我々、「渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合」は、渋谷区及び周 辺区の野宿者とその支援者が、自由意志に基づいて結びついた当事者団体であ り、野宿の当事者の生活と居住権をかちとることを目的とする。本日、我々は、 以下のような経緯で、この要望書を提出することになった。
現在、渋谷区生活保護行政は、生活保護実施にあたって野宿者を更正施設に入 所させることができず、民間の簡易宿泊所である銀扇閣に宿泊させているが、 銀扇閣は、旅館業法施行条例で定められている、換気、採光、照明、防湿及び 清潔、その他宿泊者の衛生に必要な措置の基準を満たしていない違法な営業施 設である。そこで、我々は、1998年3月30日に渋谷区路上生活者問題連絡会へ 申入書を提出したのであるが、本日は、銀扇閣営業者である貴方に対して、銀 扇閣を既に利用している仲間、そしてこれから利用するであろう仲間の利益の ために、銀扇閣改善の早期実施を強く要求する。また、我々は、高齢・病気・ 怪我等の原因で生活保護を受給している者が長期にわたって銀扇閣に宿泊して いるという現状を、貴方が明確に認識し、宿泊者が少なくとも安心して宿泊で きるような旅館として、銀扇閣の施設・サービスを改善することを切望する。