ムミアの学位授与式での挨拶に検察当局が介入

以下、原文の大意だけ記します。原文は日本語の後につづいて掲載されています。
April 3,2000 今井恭平

ペンシルバニア州の無実の死刑囚、著名な黒人ジャーナリスト、ムミア・アブ＝ジャマール氏は、オハイオ州イエロー・スプリングスにあるAntioch大学の学位授与式（卒業式）にゲストスピーカーとして招請され、テープ録音による挨拶を行う予定（４月29日）。
これに対してフィラデルフィア地方検察局第一検事補のアーノルド H. ゴードンは、同大学の学長宛に手紙を送り、同大学卒業生を誹謗し、「他人の影響を受けやすい」、「正しいことと間違いを見分けるセンス、まともな感覚」に疑問を感じるなどと述べ、ムミアをゲストに招請することを再考するように申し入れた。
学生の卒業式委員会はこうした介入を拒否し、ムミアを卒業式のキーノートスピーカーに迎えることの的確さについて十分認識していると切り返した。
ペンシルバニア州検察当局も同様の申し入れを大学に行い、リン・アブラハム州検察官は、「高等教育をうけた人間が、警官殺しの殺人犯に敬意を払うのは矛盾しており、すべてのものを考えるアメリカ人から非難されてしかるべき行為だ」と非難した。
学生達は、「われわれが彼をゲストに招くのは、彼の生命とたたかいが、われわれの社会にとって重要なさまざまな問題、すなわち、警官の暴力、アパルトヘイト下の南アフリカ以上に多くの黒人を刑務所に送り込んでいる司法システムにおける人種差別、ますます刑務所内労働への依存を強めているわが国の現状などを明瞭に問題提起しているからだ」という声明を出した。

Antioch大学でのこうした動きは他大学にも広がっており、オハイオ州立ケント大学でも、５月４日の（開校？）記念日にムミアをスピーカとして招く計画が出ている。昨年エバーグリーン大学（ワシントン州）でも、卒業式にムミアを招待して挨拶をしてもらった（録音テープによる）が、これは、最近ベルリンで8000人デモがアメリカ大使館前に行ったときにも注目をあびた。
４月３日、フィラデルフィアのＦＯＰ（警察友愛会）ビルの前で、ＦＯＰとリン・アブラハム検察官による学生とムミアの交流への介入を許さない記者会見を行う。

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