自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)
〜3年目を迎えるコラボレーション事業




自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)とは 
 REPPは、「小規模分散型」で「クリーンなエネルギーで自給する」社会を目指して、97年度から開始した、企業(東京電力)と市民団体のコラボレーション事業である。REPPの組織は、事務局、運営方法や理念を議論する推進委員会、実際の設置を担当する設置委員会、そして最終決定を行う理事会からなる。

コラボレーション
 「反原発」を信条とするNGOと「原発推進」を社是とする電力会社が、その対立点を持ちつつ、「もう1つのエネルギー」である自然エネルギーの普及の共同作業をやるコラボレーションは、20世紀末の日本における事件であり、COP3がもたらした産物でもある。日本で初めての試みと言われたREPPの活動も98年度で2年目が終わる。その中から何が生まれているのか? また、この枠を越えて新しい動きが始まっているのか? コラボレーションが本当に成り立ち、何らかの成果なり、礎を築きつつあるのか、今が非常に微妙な時期である。3年目でけじめの回答を出さなければならない。

太陽光発電助成事業
 市民フォーラム2001と自然エネルギー事業協同組合レクスタとの共同の市民事業として取り組み、97年度の事業開始以降、2年間で106サイトの系統連系システムの設置を終えた。
 国や企業と違って、環境NGOが太陽光発電の助成をする意義が求められるため、
(1) 助成対象者は出来るだけ環境問題に意識を持ち、できれば実践している人。
(2) 補助金を企業のシェア争いの草刈り場にしない。
(3) 調査、施工、指導、金融など、助成事業に関わることを出来るだけ市民事業として実行する。
 としてきた。2年目に入ってさらに、電力会社と連携するシステムばかりでなく、
(4) 独立型のシステムにも助成を始めた。
 その上で、
(5) 試験的に国の補助との併用も可とした。
 本来自然エネルギーは、誰もがなじめる独立型シ  
ステムを普及させるべきであろう。「システム化されて300万円もするようなものが太陽光発電システムである」という誤ったイメージを変える意義は大きい。この目的から、「ベランダでも出来る太陽光発電」講習会を4回行ったが、いずれも70〜80人の定員以上の参加で好評を博し、REPPの裾野を広げる結果にもなった。40件の独立型システムへ助成を行った(うち2件は97年度実施分)。


グリーンファンド事業の目途が見えてきた
 グリーンファンド会員は350名と、まだ物足りない。しかし2年目の大きな特色は、このグリーンファンドの形が明瞭になってきたことだろう。まだ模索の段階であるが、
(1) 自然エネルギー市民共同発電所が各地で具体化してきた。
(2) 「グリーン電力」普及運動の手がかりが出来てきた。
(3) 自然エネルギーのパイオニアのネットワークが拡がり始めた。
 など、小川町自然エネルギー学校との事業共催などと併せて、すでに関東だけでなく、確実に全国に広まりだした。実現にはさらに長期の取り組みが必要である。


各地に拡がりだしたコラボレーション
 REPPと同時に始まった、東京電力と生活クラブ東京・神奈川のコラボレーションは、3年を待たずして終了した。いずれ、生活クラブとしてのまとめが出されるだろう。北海道生活クラブと北海道電力の「緑の電気料金」の試みは、もともと私達も求めていたものであり、これまで電力会社の事情で先送りになっていたが、その障害を見事に乗り越えて実現させた。九州でもコラボレーションが、今年の6月より始まろうとしている。こちらは西日本リサイクル運動市民の会と九州電力の間の太陽光発電助成とグリーンファンドの試みである。このように北海道、東京、九州と日本を縦断したコラボレーションは、さらに広がりを見せようとしている。REPPがその先導役を担っており、今後ますます3年後の推移が注目される所である。

(自然エネルギー推進市民フォーラム理事長 都筑 建)


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