イスラエル共和国
首相アリエル・シャロン様

私たち日本のキリスト者は、2000年来イスラエル・パレスチナ両国民の間で激しい抗争が続き、多くの一般市民が殺され傷つけられたことに深く心を痛めておりました。イスラエル軍攻撃の被害を訴えるパレスチナのキリスト者からの叫びも数多く受け取っています。

また、貴国の中に和平を願う多くの人々がいることも知っています。今般、イスラエル軍がベツレヘムなどの侵攻地から撤退し、和平交渉が再開されることを喜び、この機会が真の和平の実現に至る道を開くよう願っています。

私たちは、長年に亘ってキリスト教国がイスラエル民族を迫害したこと、特にナチス政権下における残虐行為に対しても傍観したことを深く悔いています。しかし、イスラエルがパレスチナ自治区に侵攻し、パレスチナ人の土地や水を奪い、パレスチナ人の住居を破壊してイスラエル入植地を建設し、住民の生活を脅かし、しばしば命を奪うことは、かつてのナチスのイスラエル民族絶滅政策に通じるもので、人間の尊厳を傷つける行為です。私たちはパレスチナ人による自爆テロという無差別な殺戮行為に対しても反対です。しかし、占領という現在の状況が終わらない限りパレスチナ人の自爆テロは続き、イスラエル人とパレスチナ人の安全は確保できないと考えます。

私たちは、イスラエル・パレスチナの両住民が、人間らしく平和に生きていくことを心から願い、次のことを要望します。

1. パレスチナ人の尊厳を守り、人間を辱める一切の行為を止めること。

1. 今までになされた国連決議、特に安保理での決議に従うこと。

1. パレスチナを国として認め、国際法に従い占領地から完全撤退すること。

1. 1948年イスラエル建国以来のパレスチナ難民の帰還を可能にすること。

                      2002年3月28日

                日本キリスト教協議会
                                                    議 長 鈴木 伶子                     総幹事 大津 健一 

 

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