AI INDEX: ASA 22/03/97
4 JULY 1997

弾圧を受けた中国人活動家は、良心の囚人【要約】

English

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アムネスティ・インターナショナルは、7月4日、松浦法務大臣に書簡を送り、先月 逮捕された二人の中国人活動家は警察による弾圧を受けた可能性があり、この状況に ついて、法務省としてただちに綿密な調査を開始するように申し入れた。

この二人は林国輝と李松で、1989年の天安門事件の犠牲者追悼のデモを行おうとして いて、6月4日に逮捕された。林国輝はその後釈放されたとはいえ、平和的なデモを 計画していただけで勾留され、しかも警察官から暴行を受けたとも言われており、許 し難いことである。

アムネスティ・インターナショナルは、いまだに勾留されている李松は良心の囚人で あると信じるにたると考え、なぜ勾留を続けるのかの理由を明確にするように法務省 に求める。

李松は、中国大使館前で天安門事件に抗議する平和的なデモを行うために、他の参加 者を駅まで車で迎えに行く途中で逮捕された。 警察は道を封鎖し、李松の車を止めようとした。李松はすぐには停止せず、停止線を 越えて阻止柵にぶつかった。10人ほどの警官が車に跳びかかりフロントガラスを破り 、ドアのロックを解除して、自分ですすんで出てくるいとまも与えず、彼を引きずり 出した。さらに、警官は彼が逃亡を試みたり、警官を威嚇するような行為を示したわ けでもないのに、なぐったり蹴ったりという暴行をはたらいたとみられている。

李松は6月23日に東京地裁に出廷し、(勾留理由開示公判/訳者注)勾留の理由を 問い糺すとともに、警官から暴行を受けたことを繰り返して主張した。 李松の弁護士によれば、彼の逮捕の際の警官の暴行はひどいものだった。検察は逮捕 時のこうした状況についてきちんと説明することができなかったにもかかわらず、法 廷は李松を公務執行妨害で起訴した。(起訴は検察が行うもので、このへんは若干日 本の刑事手続きにかんする勘違いがあるようです/訳者注) アムネスティ・インターナショナルは、彼の勾留の本当の理由は平和的な抗議行動に 参加しようとしたことそのものであると信じる。

もう一人の林国輝は、仲間とともに横断幕を掲げようとしたときに逮捕された。この 際にも、数名の警官からひどい暴行を受けている。林は失神して道に倒れ込んだが、 さらに警棒で肩を殴られる、蹴られるなどの暴行を受けた後、手錠をはめられて逮捕 された。治療が必要だったにもかかわらず、10日間も放置された。6月25日(23 日の間違い/訳者注)、法廷で彼の弁護士が明らかにしたところによると、代用監獄 の中で、彼はさらに迫害を受けた。法廷はこうした申し立てを無視し、警察に対して なんらの調査も命じていない。

以上。


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