<非暴力平和隊実現可能性の研究>
2.4 大規模な民間ミッション
クリスティーネ・シュバイツアー
2.4.1 はじめに
次の節で述べる強力な民間の要素を持った国連指導の複合的ミッションに加えて、軍事力を基盤とする大規模な国際ミッションが幾つかある。ここでは、主として軍事監視員による国連監視ミッションや少人数の外交官で構成されるOSCEの長期ミッションを除いて、それぞれ異なった特徴を持った5つの事例を紹介する。そのうち3つの事例は成功と考えて良い。2つについては暴力の発生を防ぐことが出来なかった。
- 南アフリカで、1994年の第一回の自由選挙の頃、そして、後のKwaZulu/Natalでの地方選挙の準備の段階で、幾つかの選挙監視プログラムが教会(南アフリカ統一キリスト教監視プログラム)やNGOや政府間機関によって計画された。この多種多様な南アフリカのNGOによる監視プログラムは、今回の調査に限って言えば、ミッションの組織がその国の組織の手に委ねられ、国際的派遣組織と協調し又、自国民、他国民混在のチームを展開した唯一の大規模な民間ミッションの事例である。
- ブーゲンビル(南太平洋)ではパプア・ニューギニアとブーゲンビル戦闘的グループ間の和平協定を監視するため1997年末より停戦監視グループ/平和監視グループ(TMG/PMG)が活動を開始した。TMG/PMGは近隣4カ国の軍隊から構成しているが、チームは武器を持ってなく又、それらの国の民間人も含まれている。
- コソボでは、ユーゴスラビアと反政府のコソボ解放軍との休戦協定を確認する為にOSCE1998-99コソボ実証ミッション(KVM)が配置された。KVMはOSCE加盟国すべてから派遣された人々の混成であり、又、主として通訳、運転手、助手として現地スタッフを加えている。
- エルサルバドルと東ティモールの国連ミッションの使命は選挙/国民投票の準備と共に暴力の監視も行う。ミッションは国連により派遣される民間人、警察、(武器を持たない)軍観察員からなっている。
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