2000/11/20 | 岡崎哲(さとし)くんの裁判(11/20)傍聴の報告 | |
本日、岡崎哲(さとし)くんの裁判の傍聴に行ってきました。 被害者の血がついた下着とズボンについて、前回から引き続き、「証拠としてしっかり鑑定してほしい」と主張する原告(岡崎さん代理人)側と、「これは事件とは関係ないので、書類その他を取りそろえる必要はないでしょう」と言う検察側。 結局、裁判官は「関係があるかないか、とにかく書類を提出して下さい」と要請しました。 血のついた下着が、この裁判でどういう意味があるのか、私にはよく理解できませんでしたが、報告会における弁護士さんの説明でようやくわかりました。 被害者が当日、身につけていた血のついた下着。これを警察は証拠としてみなさず、鑑定医を2人も使っていながら、鑑定に出していないそうです。付着した血液についても、加害者も被害者も同じA型だから、どちらの血液かわからないと言っています。また、検察側は、「下着に付いた血はカテルーテを入れるときについたものです。カテルーテを入れるとき、どれくらい血が出るか一度見て欲しい」と主張しています。 原告側は、ズボンと下着についた血液等をきちんと鑑定してほしいと主張しています。血なのか、血尿なのか、血と尿なのか、どこにどれだけ血がついていたのか、誰の血液なのかDNA鑑定。 つまり、治療中についた血や、加害者の血ではなく、被害者の下血であれば、腹部にそうとう強い衝撃が加えられたことがわかります。「一対一の素手によるケンカで、元々、心臓等に欠陥があった被害者がショック死してしまった」という結論、加害者側の言い分に矛盾が生じるわけです。 また、弁護士さんから、法医学界に権威のある鑑定医がいったん出した鑑定結果を覆すには、かなり困難が伴うというお話も聞きました。 法医学というものは、もっと客観的で、10人が調べれば10人とも同じ結果が出ると思っていた私は、そうではないことを聞いてかなりショックです。そして、最終的にものを言うのが、理論の整合性ではなく権威だなんて・・・。 今回、傍聴にこられた人びととも交流する機会が持てました。それぞれの思いを持ち寄って、支援の輪が広がっています。被害者遺族の思いは、やはり同じ当事者同士でなくては、真に理解はできないのではないだろうかと感じつつ、その思いに少しでも寄り添っていきたいと思います。 地元で岡崎さんを支援されている方の話です。 加害者に対する処罰があまりに軽い(何もなかった)ので、結果から見て、加害者はたいして悪いことをしていなかったのだろう、被害者に殺されても仕方がない理由があった、偶発的な事故だったと想像されているというのです。(実際には、想像だけでなく、想像に基づいた話・噂が飛び交っているといいます) これでは、何も弁護できない死者は浮かばれません。裁判は、殺された子どもの名誉を回復するための闘いでもあるのです。 次回の予定は、2001年1月15日、東京地裁(霞ヶ関)703号法廷にて、1時10分より開廷と決まりました。 |
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