反エンロンの雰囲気がユッカ闘争の志気を高める
Anti-Enron mood may boost Yucca fight


2002年2月26日 ラスヴェガスサン紙
エリン・ネッフ



 ユッカマウンテン計画の反対者は、反エンロンの気運と、ブッシュのエネルギー行政への疑問が、核廃棄物の貯蔵庫に対する闘争の支持につながるよう望んでいる。
 月曜日、ネヴァダ州選出の上院議員ハリー・リードは、ディック・チェイニー副大統領に対し、エネルギー産業幹部との会合の情報を提供するよう求めた会計検査院の提訴に加わった。彼は核産業の役員達との会合に関する資料を強制的に公開させるよう望んでいる。
 これは、単なる政治的行動だけではない。なぜなら、ネヴァダの政治家たちは、(ブッシュ政権の)政策とユッカマウンテンとのつながりを見いだすことを望んでいるからである。
 「探しているものが何かわかってはいないが、見た瞬間にそれとわかるだろう」と、(ネヴァダ州の)核プロジェクト局の局長、ロバート・ルークスは述べた。
 同様の精密な調査が、エネルギー省の法律事務所であるウィンストン&ストローンもが、原子力産業界の依頼人の代表となっていたという事実を発見した。ある監察官の、疑わしい利害衝突についての報告書のおかげで、ネヴァダ州は、このプロジェクトの経歴を通じて、法律事務所が提出した全ての文書に対し異議を申し立てる機会を得たと、ルークスは付け加えた。
 「このことが我々の訴訟において助けになるのではないかと考えている。」とルークスは付け加えた。
 エンロンスキャンダルの結果として会計検査院は、ブッシュ政権が2001年5月に発表された国家エネルギー戦略を立案した際、チェイニーがエネルギー(産業)の経営陣と会合した記録を入手するため、ホワイトハウスを告訴した。
 リードは、ユッカマウンテンに関する注目すべき14人の提案者は、チェイニーが率いた48人のエネルギー作業部会のメンバーの一部だったと述べた。リードは、ユッカマウンテンがエネルギー政策を作成する過程で議論されたのか、その議論は大統領の決断に影響を与えたかどうか知りたいと述べた。
 原子力産業の重役達は、2001年3月に行われたチェイニーの作業部会に出席している。そして、2カ月後に発表された(ブッシュ)エネルギー政策には、原子力発電に関する税金の引き下げが含まれ、また「核廃棄物の地下深くの貯蔵庫を作るため最善の科学を用いること」が勧告されていた。
 リードは、ブッシュがこの会合の後、ゴミ捨て場に関する意見を変えた可能性があると述べている。2000年に、ネヴァダ州で大統領選の選挙運動をしていた時、ブッシュは、ユッカマウンテンについては「政治的ではなく、科学的に適切な」決断を下すと誓った。
 環境保護団体は、ブッシュ政権のエネルギー政策は、ブッシュの選挙戦に気前よく資金を提供してくれた、エネルギー産業の重役に対する見返りであると長い間論じてきた。
 彼らは同様に、ブッシュ政権がエネルギー会合の文書を公開することを熱烈に望ん
でいる。
 「(エネルギー長官のスペンサー・)エブラハムとブッシュの決断は、確かな科学に基づく、という選挙戦での約束と矛盾している」と、原子力アカウンタビリティ同盟のスポークスパーソン、ボブ・シェーファーは述べた。「考慮すべき事柄よりも、全く別の要因のもつ影響力が大きい、ということを人々が知ることが重要だ」と彼は述べた。
  選挙資金の流れを追跡したCenter for Responsive Politicsによれば、原子力が重要部門である電力会社や、他の原子力産業は、ブッシュに29万ドルの資金を提供した。
 テキサスにある原子力会社TXUの社長、アール・ナイはブッシュの選挙戦で各々10万ドルの資金を集めた、ブッシュの「先導者」の1人である。ナイ自身もブッシュに2万ドルを提供している。(原子力)産業の最高の業界団体である原子力協会の委員23人のうち17人が、総額にして3万7000ドルを寄付している。
 郡のユッカマウンテン(反対)戦略を指導しているイレーヌ・ネイヴィスは、郡が、リードと一緒になって会計検査院の訴訟に加わることができるかどうか調査していると述べた。
 「我々は、効力のある連合体としての地位があるので法廷助言者の準備書面を提出することが出来ると考えている」とネイヴィスは言った。
 リードが、「フォックス・ニュース・サンデー」で、ゴミ捨て場に対する闘争の最新の戦略を発表するやいなや、地元の役人達は、自分達もエンロンの妖怪を生き返らせることが出来るのではないかと思い始めた。
 月曜日に、ラスヴェガス市長オスカー・グッドマンとクラーク郡委員会議長ダリオ・ヘレーラは、あわただしく記者会見を開催し、リードの奮闘に自分たちも参加したいと述べた。
 唯一の問題は、彼ら自身、この問題における「法廷助言者」準備書面の法的地位があるかどうかを知らないことであった。結果として、記者会見は実質上、役人達が既に述べてきたゴミ捨て場に対する反対にすぎず、反ブッシュの意見を表明した。
 「我々は、会合に関する情報を必要としている。というのも、ユッカに関する決断において、大統領が実際にエネルギー産業の重役の意見を考慮の対象に入れていたなら、それは大統領の偏りを示しているからだ」とヘレーラは述べた。
 グッドマンは、政府は(情報を)公開することになっていると述べ、ユッカ・マウンテン問題が原子力エネルギー界の代表者達によって論議されたかどうかについてはブッシュ政権が発表するであろうとの予測を表明した。
 「私たちはここで推測で動くわけには行かない」とグッドマンは述べ、公表を強く要求した。「持っている情報を我々に見せよ」と。



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