内閣総理大臣 小泉純一郎様

防衛庁長官 石破茂様

 

 

 

 

日本政府のイージス艦派遣決定に抗議し、撤回を求めます

 

 

 

政府は、124日、インド洋での対米支援活動のために、海上自衛隊の最新鋭イージス艦(Aegis destroyer)12月中旬にも派遣することを決定しました。

この決定に私たちは強く抗議し、撤回を求めます。

 

イージス艦(Aegis destroyer)は、高性能の情報収集能力をもち、収集した情報を米軍に提供することで、米軍の攻撃自体を直接支援することができるものだといわれています。これは、米国の戦争に日本がより深く関与し、その一翼を担うという意思表示をすることになります。米軍支援のための自衛艦の派遣は、それ自体、憲法をふみにじることでした。まして、今、イラクへの国連による査察が行われ、米国が一方的かつ理不尽なイラク攻撃を準備している状況の下、日本が新たな、しかも米軍の攻撃にきわめて有用な高性能艦船を派遣するという行為は、あからさまに戦争をあおり促進する行為にほかなりません。これは、武力行使を国際紛争解決の手段として用いないと記している日本国憲法に対する重大な違反です。

日本がすべきことは、紛争の平和的解決のために、より積極的な外交手段をもって働くことではありませんか。

イラク国内では、湾岸戦争の際に米軍が使用した劣化ウラン弾の被害、および長年の経済制裁により、多くの子どもを含む犠牲者が出ているということです。このような現実について、「被爆国」日本は、被害実態の調査にこそ乗り出すべきであり、決して戦争に加担すべきではありません。

現在インド洋に派遣している自衛隊の艦船はただちに帰還させること、そして新たな派遣は行わないこと、米国を説得し、戦争を止める働きをすることを、強く求めます。

 

 

 

                        2002125日 

                              日本キリスト教協議会

                               総幹事 大津 健一

                              同 平和・核問題委員会

委員長 小笠原公子

       

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