断ではなかったと思う。
Q:どのような調査に基づいて結論を出したのか?
A:教師と周囲の教員から確認した。
Q:被害者の保護者や周りの保護者から聞き取りをしていないことの問題は感じなかったのか?
A:保護者からの聞き取りをしたうえでの報告と思っていた。
Q:計3回、事実確認をしているが、学校関係者のみで、保護者や児童から聞き取りしなかったのはなぜか?
A:一次的には、市教委がやるべき。
Q:児童や保護者への聞き取りは、市や学校がやるべきだと思うのであれば、調査したかどうか確認したのか?
A:児童からは聞かないでほしいと、保護者とはやりとりしていたと聞いていたので。そのうえでの報告書だと思っていた。

Q:3回、県が直接、聞き取りをしているが、学校や市がやるべき保護者からの聞き取りの報告書は見たのか?
A:逮捕起訴状のみで、詳しい 内容はなかった。報告書としてはなかった。保護者からどういう要望があったというメモは見たと思う。
Q:他の児童も被害にあっていないかとは思わなかったのか?
A:市教委や学校が保護者にも説明したという報告をもらった。
Q:児童のケアや教師の指導についての報告書はもらったのか?
A:記録のなかで、そのことだけについて求めたことはなかった。
Q:市教委には、訴訟になってから経緯を求めたのか?
A:要望を出し、口頭で報告があったあと、報告書があがってきた。逮捕起訴されたときと、訴訟後、学校事故報告書が出された。
Q:平成18年市教委の報告書は、刑事で無罪が確定したので、改めての調査は必要ないと書いてきたのか?
A:覚えているのは、Kついては公判で認めたことについては調査をしたと聞いた。大きな問題になったので、県が直接、指導した。
Q:刑事事件の判決後、懲戒の可能性について、問題になった形跡は?
A:当時、担当ではなかったので、わからない。
Q:刑事事件の判決では、「わいせつ行為について、疑問を差し挟む余地がないようにも思われる」と認められている。県として、改めて、調査しなかったのか?
A:市教委はわからないが、県として、直接の聞き取りはしていないと思う。

*****
男性裁判官から質問。
Q:事故報告書は、学校から市教委、県教委にあがっていくものなのか?
A:県教委から市教委に、「あげてほしい」と要望することはあるが、市の判断を尊重する。事故報告書があがらなかったことを問題にすることはできない。ただし、懲戒の対象になることがあれば、求めることがある。


*********
TAKEDA私見

学校と市教委と県教委。いじめ問題でも同じだが、みな押し付けあって、誰も責任をとろうとはしない。
学校がきちんと調査・指導・報告をしなくとも、市教委は文句を言わない。市教委と学校の調査や報告に疑問を感じても、県教委には何もできないという。
誰も、調査や指導、報告、事後ケアがきちんとなされているかチェックするものがいない。
これでは、ホームページ等で、どれだけスクールセクハラ防止について、建前を並べ立てていても、何のチェック機能もないなかで、また同じことが起きても不思議はない。
いじめ、体罰、セクハラは、児童の心と命にかかわる重大事だという認識が、関係者の間で、あまりに希薄ではないか。
もし、自分の子どもや孫が同じ危険にさらされて、こんな対応で納得がいくだろうか?

学校に訴えても、半日から1日程度のおざなりな調査で、「事実は確認できなかった」と簡単に結論が出されてしまう。
市教委に訴えでも、同じ調査を繰り返すだけ。アリバイ的に回数だけ重ねても、同じやり方をすれば、同じ結果にしかならないということは、子どもにだって、わかることではないか。市教委の調査は、保護者から訴えがあった24項目をただ形式的に見たかどうか聞くだけ。こんなことで、責任を問われることを恐れる加害者や学校関係者が、伏せられていた事実を次々に明らかにすると思っているとしたら、おめでたい。
これが、学校や教育委員会への裏切り行為と取れるもの、事件の内部告発や日の丸君が代関係であれば、どれだけしつこく、事情聴取が行われただろう。また、タバコを吸った、カンニングをしたかもしれない、お菓子を食べた児童・生徒への聞き取り(子どもに関する事件・事故 2参照)と比べてほしい。
内容として、教師という立場にありながら、体罰をした、わいせつ行為をしたかもしれないことと、どちらが重要事項だろう。

このシステムを変えないかぎり、また、学校で子どもが被害者になる事件は起きる。事件は、大人たちによって、起こるべくして起こっている。

******
裁判における人証調べ(証人尋問)はすべて終わった。
今後の予定はは8月6日(水)、13時10分から千葉地裁405号法廷で口頭弁論。弾劾裁判。今まで出ている証拠について、矛盾などを出し合う。9月10日(水)、13時10分から、最終弁論(結審)となる。その後、判決。


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