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辻元清美前議員秘書給与問題について

社会民主党辻元前議員秘書問題調査委員会

秘書問題プロジェクト設置について

常任幹事会において秘書問題プロジェクトが設置され、委員となりました。
秘書制度の歴史的経過、諸外国の立法補助機関の状況と秘書のあり方、
議員と秘書間の対話も十分に行って、改革の提言やガイドラインの作成に向けて検討を始めます。
以下は、社会民主党辻元前議員秘書問題調査委員会の調査結果です。

概要

2002年3月２５日

　過日、報道された辻元清美議員の政策秘書問題について設けられた調査委員会は、22日に初会合と関係者の聴取を行い、その後に個別調査をふまえて検討作業を重ねました。
　この問題についての簡潔なとりまとめは、下記の通りであります。

①問題とされた政策秘書は、95年7月に照屋寛徳参議院議員の私設秘書として勤務してきた。97年4月から98年12月の間、照屋事務所の勤務を続けながら、辻元清美議員と合意の上で同議員の政策秘書となった。勤務状況については照屋事務所で常勤で働き、辻元議員については本人ならびに他の秘書に対する対面及び電話によるアドバイス、資料の所在確認、及び提供、その他の相談に乗ることで側面からサポートしてきた。

②照屋寛徳議員は、自らの私設秘書が辻元清美議員の政策秘書を兼務していることを知らなかった。照屋寛徳議員に対して、辻元清美議員も特段の報告をしていなかった。

③政策秘書の給与が振り込まれていた預金口座は、以前から本人が使用していたもので、辻元清美議員の政策秘書となってからは、辻元事務所で保管してきた。衆議院から給与が振り込まれると、本人が5万円を受け取り、残額は他の私設秘書・アルバイト給与等の政治活動にあてるために使用されてきた。

④辻元清美事務所では、月額5万円を除く金額を政策秘事から受け取っているにもかかわらず、資金管理団体や政治団体への寄付報告を欠いており、政治資金規正法上の処理はされていなかった。

⑤これらの事実をふまえると、辻元清美議員の3月20日記者会見には重要な誤りがある。政策秘書給与について「全額本人に渡されていた」という答弁は事実と異なり5万円である点、残額を他の秘書給与等に使用した等の説明が欠けている点、また「寄付献金はありません」という点も事実と異なっていた。以上が、現時点におけるこの問題の調査概要であります。

補足報告と提言

2002年4月3日

辻元清美前議員の政策秘書問題に関しては、調査委員会は3月25日に中間的な調査結果をとりまとめ、既に公表しています。
また、3月26日には辻元前議員自らが
①当時の政策秘書からの寄付・献金に関する3月20日の記者会見における説明に誤りがあったこと
②当時の政策秘書からの寄付・献金について適切な手続がとられていなかったこと
③この間の対応が不適切で各方面にご迷惑をおかけしたことを率直に認めて、政治的・道義的責任をとって議員辞職願いを提出されました。

その後も調査委員会は残された問題と今後の対策について調査と検討、討議を継続して参りました。基本的に、委員会の調査としては前回の調査結果に尽きておりますが、なお、何点かの補足を行うこととします。

第1　調査結果＜補足＞

1　辻元前譲員の最初の政策秘書（以下、「Aさん」という）について

1）　辻元前議員は1996年10月20日の総選挙により、衆議院議員に初当選した。辻元事務所には、実務処理を担当するスタッフは存在するものの、国会および党内活動に知識を有するものがいなかったため、当選後まもなく、辻元前議員は土井たか子事務所の五島昌子秘書に政策秘書の紹介を依頼した。　これを受けて五島秘書は、当時他の議員の公設秘書を辞していたAさんを辻元前議員に引き合わせた。Aさんは、経験の長い秘書で、勤めていた議員が党の所属を移ったため、秘書を辞していたものである。

2）　辻元前議員はAさんに政策秘書就任を依頼し、Aさんはこれを承諾した。

3）　辻元前議員とAさんの話し合いの結果、Aさんの勤務形態は非常勤、仕事の内容は国会および党内の諸活動、とりわけ政策立案、議員間関係、資料の収集、陳情の処理等に関する助言および指導とした。他方、Aさんは、勤務がAさんにとっては容易に遂行できるものであり、かつ新人の辻元前議員を支援したい気持ちから、給与及び手当のうち、月額7万7000円を除いた部分を辻元事務所に寄付することとした。しかし、この寄付については資金管理団体や政治団体への寄付報告を欠いており、政治資金規正法上の処理がなされていなかった。　Aさんには、当時、他の秘書職との兼職はもとより、その他の職との兼職の事実はない。

4）Aさんは、97年3月末、辻元前議員の政策秘書を辞し、他の議員の政策秘書に就任した。

２　辻元前議員の第2番目の政策秘書（以下、「Bさん」という）について

1）Aさんの辞職を受けて、辻元前議員は、五島秘書に新たな政策秘書の紹介を依頼した。

2）五島秘書は、当時照屋参議院議員の私設秘書であり公設秘書を目指していたBさんを辻元前議員に引き合わせた。

3）辻元前議員はBさんに政策秘書就任を依頼し、Bさんはこれを承諾した。

4）照屋議員は自らの私設秘書が辻元前議員の政策秘書を兼任していることは知らなかったが、私設秘書が辻元前議員から依頼されて、質問主意書、内閣の答弁書、委員会、本会議における討論原稿、予算委員会等の質疑事項書、部会係属法案の資料、安保問題、沖縄の基地関係資料を届けたりしたことはあったと思う述べている。

第2　秘書の勤務のあり方に関する提言　

今回の辻元前議員の政策秘書問題によって、議員秘書の勤務のあり方が問われている。調査委員会としては、この事件をきっかけとして、今後の問題の再発を防ぐため、党として以下のような「国会議員の秘書の勤務のあり方に関するガイドライン」を定めるべきことを提言する。

国会議員の秘書の勤務のあり方に関するガイドライン　（案）
2002年4月
社会民主党

１　秘書は特別職の公務員であり、他の職務を兼ねることは法律上葉止されていないが、他の職務を兼ねる場合には、秘書の職務に支障を来さない事情を党に届け出し、その審査と承認を受けること。

２　議員の親族が公設秘書として勤務する場合も、フルタイムで稼働することが原則であり、その場合、党に届け出し、その審査と承認を受けること。

３　秘書から議員が寄付を受ける場合、必ず、政治資金規正法上の制限の範囲内とし、所定の手続を執ることとする。

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