第2回勉強会・例会報告

その夢を明日へつなげるために

ブラジルで出会った子ども達


報告:松本 乃里子



 汗ばむまでにはもうちょっと間があった6月22日、東京都北区滝野川西区民センターに30人ほどが集まりプラッサ勉強会が開かれました。

 テーマは「ブラジルの子どもたち」。

 サンパウロで2年間ファヴェーラの子ども達と過ごした経験を持つ下郷さとみさんを囲んでの午後となりました。下郷さんはライターとして、また講演を通じて、たくさんの人に語りかけています。

 まずはじめに、集まったみんなが友達になるために「部屋の四隅」という空間を使ったゲームをしました。ブラジルの首都ってどこだか知ってる?あなたがもしサンパウロの路上で暮らす子ども達にお金をちょうだいといわれたら?などいくつかの質問に関して、その部屋には yes、no、どちらともいえない、など答えを表わす隅っこが用意されていました。トコトコ歩いて移動し、互いに思っていることを述べたり尋ねたりしました。

 次に、たくさんのスライドを見ながら下郷さんの見てきたこと、感じたことを話していただきました。その子ども達はサンパウロ南部の貧しい地区に住んでいました。学童保育所のエコロジー・プロジェクトの中から染色や紙すきのようす、絵やリクリエーション、日常の生活から様々な姿が紹介され、統計的な解説が続きました。

 お話のさいごに、「スラム」だからといって裸足だの栄養失調だのの心配ばかりではちょっと違うという考察がありました。衣食住の面では想像よりも充足しているけれど問題の根っこは子ども達の生への意欲の欠如であるということでした。子ども達は自分らしく生きようだとか自分の将来に希望をなんていう気にもなれない、勉強したい子も「小学校」をなかなか続けられない、まわりの大人はどうしようもない、たとえば「職業は強盗」っていう人だっているわけで、大きくなったらああいう人になりたいと思えるモデルがないのだということでした。

 また、その地区に集まり住む人達の主な出身地、ブラジル北東部の豊かならざる生活風景をスライドで見ましたが、貧しい「地方」での生活が続けられなくなり収入を求めて「都市」へ出てくるというパターンは、日の出とともに畑に出る農地の文化とすべてが数字に換算される大都市の文化がまったく異質であることからひずみばかりを拡大し、都市の生活とはそもそもこうした人達の参加を拒む位置にあるというお話にあらためて考えさせられました。

 そのあとは皆でお茶の時間。世界の子どもの問題の中でもどんなことに関心を持っているかなど意見を出し合い、お菓子をポリポリいただきながらおしゃべりをしました。

 ブラジルという国を知っている人もはじめて聞いた人もともに楽しく過ごす午後でありました。



 アンケートに答えて下さった方の中に、こんなご意見がありました。



勉強会について・・・

● なかなか目にすることのできないリアルなスライドとともに貴重なお話を聞くことができました。

● とても親しみやすくブラジルが身近に感じられました。

● ブラジルのストリートチルドレンの現状がよく伝わってきました。講演者が「運動家肌」でなくてなんだかホッとする感じ。こんなトーンでの講演が続くといい。

● サントスで実施されているような(ストリートチルドレンによるラジオ番組の制作)子どもの声を聴けるようなプロジェクトが成功し、もっといっぱい広がったらいいナと思いました。



「プラッサ」へ望むこと・・・

● ひとりひとりが発信できる場をこれからも作っていってほしい。

● 実際の活動のニュースがもっとあったらいいと思う。

● はじめにやった「部屋の四隅」はなかなか良かった。

● 例会をもっと増やしてほしい。





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