編集後記



 先日「ストリートチルドレンを考える会」の勉強会で、ハイチの子どもたちのドキュメンタリー「僕たちはあきらめない」を撮られた五十嵐久美子さん、メキシコの子どもたちが主人公の「とんでごらん」を出版された工藤律子さんにお会いしました。その時の話の中で、「ハイチの子どもたちはとてもクールに社会を見ていますね」と工藤さんがおっしゃると、「シンナーを使っていないからでしょう」と五十嵐さんが答えられました。「シンナーで体も心もぼろぼろになってしまうメキシコやブラジルの子どもたちにくらべると、まだいいのですね」とわたしが言いますと、五十嵐さんは「いえ、シンナーすらもないんです」と答えられたのです。この言葉は衝撃的でした。工業国家への脱皮の途上にあるメキシコ。世界のGNPのベストテンに入っているブラジル。アメリカ大陸の最貧国のハイチ。将来を考えることもできずバスターミナルのロッカーで夜を過ごす子ども。今でも殺される恐怖の中にしか居場所がない子ども。空腹や苦しみから逃れるためのシンナーすら手に入れることのできない子ども。それぞれの国家の状況に対応するかのように、子どもたちの苦しみも存在するのです。

 わたしたちは・・・

(小池)





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