AMUNESTY
アムネスティー・インターナショナルの声明
United States of America:Amnesty International Appeals Against Imminent Execution
アムネスティー・インターナショナルは差し迫った死刑執行に反対する
「ペンシルバニア州当局はアフリカ系アメリカ人の死刑囚に対する死刑宣告を減刑すべ
きである。ムミア・アブ・ジャマル氏は1995年8月17日に死刑が執行される予定である。
」とアムネスティー・インターナショナルは本日語った。
アムネスティー・インターナショナルは生命に対する権利侵害としてどのような場合で
の死刑にも反対であるが、フィラデルフィアの警察官を殺害した容疑で1982年に有罪を宣
告されたムミア・アブ・ジャマル氏の裁判にはそれ以上の懸念を持っている。
「検察側がムミア・アブ・ジャマル氏の過去の政治的信念や政治的かかわりに対して敵
意に満ちた推測をすることによって、死刑を評決するように陪審員を説得したことはきわ
めて遺憾である」とアムネスティー・インターナショナルは語った。
1991年11月にアムネスティー・インターナショナルはペンシルバニア州の最高法務官に
この裁判への遺憾の意を表明する書簡を送った。裁判の判決を下す段階、また陪審員に対
する最終議論の際に、検察側はムミア・アブ・ジャマル氏の過去の政治的信念やブラック
パンサー党との政治的かかわりを利用したようであり、これによって死刑を評決するよう
に陪審員を説得することに成功したのである。
「このように感化されて陪審員が死刑を評決したのかもしれないという危険性は受け入
れることはできない。ムミア・アブ・ジャマル氏の死刑宣告に対し深く懸念しているのは
この危険性ためである。」とアムネスティー・インターナショナルは語った。
背景:
現在ペンシルバニアの死刑囚監房には180名の死刑囚がおり、そのうちの100名以上がア
フリカ系アメリカ人である。1995年5月には30年以上ぶりにペンシルバニア州で死刑が執
行され、現在の州知事はこれからも定期的に死刑執行許可証にサインしていく意向を表明
している。