家庭内暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案骨子(案)法案策定の経過報告
1999年12月13日に「家庭内暴力防止法案骨子案」を社民党として発表してから、はや半年が過ぎました。発表と同時に「骨子案」について、シェルター関係者や女性に対する暴力に取り組んで来られた方々からご意見をお寄せ頂き、1ヶ月ちょっという短い期間であったにもかかわらず40件を越える団体・個人のみなさんからご意見を頂きました。 社民党としては、議論のための「たたき台」が必要だと思い、まず骨子案をつくりました。しかし、「現場の意見を聞く場をもつべき」との指摘が多かったことから、研究者、婦人相談員、シェルター関係者、立法作業を進めている団体等からのヒアリングを重ね、また、政策過程を共有したいとの思いから、議論の場をオープンにしました。
指摘した頂いた点に関しては、党内で議論を重ねてきました。特に、現行の仮処分命令の活用のほかに、精密司法が伝統の日本の司法において、裁判所による命令違反に罰則をつける「保護命令」のような制度をどう創設するか、また、地域によってばらつきがあるものの、今までの経験と蓄積のある「婦人相談所」を法的にどのように位置付けるか、などの議論を続けています。
骨子案の発表時点では、児童虐待防止法は成立しておらず、「骨子案」は子どもも含めていました。しかし、5月17日に児童虐待防止法が成立したため、子どもは除外することになります。また、ストーカ防止法も成立したので、恋人、元恋人に関しては、ストーカー防止法によって対応することになります。
4月13日には超党派で「DV法議員勉強会」をもち、アメリカでも進んだとりくみをしているマサチューセッツ州のエリザベス・シャイベル主席検事、スーザン・ローン主席検事補佐、及び被害者でアドボケーターとして活躍している加藤洋子さんから、お話を聞く場を設けました。この会議をきっかけに、超党派でDV法に取り組む方向が見え始めました。 現在は、参議院の正式な調査会である「共生社会調査会」のもとに、「女性に対する暴力プロジェクトチーム」を設け、そこで超党派によるDV法の立法にむけて議論が重ねられています。社民党からは、三重野重子議員と福島瑞穂議員がプロジェクトチームの委員になっています。今後は、議論した論点やアイデアを、超党派の立法に反映させていきたいと考えています。 |
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