講演者・パネリスト紹介
パブリック・シチズン(本部:ワシントンDC)は、1971年にラルフ・ネーダーによって創設された非営利市民団体であり、調査研究、ロビー活動、訴訟などを行っている。パブリック・シチズン内の貿易・投資キャンペーン「グローバル・トレード・ウオッチ」は公正で民主的な貿易・投資政策を求める世界中の運動において中心的な役割を担っており、1997年のファスト・トラック法案の際には阻止戦略の立役者となった。
ロリ・ワラック氏は、ワレスリー・カレッジとハーバード・ロー・スクール卒業後、国会議員スタッフ、パブリック・シチズンの訴訟グループ、キャンペーン活動などを経て現職。パブリック・シチズンの議会ウオッチ担当時代には公益法関連の活動でハーバード・ロー・スクールのカウフマン奨励金を受ける。ウイスコンシン弁護士協会メンバー。34才、ワシントンDC在住。
これまで30以上の米国内の議会、数多くのアメリカ以外の議会、国際貿易委員会、米通商代表部の事務局などで、NAFTA、GATT、MAIに関する証言を行い、1994年のナショナル・ジャーナル誌では「ユーモアを備えたラルフ・ネーダー」「貿易問題のゲリラ戦士」と紹介された。CNN、CSPAN、CBCなどのメディアに貿易問題のコメンテーターとして出演、「グッド・モーニング・アメリカ」「All
things Considered」「Jim Lehrerのニュースアワー」などの番組にも出演。週一回のラジオ番組「ロリ・ワラックのトレード・ウオッチ」は全米放映ネットワークの300局で放送された。発表論文、分析多数。
1993年、アメリカの消費者団体、労働団体、環境団体、家族農家、宗教団体、公民権団体など(会員数
計1100万人)の連合「市民貿易キャンペーン」を創立、現在、副代表。グローバリゼーション国際フォーラム(IFG;本部カリフォルニア)の設立メンバーであり、現在理事。
東南アジアを中心とする途上国の環境と人権に対する日本の企業活動や政府開発援助の与える影響について調査・研究。1984年に弁護士会登録後、マレーシアARE事件(三菱化成による公害輸出事件)、フィリピン・カラカ石油火力発電所事件(日本の援助)、フィリピン・バタンガス港開発問題(日本の援助)など多数の環境・開発関連の事件を取り扱う。編著に『これでいいのかODA NGOがみたフィリピン援助』(三一書房)他、共著に『日本の公害輸出と環境破壊』(日本弁護士会連合会編、日本評論社)、『アジア環境白書』(日本環境会議編 東京経済新報社)他。
1995年、国連社会開発サミットに日本政府代表団にNGOとして参加。アジア太平洋資料センター(PARC)、草の根援助運動、IMF・世銀を問う連絡会の創設に関わる。主著『顔のない国際機関』(共編:学陽書房、1995)、『女性たちがつくる21世紀』(ユック舎、1996)、『開発は人びとの手で』(PARCブックレット、1998)他。
大学卒業後、大手都市銀行を経て大学院で国際金融論を学ぶ。現在、三和総合研究所金融調査室副主任研究員。東京都立大学経済学部講師(国際金融論担当)、中央大学企業研究所客員研究員を兼務。現在の研究テーマは、国際金融論(資本移動規制の有効性、ユーロの台頭と国際通貨システムの行方)、中小企業金融(日米の中小企業金融比較、ビッグバン後の中小企業金融問題)など。