核のゴミキャンペーン第1号

核のゴミキャンペーン第2弾・情報通信NO.1
1996.12.11

キャンペーンへのご協力お願い

いよいよ核のゴミキャンペーン第2弾がスタートします。正直なところ、現 段階での呼びかけ・賛同は個人参加も含め30強。100くらいでのスタートを予 定していましたので、ちょっと少ない出発です。もんじゅの事故があり、各地 で原発の老朽化による深刻な事故も発覚し、にもかかわらずあちこちに原発の 新設、増設計画が持ち上がっているという状況で、いずこも大忙しであること は想像できます。しかし、私たちはこの核のゴミキャンペーンが、原発を止め るためにとても重要なキャンペーンであると思っています。

いま日本の原発は敷地の中にたくさんの使用済核燃料をかかえ、もう置き場 もないという状態です。使用済核燃料を目の前から消すために英仏と再処理契 約をし、海外へ使用済核燃料を送り出してきましたが、その契約もほとんど終 わりです。次の行き場を作らないと“原発は止まってしまう”と、来年には六ヶ 所村の再処理工場への使用済核燃料輸送をはじめようとしているのです。

その再処理工場本体はまだほとんど基礎も完成していません。ただ使用済核 燃料の置き場をつくって、場当たり的に原発を延命させようとしているのです。 こんなに後先を考えずに原発が作られてきたこと、今も計画されていることを、 日本の大部分の人は知らないで電気を使っています。

事情はこれまでも同じで、その大きなつけがフランスから返還される高レベ ル放射性廃棄物です。したがって今以上に多くの人が核のゴミのことを考えは じめること、それが原発を一日も早く止める道だと思います。

このキャンペーンは、ですから電気の大消費地、都市住人に向けたキャンペー ンです。1人でも多くの都市住人、都市グループにこの情報をつなげて下さい。 そして青森の人、原発現地の人からは、都市の人へのメッセージを寄せて下さ い。

輸送ルートはパナマ運河

いよいよフランスから日本への2回目の高レベル放射性廃棄物輸送の動きが はじまった。電事連そしてCOGEMAも輸送情報の取り扱いについてのコメントを 出しはじめた。もったいぶって出そうで出さない情報公開だが、いろいろな周 辺状況から輸送の形が見えてきた。日英仏関係者は今年の9月、10月ひそか にカリブ諸国をまわっていた。今回の輸送の説得のためである。アルゼンチン やチリなど南米諸国はまわっていない。カリブへの集中、これは問わず語りに パナマ運河を通過しようとしていることを物語っている。

パナマ運河通過のためにはカリブ海を通るほかなく、カリブ海に入るにはこ の海を取り巻くハイチやジャマイカ、ドミニカやプエルトリコなど、どこかの 国の領海を突っ切らなければならない。そのどこの国も正式な通過通告をうけ ておらず、当然のこととして事前了解などしていない。これは先ごろ成立した 国連海洋法条約に違反する恐れも十分にある。

国際的違法行為という批判を覚悟しても、日本政府と電力会社はパナマ運河 強行突破という道を選んだようである。パナマ運河ルートならフランスから日 本まで40日強で航海できる。COGEMAも発表したようだが、輸送船の出航は来年 初め、むつ小川原港への入港は2月中旬という可能性が濃厚になった。

電事連の情報公開は100点満点で20点

12月4日、電気事業連合会(電事連)と東電、関電、四電、九電そして日本 原燃の6者が連名で高レベル放射性廃棄物輸送の情報公開方針を発表した。こ れには、「日仏英の3国政府および事業者間で調整を進めてまいりましたが、 このたび下記の内容で合意いたしましたのでお知らせいたします。」という前 文がつけられている。日仏だけでなく英も協議に参加していて、事業者には電 事連、COGEMAにBNFLが含まれる。再処理関係者総がかりの協議で、今回の情報 公開がBNFLからの返還輸送も含めた今後のひな形になるということだ。

さて肝心の公開の中身は、

  1. 出航予定日、輸送船名、港名については、出航の1〜2日前に公表
  2. 輸送ルート、および日本到着のおおよその時期については、出航の1日後に公表
  3. むつ小川原港への到着予定日については、到着の1週間前に公表
というもの。 このうち(1)の港名がシェルブールであることは周知の事実で、出航直前には この港にむけてガラス個化体の貨車輸送が行なわれる。この貨車はシェルブー ルの市街地を走り、いやでもシェルブールの人たちには見える。さらに輸送船 はシェルブール港の中で逃げも隠れもできず、船名はフェリー乗り場からでも 読み取れる。つまり出航の1〜2日前なら、公表されなくてもすべて見え見え なのだ。

(2)は一見今までより前進に見える。しかし到着時期はすでに2月中旬と予想 され、輸送ルートはその時期から出航日を逆算すればパナマ運河経由か否かが わかる。つまりこれも飛び切りの情報公開ではない。

(3)の到着予定日はパナマ運河なり喜望峰なりホーン岬なりを通過したのがわ かれば、それから何日と、これまでの経験上から予測がつく。

などと、せっかくの情報公開に水をかけて申し訳ないが、情報公開というの は輸送開始はるか前に、決まっている輸送計画をありのままに発表することを いう。確定的な輸送計画は法令上4週間前には決まっているし、アウトライン はもっと前に固まっている。この程度の情報公開では100点満点の20点ぐらい にしかならない。

ちなみに今回の情報公開の背景には、高レベル放射性廃棄物が核物質防護の 対象物質でないという事情がある。さきごろ天然ウランの輸送情報も公開され るようになったが、高レベル放射性廃棄物も含めて、日本はこれまで国際法上 何の規制も求められていない物質を「核物質防護上の・・・」などと嘘をいっ て情報を隠していたのである。回収ウランや低濃縮ウランの輸送情報非公開も たぶんにこれに近い。情報を隠さなければ反対が多くてできないような輸送を、 そもそも強引に行なっていることに問題がある。

事務局から

事務局会議はすでに4度開かれました。いま最大の懸案は提案内容にある 「伝達ツール」つくりです。A4裏表のチラシのような形式で、その中に各地域 別の核のゴミ発生量を示し、電事連とキャンペーンむけのはがきを組み込むよ うにするというコンセプト。電事連へは質問状、キャンペーン側へは「何がで きるか」アンケートという内容です。

さて、以下は当日の話し合いの再現。

△核のゴミは使用済核燃料や高レベル廃棄物の量でなく死の灰の量にしたい。
○うーん、それは使い古された方法では・・・。死の灰では六ヶ所村に押し付 けられてるというつながりが見えない。
◇でも高レベル廃棄物や使用済核燃料だと○○本という数字になって、それだ けでものすごい放射能量なのにあまりイメージできない。
◎人間が一生の間に生み出した死の灰という方がイメージできる。
○とにかく電気がゴミを生み出していることを知らせたい。
◎六ヶ所村の菊川さんの「便利な電気の最後の姿」というのがぴったり。
○わかった、これはもう次回、みんな紙にイメージを書いてきてコンペにしよう。
▽よしそうしよう!

というわけで、次回12月16日の事務局会議で企画コンペをやることになりま した。これには誰でも参加できます。最初の1枚のチラシの裏表にはがきを二 つ組み込むという大枠は壊さないようにして、どういう図柄、どういうコピー ライトにするかを競いたいと思います。身体での参加もOKですし、FAXで企画 を送って下さっても結構です。その外ポスターやパンフレットなどの企画も送っ て下さい。よろしく!

送り先(FAX)03-5351-5417

インフォーメーション

●原子力バックエンド対策専門部会報告書案に関する意見募集が行われています。 高レベル放射性廃棄物の地層処分の方法についての報告書です。
意見募集は12月27日まで。
報告書案をほしい人は科学技術庁原子力局廃棄物政策課に問い合わせて下さい。
TEL 03-3581-5271

以上です。