人っていいな。ステキだな。この写真集に改めて、おしえてもらいました。
心地よい写真と文でつむがれたこの写真集の中には、アマゾンの人々のたくさんの感謝の気持ちがつまっています。それは何か特別のものに対してではなく、太陽、雨、風、雲、森や森の動物たち、自分の家族とかなかま−そういったいつも自分の身のまわりにいてくれるものへの当たり前の感謝の気持ちなのです。そんな気持ちに包まれて生活しているから、アマゾンの人々はこんなにもやさしく、のびのびした表情をしているのでしょう。
感謝。それは簡単そうでいて、なかなかむずかしいものです。でも何かイヤなことがあった日も、「今日の夕焼けはとってもきれい」、と目の前の小さなできごとひとつに感謝できると、ふしぎとそういう気持ちって、どんどん広がっていくものなのです。
こんな小さな「ありがとう」をたくさん知っているのが、この写真集の主人公たちなのでしょう。
「地球にはなにひとつ
むだなものはない
どれにも 存在する意味はある
山も川も呼吸し 生きています」
こんな文ではじまる項目には「大きな贈り物」というタイトルがつけられています。自分のまわりの人や自然を、大切にできる彼らにとっては、きっとすべてが、かけがえのない大きな贈り物なのではないでしょうか。
ページをめくるごとに、気持ちがふーっと安らいでいくのを感じました。手にとった多くの人たちが「人間が好き」という気持ちをもって、読み終える1冊だと思います。
堀 径世
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