【翻訳資料】

ハンフォード核施設で大火災
核廃棄物施設にまで火の手がのびた




 アメリカワシントン州にあるハンフォード核施設で大火災が発生した。火災は、6月27日(火)、核施設境界付近での、トラックと車の衝突事故を発端として起こった。日本の新聞各紙では、ほとんど紹介されていないが、アメリカのニュースはトップ記事で大きく報道した。AP通信やCNN等の情報によれば、大火災は、ハンフォード核施設(900q四方)の約半分のヨモギに火が燃え移った。そして、3カ所の古い核廃棄物貯蔵施設にまで達したとの報道もある。
 この大火災は、30日(土)になってやっとおさまった。リッチランド市から西へ約16q離れたベントン市では、25件の民家が全焼し、約7000人の住民に避難命令が出された。火の勢いは激しく、煙を吸ったりして13人が負傷し、内1人は大やけどをおって重体という。約8000人のハンフォードの労働者は木曜日と金曜日、自宅待機となった。
 ハンフォードは、マンハッタン計画の下、核兵器用プルトニウムを生産ししていた。ここは、米国内最大規模の放射性廃棄物貯蔵施設でもある。核廃棄物は、わずか6フィート(約1.8メートル)の地下に、177の貯蔵タンクにつめられている。火災は木曜日にはこの貯蔵タンクの2マイルにまで近づいた。核廃棄物タンク爆発の危険もあったという。
 エネルギー省長官は、急遽ハンフォードを訪れ、「放射能の放出はない」とさかんに語っている。州の保健省は、火災の直後から放射能のサンプリング調査を始め、放出の兆候はないとしているものの、草木と空気の別のモニタリングを計画しているという。
 核施設の土壌や草木に含まれている放射性物質が、火災によってまき散らされた可能性も大きい。



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