【翻訳資料】

ハンフォードの火災が、大気中にプルトニウムをばらまいた

2000年7月13日(木) リサ・スティファー「シアトル・インテリジェンサー」リポーター



 ハンフォード原子力地区中で猛威をふるっている火災が、人間を危険にさらし、健康に影響するプルトニウムや他の放射性物質を空気中にばらまいた。
 当初の報告では、火災によって放射性物質がばらまかれなかったと報告された。この火災は、6月27日に始まり、3つの古い放射性廃棄物処分施設―1つの溝と2つの乾いた池―にわたって(across)燃えた。昨日、エネルギー省の役人達が、放射能による健康への影響を軽視した。
 しかし、他の人々は、反対している。
 プルトニウムは、「非常に有毒」と、ワシントン職業環境医療プログラム大学のティム・タカロ教授は述べた。「もし、あなたがプルトニウムを肺にすいこめば、ガンをひきおこすでしょう。」
 プルトニウム粒子は、560マイル四方の区域の中心に近い、200西地域の東側境界線での空気サンプリングで見つかった。そこには、ハンフォードの最も危険な廃棄物のいくつかが貯蔵されている。プルトニウムの正確な発生源は見つかっていない。
 「測定は、「懸念されるレベルを十分下回っていた」と、政府とNRCは、判断し、消防隊員や公衆への影響を問題にしなかった」と、ハンフォードのエネルギー省副代表のハリー・ボストン氏は、昨日、記者会見で述べた。
 火災は、自動車大事故で発生し、191000エーカーを燃やし、数日後におさまった。
 最近測定されたプルトニウムは、10のマイナス6乗―1立方メートルあたり4ピコキュリーだと、専門的には伝えられている。政府の基準は、10のマイナス2乗―1立方メートルあたり2ピコキュリーである。
 1年間に、多くのプルトニウムを吸い込めば、3ミリレムの被曝をするだろう。レントゲンによる被曝の平均は、10〜15ミリレム、ハンフォードの作業員の年間許容限度が100ミリレムである。
 しかし、多くの人は納得しなかった。
 「この地点は、汚染されている」と、タカロ氏は述べた。彼は、核廃棄物の洗浄促進組織・危機評価コンソーシアムのメンバーでもある。
 「この火災は、私達に施設の洗浄を気づかせるものだ。」
 火災後の空気サンプリングで、「実際に汚染があると言うことは、難しい。政府の基準以下のサンプルがいくつもある。しかし、人々がにどんな危険にさらされるかわからない。」と彼は述べた。「はっきりわかるものがない。」
 DOEの技術アドバイザーのウェイニ・グリンズ氏は、政府に、火災の際に、消防隊員は被曝していないと思うと述べた。
 尿のサンプルが集められ、放射能検査がされた。結果は、6〜8週間ででる。
 発生源のはっきりしないα粒子―放射性物質をあらわすーも、200東西地区周辺での初期の76サンプルのうち34サンプルで見つかった。
 「これは、そこにいた住民と消防隊員の健康を脅かしたことを認めるものだ。」と、ハンフォードの番人、北西アメリカの心の代表、ジェラート・ポレット氏が述べた。
 環境保護局(EPA)の地域本部は、DOEの見解についてコメントできないと述べた。
 「我々は、知らされていないし、DOEのデータを見たことがない。」と、EPAのスポークスマン、ビル・ダンバー氏が述べた。「率直に言って、DOEが見解を一般に発表してから、この見解を知ったことは非常に遺憾だ」と述べ
た。
 それにもかかわらず、EPAは、独自の検査結果を待っている。
 14人のEPAの緊急対応専門家が、火災時に地域の放射能専門家を支援するために、モンゴメリー、アラバ
マ、ラスベガスから飛んできた。
 EPAは、ハンフォード区域外の「住民センターや、敏感に反応する生態系地域や農業地域」の広範な検査を行った。これらの結果は、今週末にでるだろう。と、ダンバー氏は述べた。
 「施設外のコミュニティの人々が煙で運ばれる放射能にさらされたかどうかが、我々の優先する関心です」と、シアトルのEPA放射能企画長のジェリー・レイ氏が述べた。
 24地点で空気サンプルを集めるネットワークが、ヤキマやワラワラのような遠くでも始まった。と、レイ氏は述べた。
 このサンプリングの分析は、アラバマのEPA研究所で行われる。
 火災と風と消火活動は、ハンフォードの地表の汚染物を払ってしまっているかもしれない。ハンフォードは、国内の核兵器工場向けにプルトニウムを40年間製造してきた、国内でもっとも汚染された核施設である。
 「我々は、放射性物質を確認することを予測している。それが懸念するレベル以下であると予測している。」と、DOEのボストン氏は述べた。
 そして、DOEのグリンズ氏は、プルトニウムの発生源が何かはっきりと「言うのは難しい」し、DOEは、正確に確認しようとはしていないと、述べた。
 「吹き払われたプルトニウムは、非常に少ない。」と、彼は述べた。
 しかし、放射性物質の発生源として考えられるものに、ハンフォードの砂漠環境によくある植物、ロシアアザミがある。この植物は、たいへん根深く、「汚染を土壌のそとに運ぶことができる」と、タカロ氏は述べた。
 「ハンフォードには、多くの隠されている廃棄物があることを知っている。」と、彼は述べた。さらに、汚染は、植物の葉に吸収され、その植物がよく燃える。と述べた。
 放射能が検出されなかった初めの検査は、「急いでいて、間違っていた」と、健康省のデブラ・マクバウ氏が示した。野外携帯装置を使わうことで、急性の健康被害があるかどうかを知りたかった。と述べた。
 新しい結果は、低レベルの放射能を検査するために作られた研究所にある、さらに精密な装置を使った、その後の検査のものである。この結果は、予備的なもので、さらに多くの検査と分析が行われたとマクバウ氏は指摘した。
 90分で20マイルも風でひろがった火災は、200西地区に埋められている高レベル放射性廃棄物と化学廃棄物の0.5マイルにまで迫った。
 さらなるモニタリングが、ハンフォードとその周辺で計画されていると、マクバウ氏は述べた。
 「健康に影響する問題はないだろうと、確信している。」と、彼女は述べた。
 エネルギー省の計画は、空気や土壌や草木のモニタリングを、定期的に更新している。と、ボストン氏は述べ
た。



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