<非暴力平和隊実現可能性の研究>

第2章 介入における戦略、戦術、および活動


2.5 軍隊による介入

クリスティーネ・シュバイツアー

2.5.1 はじめに
本章は、国連によって、あるいは国連の指令の下に活動し、国連加盟国によっておこなわれる「紛争地域における国際平和と安全を維持する、あるいは回復することを支援する」という目的をもって企てられ、何らかの軍人の活用を伴う派遣団について調査する。このような派遣団の特性は1989年以降抜本的に変化して来た。

最初に、軽武装の国連派遣団(ブルーヘルメット)が、停戦監視のために配備された派遣団を意味する伝統的な平和維持あるいは第一世代の平和維持と呼ばれるようになった派遣団について調査する。

続いて第二世代と第三世代の国連派遣団のことを扱うことにする。第二世代は、単なる停戦監視よりは遥かに複合的な課題を持ち、第三世代は、いわゆる「頑強な平和維持」としばしば呼ばれる点で特徴づけられている。これらの派遣団には、三つの重要な側面がある。一つ目は、これらの派遣団には通常、平和構築の課題の実行を委ねられている多数の民間人が含まれていること。二つ目には、武装した軍隊と、その軍隊の保護によって活動することができると考えられている民間人との間の、活動区分の問題があること。 そして三つ目には、難民キャンプの建設や再建作業のような民間人の課題を肩代わりする軍隊、という問題があることである。

本章の最後には、かなり問題の多い用語である「平和執行(強制)」について一瞥する。

軍隊を民間人の非暴力隊に置き換える可能性に関する問題は追加の章の中で検討することとする。


<前へ>   <次へ>


<目次に戻る>