ほか、ただいま工事中
1996年2月議会/一般質問 「時代認識及び全般的課題」
96年3月5日 午後3時10分 開議
○議長(嵐嘉明君)休憩前に引さ続き会議を開きます。
引き続き県政に対する一般質問を行います。
まず、武田貞彦君の発言を許します。
〔武田貞彦君登壇〕(拍手)
○武田貞彦君 市民新見にいがたの武田です。
私にとって初めての予算議会ですので、その問題
を中心にやりたいと思うんですが、張り切り過ぎま
して、予算の方にばっかり重点を置いてしまった関
係で、4番、5番については、多分ほとんど時間が
なくなると思いますので、あらかじめ通告の項目だ
け読ませていただくことになるということをお知ら
せしておきたいと思います。
それと、3番目の「小沢発言について」なんです
が、先般、秘書の方を通じて、私たちの方にも遺憾
の意の表明がありました。公開質問状を知事と選管
には出している関係がありますので、その答えをま
だもらっていませんので、ぜひその答えだけはもら
いたいと思いますが、この場での質問にするのは取
り下げたいというふうに思います。
それでは、そんなことで始めていきたいというふ
うに思います。
時代認識について
私は、昨年のこの場でも述べてきましたが、福祉、
環境、農業再建、産業の空洞化等々今日的課題につ
いて、党派会派を超えて、その多くが共通のものと
なっていることに驚き、新しい時代性を感ずると同
時に、これら諸課題の根本的解決のあいまいさ、不
十分さを痛感してまいりました。
私は、これら諸問題の根本原因をなしているもの
は、経済成長、拡大発展はいいことだということを
無条件に考える成長経済主義にあるのだというふう
に考えておるわけです。
我が国の戦後の経済成長は、いわゆる古典的貧困、
つまり貧乏のために飯が食えない、高等教育に進学
ができない、高い幼児死亡率等々を解決してさまし
た。日本の高度経済成長は奇跡とまでいわれ、GN
Pは世界の覇者米国を抜き久しく、世界一の金持ち
国、日本となりました。
しかし、まさにこうした戦後50年の経済成長の中
から、その結果として、酸性雨や温暖化に代表され
る地球規模の環境間題。先進国の豊かさが、第三世
界、南の国の人々の資源収奪と人権抑圧と分かちが
たく結びついているという南北間題。また、過労死、
受験戦争、いじめ、老後の不安等々の新しい問題群
を山積みさせてきたのです。
私たちの立場は、一見複雑に見えます。私たちは、
高度経済成長の恩恵を享受しながら、第三世界、南
の人々の資源を収奪し、例えばマレーシアのサラワ
ク州の熱帯林が今、見るも無残に妨主頭にされてお
りますが、その木材の8割は日本に輸入されていま
す。あるいは人権抑圧。その森林に暮らしていたプ
ナン族を初めとした多くの先住民たちは、この事態
に体を張って抗議行動を展開しておりますけれど
も、多くの人間が逮捕されております。そのような
加害の立場に、私たちは今いや応なく立たされてい
ます。一方、フロンや酸性雨、温暖化など、私たち
のまいた種が、私たちにしっペ返しを図ろうとして
います。
また、新潟に住む私たちは、南の人々に村し、加
害の立場でありながら、東京や大資本に村しては、
農業破壊や危険な原発の押しつけといった問題で
は、被害の立場に立たされています。自由貿易のさ
らなる拡大の名のもとに、メキシコで、インドで、
フィリピンで、多数の開発難民が生み出される一方
で、三条、燕で、あるいは五泉で、地場産業の構造
的不振がつくり出されています。
この一見複雑そうに見える加害と被害の関係を整
理すれば、おのずと私たちの未来に向けた方向性が
明らかになります。つまり、経済の成長は、地域に
暮らす人々及び地域経済、そして他国の経済とそこ
に暮らす人々の生活を脅かしてまで発展してはなら
ないということです。
市場経済は、もうけ、利潤を究極の価値として追
求するシステムです。多国籍企業や巨大資本にその
主導権が大きく左右されている今日、新しい未来社
会を構想しようとする私たちは、環境や第三世界と
の関係、地域経済と本当の豊かさ等々の観点から、
多国籍企業や巨大資本の論理、つまり、さらなる自
由貿易の拡大、さらなる経済成長といった経済ルー
ルの変更を迫り、その規制を最重要な課題に据えな
くてはなりません。もし、この本質的な課題を避け
ようとすれば、環境、福祉、地域経済等といった言
葉は、本当に言葉だけの、体裁を繕うための修飾語
に終わってしまうに違いありません。
新しい経済のあり方、とりあえず私は、それを脱
成長経済と呼びたいと思いますが、そんなこと
は可能なのか、脱経済など夢みたいなものではない
のかという問題があります。私も去る12月議会で紹
介した、市民エネルギー研究所が発表している2010
年の脱成長社会の特徴をここにご紹介したいと思い
ます。
彼らの想定は、4つの柱から成っています。その
1つは、イメージ消費からの解放ということです。
むだな消費をあおるような広告費の伸びを2000年ま
でに年1%に抑え、2001年以降、年1%ずつ減らし
ていく。2番目の柱は、長持ちをするものをつくる。
住宅や社会資本の耐用年限の延長を図る。3つ目に、
小さな政府をつくる。4つ日に、貿易黒字を減らす。
日本の輸出が世界貿易に占めるシェアを、1960年の
レベルまで戻す。
さて、その結果はどうでしょうか。その結果は、
失業率が90年を基準として、2.1から6.5までに
上昇します。家計の実収入が、月52.7万円から46.2
万円に下がります一方、エネルギー最終需要は、
90年現在の3分の2に、炭酸ガス排出も、90年の75%
となることを予測しています。
やはり、問題の1番は失業率の増大で、これに対
しては、展望と予測を持ったジョブシェアリング
、仕事の分け合いですが、それと、大幅な時間短縮
の必要性が主張されています。
彼らは全体のまとめの中で、「全体にスリムケー
スの生活は、収入は多くないが、生活必需品の物価
は安く、長持ちする商品を大切に使い、労働時間が
少なく、環境破壊の心配が少ない生活だと言える。
貨幣経済の領域がスリム化することによって、これ
まで無価値なものとして軽視されてきた、金銭に換
算できない価値を復権する可能性が生まれるのであ
る」としています。
これは、1つのモデルであり、提案です。絶対的
な解答ではないでしょう。しかし、経済成長からの
離脱で、私たちの暮らしが暗黒の世界になってしま
うというようなことだけはないようです。私は、何
よりも、目の前にある矛盾に目をつむり、いつかは
だめになってしまうかもしれないという刹那主義に
別れを告げ、他人任せにするのではなくて、自分た
ちの未来を構想していこうとする彼らの試みに共感
するのです。
今までの無自覚な経済成長主義が、今日の地球環
境問題、南北間題、国内の産業空洞化等の今日的問題 を生み出している基本要因と認識しておりま
すが、知事の御認識をお伺いしたいと思います。
予算構成
さて、以上のような時代認識をもとにして、本年
の県予算を見てみたいと思います。
まず、私が一目見て率直に感じたことは、何てこんな
に土木建設予算の割合が大きいのだろう。それに比
較して、何てこんな民生、環境、保健は小さいのだ
ろうということでした。目的別歳出予算の構成比で
見ると、支出総額1兆2・740億円のうち、土木費が
全体の30.5%、福祉保健費と環境生活費、合計で8%
にすぎません。
また、性質別歳出予算構成比で見ると、普通建設
事業費、実に41.3%、福祉関連の補助費、扶助費は、
合計で8.8%にすざません。そして、この予算全体
の41.3%を占める普通建設予算費の内訳は、道路、
橋梁、河川、ダム、砂防、農業基盤といった公共土
木事業が占めています。
こういう予算をつくる皆さんは、毎年このような
予算でやっておられるわけですから、おかしいとは
思わないのかもしれませんが、一般の県民から見れ
ば、何といびつな、偏った構成なんだ、何でこんな
に公共土木事業ばかりやっているんだというのが率
直な感想だと思うのです。
知事は、活力と優しさ、本年は優しさにウエート
を置いたと言っていますが、構成比で見る限り、昨
年もことしも8%で、全く伸びてはいないではない
ですか。今日の県民意識からすれば、もっともっと
福祉や環境を重視した予算にすべきだというのが圧
倒的な声だと思います。
私は、5%とか10%とかという単位で、中長期の
展望を持って、予算の枠組みのウエートを福祉・環
境部門に移さなければならないと思います。これま
での一般質問の中でも、各市町村の高齢者福祉計画
の99年度までの達成困難な状況が、何人かの方々か
ら指摘されていました。なぜそこにお金を使わない
のですか。
先日も、14兆円の昨秋の景気対策、本県分約
1,000億円の補正予算のお話がありました。確かに
国の補助事業について配分されるもので、県として
のメニュー選択の余地が少ないということなので
しょう。しかし、県民から見れば、自分たちが支払
い、自分たちのために執行されるべさ、同じ税金な
のです。道路や橋ばかりでなく、特別養護老人ホー
ムの建設、デイサービスセンターの建設を認めろと、
国に対し物申していくべきです。
沖縄の太田知事が、県民の総意を背負って国との
一戦を交えているように、知事、あなたもこの偏っ
た予算構造を福祉部門にウエイト転換していくため
に、国と一戦交えるべきではないでしょうか。その
ことに反村する県民はいないでしょう。そればかり
か、同じ悩みを持つ全国の知事が、1人、2人と立
ち上がってくれるのではないでしょうか。そうやっ
て一歩一歩自力でつくり上げていくのが、本物の自
治というものではないでしょうか。
昨年の補正予算で、一言で1,000億円と言います
が、50床の特養なら166戸分、新社会福祉計画の148
床を優に超える、それほどの予算です。また、これ
は景気対策とはなりませんが、毎年決算時期になる
と、赤字、赤字の議論になる県立病院の赤字は、94
年決算で165億円、1,000億の6分の1にしかすぎま
せん。ともあれ、公共土木事業一辺倒から福祉部門
への予算の枠組み転換を明確に打ち出すべきことを
強く主張しておさたいと思います。
次に、先日も池田議員も取り上げました、それで
は一体、公共土木事業は景気対策として本当に効果
があるのかという問題です。これまで不況時は公定
歩合を引き下げ、土木中心の公共投資で刺激を与え
れば、景気は2、3年で回復するといったものだっ
たと思います。しかし、90年から始まった今日の長
期不況は、そうした過去の景気対策の方程式が通用
しなくなったことに特徴があるのではないでしょう
か。
そもそも日本の成長力そのものが低下傾向にある
ことを注目する必要があります。1955年から70年の
高度経済成長期に、日本の成長率は年平均9.6%を
記録しましたが、第1次石油危機以降の75年から90
年には、4.4%に低下しています。今後は、労働力
の伸びの大幅低下、人口構造の高齢化などにより、
成長率はさらに低下すると見られています。これは、
広い意味では、日本が途上国型の拡大経済から、先
進国型の成熟経済に移行しつつあると言ってもよい
のだと思います。いずれにせよ、宮澤政権以降、40
兆円以上の大金を公共事業に景気対策としてつぎ込
んできましたが、一向にその効果が上がらない現実
をきちんと認識しておくべさです。
では、一体なぜこんなに効果のない、恩恵の少な
い公共事業が一向に改まらないのか。私は、その基
本的構造は、あの金丸信のゼネコンとの一連の談合、
癒着事件の中にあらわれていると思います。つまり、
ゼネコンは政治家にとって最大の集票マシンであ
り、金づるです。このゼネコンとつるんで、公共土
木事業にどんどん税金をつぎ込む。
帝京大学経済学部の降旗節雄教授は「結局、政
治家にとって景気対策なんてどうでもいい。選挙の
こと、金集めのことしか頭にないのです。おまけに
官僚も官僚で、自分たちの縄張りや利権、天下り先
確保のために、昔からの予算配分を変えようとしな
い。公共投資は景気対策にならないという批判に耳
を傾けず、10年前、20年前と同じことをしている。
景気予算が政官業の癒着の構造に食いつぶされてい
るようなもの」と、痛烈に批判しています。知事は、
景気対策としてなされている公共事業に対して、こ
のように効き目もなく、恩恵も少ないという批判を
どう受けとめておられますか。
農業について
それでは続いて、農業、福祉、教育のそれぞれの
分野についてお尋ねしたいと思います。まず、農業
分野についてです。
私は、今日の農業を見るとき、1990年12月、ベル
ギーのブリュッセルでのEC農民による10万人デモ
のことを思い出します。各種報道機関でも報道され
たこのデモは、ウルグアイ・ラウンド合意に反対す
るもので、EC農民のみならず、アメリカの農民、
またフィリピンの農民、そして我が新潟の農民も参
加した、農民の一大国際行動でした。
この行動が重要であったのは、農業輸入国、輸出
国の別はなく、世界じゅうの農民が困っているとい
う現実が明らかになったことでした。つまり、各国
の農業政策の矛盾は、基本的に工業、商業優先、あ
るいは大農優先の政治姿勢から起きているというこ
と、多くの国で、農業保護という美名のもとに、家
族農業が切り捨てられてきたという事実でした。こ
こにおいて、家族農業を守れという1点で、輸出国
と輸入国を問わず、世界の農民が一致できる点を見
出すとともに、穀物メジャーや多国簿企業の意向の
もとに運営されているガットやWTOへの共通した
批判を形成していたのでした。
さて、このような世界の動きの中で、本県農業の
方向は一体いかなるものだったでしょうか。家族農
業を寄れ、この世界の農民の魂と逆方向に向かって
いるのではないでしょうか。今、農村では、農政を
語ることへの嘲笑、恨み、あきらめといったものが
蔓延しています。政府・行政の言うことを聞いてこ
こまでやってきた。確かに田んぼは立派になったが、
農業では飯が食えない。子供に跡取りさせることも
できない。農家には嫁も来ない。米の自由化を阻止
するために減反に協力をと言っていながら、輸入は
される、減反もふえた。もう語ることすらばかばか
しい、こんな気持ちが蔓延しています。
農業の復権を図るためには、第1に、何よりも輸
入自由化の道を食いとめるために、WTOの協定の
改定をなし遂げなくてはなりません。やられてし
まったらもうおしまいではだめなのです。96年度の
国への要望に、この根本問題が抜け落ちていること
は、全く理解に苦しむところです。
第2に、米価の価格補償制度の導入の問題です。
新食管の根本的欠陥は、価格補償の制度が抜け落ち
ている点です。この点も、国への要望に具体的に示
されていません。なぜなのですか。
第3に、食糧自給率の向上を挙げたいと思います。
この点は、国への要望では、基本法の制定として要
望していますが、我が県独自の食程自給率100%に
向けての戦略を描き出さなければならないのではな
いでしょうか。我が県は、日本一の農業県です。今
が県が行動を起こさずして、日本農業の転換はあり
得ないことを肝銘ずるべきではないでしょうか。
第4に、中山間地農業へのデカップリング、直接
所得補償の問題です。既に述べたように、国にお願
いしていますでは、何の解決にもなりません。まず、
規模は小さくても、県単事業として実施すること、
そしてそこでの問題点を整理し、制度を整備し、国
に働きかけるという行動がぜひとも必要と考えま
す。このことに反対している議員はいないのではな
いでしょうか。
農業の復権をなし遂げていくための5つ目の課題
は、有機農業への転換を主張したいと思います。既
に県でも、これまでの近代農業の一定の反省から、
減農薬、減化学肥料、有機物による土づくり等々を
環境保全型農業の推進として試みているわけです
が、私は、今日のそれが近代化農業を基本としたもの
で、その付録か飾り物のように扱われていることに
大変不満を持っています。
有機農業が今提起していることは、農産物を生産
するということから出発しながらも、人間と自然の
あるべき関係、近代科学主義が陥った人間中心主義
への反省、科学は万能ではなく、人間の活動は生態
系の循環の中になければならないこと、ひいては現
代社会の私たちの生き方までも問い直す運動として
提起されていると思うのです。
近代農業からの根本的な転換が、この有機農業の
方向性をもとになされなければならないと思いま
す。有機農業への転換によって、生産性は下がるの
で、減反政策を有機農業への転換とリンクさせて推
進していくべきと考えますが、知事はどうでしょう
か。
福祉について
次に、福祉関係についてお尋ねします。まず、障
害者福祉についてです。
本議会でも、福祉のまちづくり条例が提案されて
いることを含め、ノーマライゼーションの基本理念
のもとに、新社会福祉計画が策定され、その実現に
向けた努力が続けられていることを評価したいと思
います。その上に立って、さらに今後のあるべき福
祉、とりわけ障害者福祉の方向について触れてみた
いと思います。
福祉計画をつくり実施するのは、これまで行政の
役割であり、当事者は常に対象として福祉サービス
の受け手であり、決して計画策定の主役ではありま
せんでしたし、実施の主体でもありませんでした。
ここにヒューマンケア協会という団体による1つの
福祉計画への提言があります。これは、我が国で初
めて障害者当事者がその必要性から発して福祉体
系を再構築したものです。これまで施設や医療中心
の福祉の中で措置され、処遇されている対象でしか
なかった障害者自身が中心となり、その考えを支持
する研究者が協力してでき上がったものです。私は、
まさにこの中にこれからの福祉施策の進むべき神髄
があると確信しています。
この提言の中で私が特に共感を覚えるのは、例え
ば今まで福祉の対象であった市民ないし障害者が、
計画の策定やその実施においても主役となるような
福祉、あるいは、高齢者と障害者、1級と2級など、
対象を厳密にするやり方から、必要に基づくサービ
スを基本とする考え方、あるいは、物の給付から金
銭給付へ、また、当事者の選択制をとるという考え
方、施設収容型福祉を極小化していくという考え方
等々です。
そこで知事に質問ですが、今後の障害者福祉の堆
進に当たっては、障害者自身が政策決定過程あるい
は各種審議会などに参加することが極めて重要に
なってくると思いますが、知事はどうお考えでしょ
うか。また、ささの提言にもありましたが、これま
での施設中心の障害者福祉から、障害者、健常者の
別はなく、地域でともに生活でさるサポート体制の
確立が重要です。この視点に立った大幅な事業展開
が必要と考えますが、知事のお考えをお聞かせくだ
さい。
女性政策について
、
次に、女性政策についてお尋ねします。
昨95年、北京世界女性会議の行動綱領では、経済、
社会、政治への政策決定に完全で平等な参加を堆進
するためのエンパワーメント、女性が力をつけて
いくということですが、その重要性がうたわれまし
た。その意味において、女性政策課の新設は本当に
喜んでおります。積極的な事業展開を期待します。
そこで、女性政策を准進するために、まず、その
政策を立案する行政の意識改革が必要であり、庁内
における推進体制づくり、つまり、庁内各課に担当
者を設置し、推進会議を構成する等が重要です。第
2に、女性政策への市民参加。当事者、これは女
性になりますが、参加によるチェックシステム、例
えば民間女性による女性プラン堆進会議の設置など
が重要です。第3に、市民啓発。女性間題に取り組
む民間女性グループの支援、運営、事業補助金制度
が重要と考えます。この点についてのお考えをお聞
かせください。
教育について
最後の教育に移ります。いじめ、不登校について、
私は12月議会でも、いじめ、・不登校の背景に今日の
教育の学力偏重、学校現場の過密、多忙化が存在し
ていることを指摘してきましたが、改めてこの間題
に触れたいと思います。
私は、いじめ、不登校の原因が、県教育行政がとっ
ている施策そのものにあると考えています。それは、
学力向上、大学進学率向上という基本施策の問題で
す。学力向上運動は、大学進学率向上運動に直結し
ています。学力を向上させ、大学進学率を向上させ
るという教育思想が、今問われなければなりません。
教育長の本意がどこにあるかわかりませんが、この
学力向上運動は、現場においては、教科書を覚え、
受験、テストの成績がよくなるノウハウを学べばよ
いということを実際に形づくっているではありませ
んか。
大学進学率向上運動も同じです。人は、大学に行
けば幸せになれるのか、なぜ大学に行くことがいい
ことなのか、学問とは何か、まさにそうした思想性
や哲学が問われているのではないでしょうか。高学
歴イコール高収入、イコール高人格、イコール高幸
福という思想、これが日本の教育理念をゆがめてき
たのではないでしょうか。
私は、大学に行きたくても経済的な理由等で行け
ない子供への大学支援事業は必要であったとして
も、大学進学率向上運動など、教育理念からしてあ
ろうはずはないと考えています。全く時代錯誤の思
想と言わなくてはなりません。こうした人間教育で
はなく、進学率向上などという思想とその教育のあ
り方そのものが、教育現場をいびつなものにし、子
供を、教師自身を追い詰めているのではないでしょ
うか。
私は、今回2つのことを提案したいと思います。
いじめ、不登校の原因は、児童生徒、そして教師に
精神的にも物理的にもゆとりがないという点にある
ことを指摘してきました。それは、さきに述べた学
力、大学進学という一面的な価値覿に縛られている
という面を含むのですが、私がここで取り上げたい
のは、指導要領という問題です。
教育長は、指導要領に言う標準時数とはどのよう
なものとお考えですか。標準時数とは、文字どおり
標準でしかない。ところが、教育現場ではあたかも
絶対時数のように受け取られ、隔週5日制に伴う授
業日数の減少への対策として、4時間のところを5
時間にしたり、学校行事を削減したりして、潤いも
ゆとりもない学校になっているのです。教育長が指
導要領の本来の言葉どおり、指導要領に言う標準時
数は標準である、各市町付は学校の実態に応じて弾
カ的に運用するのが本来の趣旨であると言っていた
だけませんでしょうか。教育長のこの一言で、1円
の予算もかけずして、教育現場ではもっと潤いとゆ
とりができるのです。
提案の2つ目は、教師を多忙に追い込む「いきい
きスクール」や各種研修会を削減し、加配教員の増
加を県単で実施すべきであるということです。「い
きいきスクール」や各種研修会等は、圧倒的な教師
が、その目的としている効果に疑問を持っているの
ではないですか。これに対して、加配教員の増加の
要望は、これまた圧倒的なのではないですか。国に
要望してと答弁するかもしれませんが、それではだ
めだというふうに思います。シビルミニマムの理念
そのものを初め、シビルミニマムに基づく諸政策、
今日当たり前となっている福祉や環境行政の多く
は、先進的自治体の先駆的な実践によってのみ切り
開かれてきたのではないですか。国の処置を待たず
して、増員を実施していくべきと考えていますが、
いかがでしょうか。
原発について
予定どおり時間がなくなってしまいましたので、
以下、項目だけの御質問をさせていただきます。
6号機のトラブルについて。
1、安全性未確認の危険な原子炉は、県民の安全
のためにも運転凍結すべきと考えるが、いかがか。
2、報告、公表に関する基準の実態を見直し、
すべてのトラブルについて報告を義務づけ、報告を
受けたものについては、原則として全部直ちに公表
すべきと思うが、どうか。
3、「もんじゅ」事故の教訓から、動燃と同様な
誤りを犯さないよう、東京電力側にも強く要請すべ
きであると考えるが、いかがか。
4、3県知事の国への提言の際、「もんじゅ」で
の事故の原因及び経過が明らかになるまで、プル
サーマル、モックスなどのプルトニウム利用には協
力できないと申し入れたとのことであるが、知事の
立場も同様と理解していいのか。また、東京電力柏
崎刈羽原発でのモックス燃料利用に反対の方針を明
確にすべきと考えるが、いかがか。
関山演習場について
大さな5番目に、沖縄基地間題と関山演習場につ
いてです。
1番目に、9月県会で知事は、安保は極車の平和
のために必要と発言し、今議会において、関山への
実弾演習場移転反対の表明をするとしていますが、
その整合性について伺いたいと思います。
2番目に、ソ連が崩壊し、冷戦構造が終わってい
る状況から、沖縄米軍基地や4万人駐留体制の見直
しを国に要求し、日米共同演習や米軍演習の規模そ
のものを積極的に縮小すべさと思いますが、いかが
でしょうか。
○議長(嵐嘉明君)時間が超過していますので、ま
とめるようにしてください。
○武門貞彦君(続)以上、質問して終わります。あ
りがとうございました。
答弁
〔知事平山征夫君登壇〕
○知事(平山征夫君)それでは、武田議員の御質問
にお答えしたいと思います。若干、御主張なのか質
問なのか、ちょっと判然としないところがありまし
たので、正確なお答えになるかどうかあれですが、
もしあれでしたら、またおっしゃっていたださたい
と思います。
まず、時代認識でございますけれども、戦後の欧
米諸国、そして日本、さらには最近におけるアジア
の諸国、経済成長を大変遂げてきているわけですが、
各国の国民所得の向上とか社会資本の整備を通じ
て、全体として豊かな消費社会の実現に寄与してさ
たというのは現実にあると思います。
一方、近年の人類の経済社会活動の規模のこうし
た急速化に伴って、御指摘のようなオゾン層の破壊
とか、地球温暖化等の地球環境問題が深刻といいま
しょうか、発生してきておりまして、こうした動き
に合わせて、世界経済における成長の格差が、先進
国と開発途上国のいわゆる南北間題を生んでいると
いうことも確かにございます。
これからの人類の進む方向といっては大きいんで
すけれども、考え方としては、昨年11月末に公表さ
れました構造改革のための経済社会計画に示されて
おりますように、豊かで安心できる社会をつくって
いくためには、今後とも一定の経済成長は必要だと
いうことはそこでもうたわれているわけですが、先
進国の一員としてこれまで以上に調和のある対外経
済関係の達成に努める、環境への負荷ができるだけ
少なく、環境と調和した持続可能な経済社会の構築
を図っていく、私、これをグローバル・ガバナンス
の必要性と言っているわけですけれども、そういう
ことに努めていくことは重要であるというふうに認
識しております。
脱経済という御指摘もございましたけれども、福
祉にしても環境にしても、いろいろなことがまず基
盤としての経済があっての話という部分は当然ある
わけでございますから、そういう意味で、私どもも
経済と環境等との調和ということは重要であるとい
うふうに考えております。
次に、公共事業から福祉部門への予算の思い切っ
た枠組み転換をすべきとの御意見でございますが、
既にこの議会でも答弁しておりますけれども、本県
は、広大な県土、長い河川、海岸線等有しておりま
すし、どうしても道路網の整備、治山治水といった
県土の保全などのためには、公共事業が予算におい
て大きな割合を占めざるを得ないわけであります
し、こうした道路等々は、広い意味では福祉に属す
る部分がたくさんあると私は思っております。特に、
新年度におきましては、昨年夏の水害関連の事業が
土木部の予算の構成割合を押し上げているわけでご
ざいます。
また、本県の高齢化は全国をかなり上回るスピー
ドで進行しておりますから、福祉関係の予算につき
ましても、福祉施設の整備促進を初め、在宅福祉に
ついては新規事業の取り組みを含め、その拡充を
図っておりますほか、福祉のまちづくりにも積極的
に取り組んでおるわけでありまして、全体としての
福祉予算の充実に努めているわけで、単に予算構成
比のみで議論するとか、あるいは、予算の先行きの
ことを心配せずに県単で何でもやれるならば、それ
はできるかもしれませんけれども、現状の中での最
大限の努力をするという意味で、私ども予算編成し
てきたつもりでございます。
次に、景気村策としての公共事業についての評価
でございますが、私は、公共事業は、かつてに比べ
れば、景気村策としての乗数効果は下がっていると
いうことは言えますけれども、これのほかにさらに
効果的な方法があるかと言えば、なかなかないだろ
うと思いますし、今も公共事業が景気対策としての
有効性を持っている部分は否定すべきではないとい
うふうに思います。民需の落ち込みをカバーしなが
ら、できるだけ幅広い分野にそうした効果が及ぶと
いう意味で、波及効果は依然大きいというふうに思
います。
また、本格的な高齢化社会を目前に控えておりま
すので、高齢者等に優しい社会環境の整備を促進す
るとともに、本県産業や県民生活の発展を支える基
盤となる道路、下水道等の社会資本の着実な整備を
進めるという観点からも、効果や恩恵が少ないとい
う批判は当たらないというふうに思います。
デカップリングについてお尋ねがございました
が、中山間地域が果たしている国土の保全等の公益
的機能の維持、これは事柄の性格上、まず国の責任
において制度化されるべきものと考えておりまし
て、その実現に向けて、国に要請をしているわけで
あります。
仮に、県単独で欧州型の直接所得補償制度を実施
するということになれば、相当大きな財政負担が必
要となります一方、効果についても、必ずしもどう
かという疑問がございます。さらには、県民のコン
センサスを得られるかという難しい面もありますの
で、今後ともその具体策等は研究していく必要はあ
るとしても、県独自で制度を導入しろということに
っいては、今考えておらないところでございます。
有機農業と減反政策についてでございますが、国
では、平成8年度から新生産調整推進対策におきま
して、有機農業を転作手法の1つとして試験的導入
を研究しているところでございます。しかしながら、
有機農業につきましては、単収が不安定だというこ
と、コスト高など生産性にも課題があるということ
から、転作とリンクさせて普遍的に推進することは、
現実的にはなかなか難しい面があるというふうに思
いますが、環境保全型農業の一形態として、本県で
の取り組みを今後検討していきたいというふうに考
えているところでございます。
次に、障害者の政策決定過程への参加ということ
がございました。既に障害者福祉の基本的な方向を
審議いたします社会福祉審議会、障害者施策推進協
議会に参画いただいているところでございますが、
具体的な施策の展開に当たりましても、障害者の意
見を十分尊重し、ニーズに即したきめ細かな施策の
推進に努めてまいりたいと考えております。
さらに、障害者の地域生活のサポート体制につい
てでございますが、県といたしましては、障害者が
住みなれた地域で安心して生活できますよう、
新社会福祉計画に基づさまして、グループホームや
授産施設などの整備を初め、障害者相談員や社会参
加推進員の増員等、生活相談体制の強化や地域にお
ける仲間づくり、さらにはスポーツ・文化活動の振
興による生きがい対策の充実などに取り組んできて
いるところでございます。今後とも、県といたしま
しては、ノーマライゼーションの実現に向けまして、
障害者の自立支援に一層努めてまいりたいと考えて
おります。
次に、女性政策の推進体制でございますが、県で
は既に庁内に女性政策推進連絡会議を設けておりま
して、そしてまた、この4月から女性政策課を設置
するわけでありますが、女性政策の総合的推進のた
めの体制の強化に努めたわけであります。
また、女性政策を立案する職員の意識改革につき
ましては、男女の固定的な役割分業意識の是正と
いった観点から、職員がみずから研さんを重ねるこ
ととあわせまして、他県等の先進的な取り組み事例
を研究させるなど、職員の意識づくりにも配慮して
まいりたいと考えております。
女性施策への県民参加についてでありますが、広
範多岐にわたる女性施策の推進に当たりましては、
各界各層の県上くから構成されます女性間題協議会の
意見をお伺いしますとともに、各種審議会や懇話会
への女性の積極的な登用などによりまして、女性を
初め広く県民の声を反映し、施策の実行性を高めて
まいりたいと考えております。
次に、民間女性団体への支援についてであります
が、男女共同参画の推進に当たりましては、行政と
民間が連携を強めながら取lり組むことが重要である
ことから、民間の取り組みを支援してまいりたいと
考えておりまして、新潟県女性財団が行います情報
交換や研修、交流等の事業を通じまして、女性グルー
プ等の活動を支援しますとともに、市町付への支援
事業などによりまして、地域における女性の自主的
なグループ活動を支援してまいりたいと考えており
ます。
次に、柏崎刈羽原子力発電所6号機の運転を凍結
すべさという御意見でございますが、ABWRは十
分運転実績のある沸騰水型の軽水炉のBWRを改良
したものでありまして、このBWRは、1960年に運
転を開始したアメリカのドレスデン1号機以来、そ
の時々のすぐれた最新技術と運転経験を踏まえ、設
計改良と大型化が果たされてきておりまして、柏崎
刈羽原発6号機と同様の130万キロワット級の原子
力発篭プラントは、海外にも実績があるところでご
ざいます。
また、ABWRで採用しておりますインターナル
ポンプ、改良型制御棒駆動機構などの個々の技術改
良につさましても、海外で十分実績のある技術でご
ざいます。このことから、ABWRはBWRの建設、
運転経験及び各種試験を通じて得られました成果を
踏まえ、設計、製造されていることから、安全性や
信頼性は十分確保されているものというふうに考え
ております。したがいまして、柏崎刈羽原発6号機
の運転を凍結する必要はないというふうに考えてお
ります。
次に、柏崎刈羽原子力発電所のトラブルの公表に
ついてでございますけれども、県としましては、従
来から発電所でトラブルが発生した場合には、県で
監視している周辺環境放射線のデータの異常の有無
を確認した上で、速やかに報道機関に情報提供し、
県民にお知らせしているところでありますけれど
も、国への報告も義務づけられていない極めて軽度
な故障につきまして、かつ、緊急性や安全性に問題
のないものについてまで、直ちに公表する必要はな
いというふうに考えております。
しかしながら、県としましては、国の基準では軽
微な故障にも該当しないこれらにつきましても、広
報誌等で公表しているところでございます。
次に、東京電力に動燃と同様の誤りを起こさない
よう要請すべきとの御意見でございますが、県とし
ましては、「もんじゅ」の事故を受けまして、東京
電力に対し、トラブルが発生した場合は、詳細かつ
正確な情報を迅速に通報、連絡するよう一層努力す
ること、そしてまた、安全運転に万全を期し、あら
ゆる場合において県民から疑念を持たれることのな
いよう、昨年12月、担当部長から強く要請したとこ
ろでございます。
次に、プルサーマル計画についての県の考え方と
いうことですが、プルトニウム利用につきましては、
資源小国の我が国として、資源の有効利用という観
点からこの計画を進めていく必要性があるというふ
うに思っておりますが、国民全般の理解は必ずしも
十分とは言えない現状にあるというふうに認識して
おりますので、そうした観点から、国民の合意形成
のあり方について、先般3県で提言を行ったところ
でございます。
また、柏崎刈羽原発でのモツクス燃料利用につき
ましては、県として反対する考えは持っておりませ
んが、先ほども米山議員にお答えしたとおり、直接
の関連はないわけですけれども、「もんじゅ」の事
故解明がきちんとなされなければ、モツクス燃料の
使用についての国民の理解はなかなか得られにくい
のではないかというふうに考えております。
次に、在沖縄米軍射撃演習場の関山演習場への移
転反対についてでございますが、在沖縄米軍の演習
場の国内他地域への移転に関しましては、我が国の
安全保障に関する事柄でありまして、国際情勢など
幅広い観点から、国において判断すべき問題であり
ますが、具体的に本県の関山演習場への移転という
ことになりますと、これまでの一般質問でもお答え
したとおり、既に地元市町村から反対の意向が表明
されている状況にもありますので、地元の知事とい
たしましては、県民の利害を優先し、反対の意向を
表明していく必要があるというふうに考えていると
ころでございます。
次に、米軍基地や駐留体制の見直し等についてで
ございますが、これらは我が国の安全保障に関する
事柄でありまして、国において国際情勢など幅広い
観点から的確に判断すべさ事柄であるというふうに
考えております。
以上であります。
〔教育長平野晴朗君登場〕
○教育長(平野清明君)標準授業時数を弾力的に運
用すべきではないかとのことでありますが、標準授
業時数は、学習指導要領に定められた教育内容を身
につけさせるために必要な標準的な時間として定め
られているものと理解しております。
また、これからの社会を生きる子供には、みずか
ら考え、判断し、行動できる力を養うことが従来以
上に求められておりますが、そのためには、例えば
子供ができる限り考える時間の多い授業に切りかえ
ていくことも重要であります。
教育内容が削減されていない状況で授業時数を削
減することは、教育すべき内容を切り捨てるか、子
供の理解を得ないまま進むことになり、子供の将来
に影響を及ほすおそれもありますので、標準授業時
数は尊重してまいりたいと考えております。
次に、諸事業の削減についてでありますが、「い
きいきスクールプロジェクト」は、各学校が全校職
員の英知を結集して、保護者や地域の協力を得なが
ら自校の課題解決を行うことにより、生き生きとし
た学校づくりを目指すものであり、各学校からも継
続の要望が高い事業でありますので、「いきいきス
クールステップアップ運動」として継続して、魅力
と充実感あふれる学校づくりを進めてまいりたいと
考えております。
また、研修会につきましては、授業やクラブ活動
など生徒に最も大切な教育活動に影響を与えていな
いかどうかの観点から見直しをする必要があると考
えております。
次に、国の措置を待たずに、県単で教員の加配措
置をすべきとのことでありますが、いじめ、登校拒
否に学校の中心になって取り組む加配教員は今年度県単9人を含め80人配置しており、新年度新たに
県単で増員することは考えておりませんが、いじめ
問題に対しては、教員の指導に加え、精神科医や臨
休心理士によるカウンセリング面からの対応も必要
と考え、スクールカウンセラー及びカウンセラー派
遣を大幅に拡大したところであります。
なお、いじめ間題への対応としての教員の追加加
配につさましては、現在国で検討しておりますので、
引さ続き強く要望してまいりたいと考えておりま
す。
以上でございます。
〔武田貞彦君登壇〕
○武田貞彦君 1点だけ再質問させていただきたい
というふうに思います。
教育長への質問で、標準時間数のことなんですけ
れども、指導要領にあることは尊重をしていきたい
ということは、そのとおりだというふうに思うんで
すが、現実的に、今学校現場で起こっていることから
見れば、それに縛られている。弾力的運用といいま
すか、臨機応変な運用をできないという現状がある
ので、尊重はもちろん大前提になっておると思いま
すが、その上でも、状況に合わせて弾力的に運用を
する、私、どう言いましたっけね。(笑声)標準時間数
は標準である、各市町村は学校の実態に応じて弾力
的に運用するのが本来の趣旨であると、私は言って
もらいたいんですけれども、言えないということな
のかどうなのか、そのl点をもう一度お聞かせ願いた
いと思います。
〔教育長平野清明君登壇〕
○教育長(平野清明君)標準授業時数を尊重すると
いうことはどういうことか、こういうことでござい
ますが、標準時数を尊重するということは、授業を
行うに当たっては、1つは、学習指導要領で規定し
ている内容をきちっと教えることがでさること、そ
して、児童生徒に十分考えさせるなど、児童生徒を
主体にした授業展開ができること、そしてさらには、
これまでの児童生徒の経緯や理解度の実態を踏まえ
た上で授業がでさることなどが大切でございまし
て、このためには、授業時数を確保することが極め
て大切なことであるという意味でございまして、こ
の面から指導してまいりたいと考えております。
○議長(嵐嘉明君)武田貞彦君の質問は終わりまし
た。