MIBコミュニケについて 2005.11.10

  「暴動の背景ー1962年戒厳令下から続く抑圧」 稲葉奈々子 


 フランスのno-voxは、現在の郊外での暴動に対して政府が出した戒厳令に抗議して、11月10日に集会、その後土曜日にデモを呼びかけています。1962年10月17日に、戒厳令下でデモを行ったアルジェリア人が、フランスの警察によって殺されました。その追悼デモであり、現在だされている戒厳令への抗議デモです。場所は、パリのシャトードー地区ですが、ここは、現在、パリで「非正規滞在者狩り」(no-voxのメンバーは、かつての「ユダヤ人狩り」と同じ意味の用語rafleをつかっています)がもっとも集中的に行われている地区で、no-voxも頻繁に非正規滞在者狩りに反対してデモを行っている場所です。
 政府は軍隊を出動させるとまでいったいるようですが、こんなことをやはり傍観していられないと思います。日本でも、底辺層に外国出身の人が固定化され、放置されつつあり、何かあったときに、あいつらは社会のクズだ、あいつらが悪いんだ、というふうに攻撃の対象にならないとはいえないと思います。

 郊外の若者は、何かというと何もしていないのに警察に不審尋問されて、何かあれば、必ずやったのはあいつらではないか、と疑われ、何もしていないのに、警察に追いかけられる、ということがよくあり、都市暴動の発端はいつも、警察が不審尋問のために若者を追いかけて、バイクで逃げた若者が事故死するというような事件です。今回も、発端は、警察に追いかけられて若者が2人事故死したことに仲間たちが抗議したことが発端だったということを、強調して、私たちも抗議したいと思います。
 焼かれた車の数ではなく、これまでに警察が殺した若者の数を報道しろ、というのがさきほどのメールに書いたMIBがいつも訴えていることです。MIBはno-voxにも参加している郊外の若者たちの団体です。