2007/4/29 | 横浜市でおきた児童連続連れまわし事件について | ||||||||||||||||
神奈川県横浜市で、2007年4月3日の午後6時半から、4日の午前3時まで、男(24)が塾の教え子の男児(11)と女児(11)をレンタカーに乗せて連れまわしたとして、未成年者溶解容疑で現行犯逮捕され、送検された。 男は少なくとも4回、連れまわし事件を起こしている。 そのうち、2006年10月に小学校の兄(小5・11)弟(小2・8)2人を20時間にわたって連れまわして逮捕された事件では、2007年1月30日、横浜地裁で懲役2年6カ月執行猶予4年の判決を受けていた。男は公判で「もう子どもには近づかないようにしたい」などと話していたという。 男は児童を連れまわしで、学校でのボランティアを辞めさせられると、自ら横浜市内の別の小学校に電話をかけ、「将来、教師になりたい」と言ってボランティアになることを申し出ていたという。 多くの新聞記事では、「『かわいかったので、一緒にいたかった』と供述している。」「けがはなかった。」と書いている。また、2回目の連れまわし事件では、金沢区の小学校が市教委に連絡を入れているにもかかわらず、「犯罪性もなかった」と他校に通知していない。 一方で、2006/11/18毎日新聞には、「『2人がかわいくて一緒に遊びたかった。少年の裸が見たかった。1週間ぐらい一緒にいようと思った』と供述した。」と書いている。 日本の子どもに対する性犯罪の無防備さ、認識の浅さを露呈しているように思う。 おそらく、身代金の要求もなく、児童にけがもなかったことから、犯罪性は低いと判断されたのだと思う。また、連れまわされたのが、主に男児であったことから、性的な関心とはあまり考えられなかったのではないか。まだまだ、日本では性的被害は女性にしか起こらないという思い込みがまかり通っている。警察に訴えても、被害者が男性の場合、なかなか相手にしてもらえないとも聞く。 しかし、連れまわしに宿泊が伴っている。健康ランドに連れて行っている。 性的な被害があったかどうかは別にしても、可能性はあったし、エスカレートすれば、どんな事態になっていたかわからない。親しみやすく子どもに人気があった反面、児童を強くしかり、足げにしたこともあったという。思い通りになる間はやさしく接していても、児童が家に帰りたがるなどした場合、どのような行為に及んだかはわからない。
池田小事件を教訓として、外部からの人間には警戒を強めても、まだまだ内部の人間に対して、日本は無防備だ。しかし、学校のなかで、どれだけ体罰が横行し、わいせつ行為が行われていることか。表面化するのは氷山の一角でしかないのにもかかわらず、わいせつ行為で処分される教師は年に100名は軽く超えている。しかも、年々、増加傾向にあるという。 わいせつ行為は他の犯罪以上に繰り返されることが多い犯罪だ。1人の教師が処分される前に、いったいどれくらいの数の子どもたちが被害にあっていることだろう。子どもが被害にあってから、気づきませんでした、連絡が不行き届きでしたではすまない問題だ。 しかし、多くの被害者や保護者が泣き寝入りしていることをよいことに、行政も、学校、教師もあまりに何もしてこなかった。 そして、報道されにくい、学校でも問題として取り上げにくいことをから、親たちはあまりに、学校のなかの性犯罪について無知で無防備だと思う。 子どもたちは性的な被害について、なかなか口にできない。勇気をもって告発しても、大人から信じてもらえなかったり、事実にふたをされてしまったらどうだろう。何を信じてよいのかわからなくなってしまう。性的被害にあっても、ますます声をあげられなくなってしまう。 性的被害は、時には一生涯、心の深い傷として残る。そのひとの一生を左右しかねない。裸をみられたり、体を触られても、肉体には目に見える傷が残らないことから、一過性のもの、軽い被害だと見くびりすぎていると思う。子どもを傷つける可能性のあるものに対して、大人たちは寛容であってはならないと思う。 |
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