「近代的」法廷の悪夢
9月11日の最終弁論は、新しくできたばかりのフィラデルフィア・クリミナル・ジャスティス・センター内のハイセキュリティー法廷で行われました。これまでヒアリングが行われてきたシティーホールよりも、ずっと近代的なこの建物では、ムミアは、支援者や家族との接触の機会をさらに大幅に制限されることになります。出廷した被告達は、マスコミにも支援者にも目に触れないように、駐車場へ入り、半地下式の仮監房(400名収容の規模)へ直行させられます。シティーホールでは、ムミアは自分を支持してくれているデモ隊の声も聞くことができましが、ここではセンターの外で起こっていることは、彼には知る由もありません。
傍聴人も、防弾ガラスの後ろからしか法廷を見守ることができず、弁護士や検事がマイクを通して話すことを忘れると、声さえ聞こえません。家族や支援者も、励ましの声をかけることさえできません。ある人が、モーリン・フォークナー(殺害された警官の妻)が、この法廷に入るなり、「なんておかしな所」(This is bizarre)と思わず口にしたのを聞いたというほどです。法廷はかなり狭く、傍聴人も報道関係者も数が限られてしまいます。そして、入廷の際には、廷吏が入り口で「報道関係者優先、次がフォークナーの家族とFOP(警察友愛会)最後がジャマルの家族と支援者」と叫んでいました。