The Voice from Behind Bars
SIGHTINGS/TIMES
June 26,1995
黒人活動家でラジオジャーナリストであるムミア・アブ・ジャマル氏は、黒人の戦闘的なグループを支持していたことや公民権問題を積極的で直接的に報道したことによって、1970年代には「声なき人びとの代弁者」として知られていました。しかし、過去13年間にわたってアブ・ジャマル氏は公民権運動の悪名高い事件の当事者になりました。彼の支持者が「法のリンチ」と呼んでいる裁判の結果、フィラデルフィアの白人警察官であるダニエル・フォークナー氏を殺害した罪で彼は死刑を宣告されました。アブ・ジャマル氏は無実を主張しており、たとえ監獄の中からでさえ、公民権剥奪の懸念を放送するためにたたかってきました。去年、警察からの圧力によって、ナショナル・パブリック・ラジオは、アブ・ジャマル氏によって録音された監獄からの一連の放送を突然中止しました。しかし、フォークナー氏の妻を含む反対者からの怒りの抗議がありながらも、先月、これらのことの解説とその他の文章が「死刑囚監房からの生放送」(Live from Death Row)として出版されました。
牢獄の内外からのニュースを熱心にとらえ、アブ・ジャマル氏は黒人社会へのコカインの蔓延から(「吸血鬼のようだ。黒人の生活から魂を吸い出し、骸骨をあとに残していく」)牢獄生活が強いている耐えられない無為(「時代や気質や社会のしきたりは変わるが、牢獄にいる人間は時代遅れのリズムに合わせて動く」)までの問題について思いを巡らせます。「死刑囚監房からの生放送」の中の40の短いエッセイではアブ・ジャマル氏の裁判について直接的に触れられているものはあまりありませんが、すべてのエッセイはぼんやりと現れてくる死刑に対する恐怖にとりつかれており、すべての文章は刻み込まれた墓石の重々しさで染められています。