10月27日(日)、十条区民センターで第3回プラッサ「例会・勉強会」がありました。今回は、ベトナムのフエ市に常駐し様々な活動をなさっている小山道夫さんに、日本での貴重な時間をやりくりしていただき、すでにプラッサ誌上(第3、5号)でも二度にわたり紹介されている現地での活動を貴重な写真やビデオもおりまぜお話しいただきました。以下、私の感想も交えながらの報告です。
小山さんのお話の前に、プラッサ代表小池さんがメキシコの「カサ・アリアンサ」というストリートチルドレン支援NGOで習い覚えたという二つのゲームを全員でやりました。ひとつめは二人で組になってひとりが相手に好きなことを命令し、命令された人はどんな命令でも従わなければならないのですが、1分たつと立場が逆転して、命令していた人が、命令されていた人の命令に従うというものでした。もうひとつはお絵かきで人間の姿を描くのですが、紙は自分の頭上に置き、指示された体の部分(左目、右手など)を順々に描いていくというものです。
さて、小山さんのおもな活動は、すでに紹介されているようにストリートチルドレン、HIV感染者、売春婦、枯葉剤の影響と思われる障害児の救済活動および奨学金の支給です。フエといえばベトナム戦争中の激戦地でしたが、その気候(熱帯伝染病指定地域で多湿)、歴史、宗教(仏教あり、カトリックあり−ゴ・ジン・ジェムがフエ出身)、少数民族の存在など複雑な成り立ちの土地柄です。
「ニュースステーション」で報道されたストリート・チャイルドの両親の「真実」(「母」がその子を病院で買い、その後結婚した)やその背景(人身売買の流れなど)、また、暴力や犯罪などの他の地域とも共通する条件以外に、腸チフス・マラリア・コレラというような致命的な病気が蔓延しているという状況、一方、現地はボランティア組織「社会工作隊」が運営しており、市の土地に施設を増設できたことなど、現地に常駐しておられる方からしかお聞きできないお話をたくさんうかがいました。
また、枯葉剤の影響はまだ不明の点が多く、フエ大学のニャン先生と帝京大学の専門家、木田先生が昨年8月に訪問調査した程度とのこと。そのときの貴重なビデオや写真も拝見できました。
質疑では、小山さんのそれまでのキャリアを断ち切ってのベトナム行きに対するご家族の反応、運営資金、こどもたちの心のケア、現地での生活・運営の詳細、日本および海外の支援団体のことなどが話題となりました。
こういう場に身を置いて話を聞き、質問をし、意見交換をしていると、読んだだけでは気づかなかったことに目を見開かされることがあります。次回、もし少しでも関心をお持ちの事柄がテーマだったら、今まで参加されたことのない方も、ぜひお越しになることをお勧めします。
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