カンブリアの原子力諸施設とダムフリースとギャロウェーのチャペルクロス原子力発電所を運転するBNFLは、その放射性廃棄物管理事業の膨大なコストのため、21億ポンド[3780億円]の損失をつくった。「サンデー・ヘラルド」紙にリークされた報告書によれば、その国有会社は、資産より多い負債で、テクニカルに破産している。しかし、ブレア政府は、200億ポンド[3兆6千億円]の核の負債を削除することで、BNFLを救済することを計画している−−−そして負債を納税者に押しつけようとしている。これは「会社を解放する」だろうと、社長のノーマン・アスキュー氏は言う。 BNFLは火曜日に2001−2002年次報告書を公表することになっている。その時、2000−2001年の4600万ポンド[85億円]の損失に比べて、昨年の20億ポンド[3600億円]の損失を明らかにするだろう。そのような巨大な増加の主な理由は、危険な放射性廃棄物の膨大な蓄積を処理する方法の再検討によって確認された19億ポンド[3420億円]の「著しい生涯コストの増加」であった。 これらの蓄積は、セラフィールド、チャペルクロス及びその他の場所での、50年間以上もの民生用及び軍事用の核の利用によって生み出された、全ての中レベル廃棄物からなっている。貯蔵施設に現在ある44,100立法メートルの核廃棄物、さらに廃止になった核諸施設を廃炉にすることからもたらされる別の67,300立法メートルが存在すると推測される。 セラフィールドを除いて最も古い2つの原発チャペルクロス及びコールダーホールの閉鎖を進めるという、最近発表された決定のために、BNFLはまた3億7500万ポンド[675億円]の「会計上の支出超過」を負った。 さらに、他のBNFLの世界的な核の再処理、及び廃炉事業は、6800万ポンド[122億円]の営業損失をつくった。 「私たちが自分達自身の予算目標を達成した一方で、私たちの業績は、それが必要とされている所で、まだ著しく不足していることは明白です」とアスキュー氏は言った。昨年の巨大な損失は、BNFLの総長期債務(その将来のコストが現在の資産[流動資産]を超過した量)を18.5億ポンド[3330億円]に押し上げた。 BNFLの財務担当重役ジョン・エドワーズは言った:「私たちは短・中期の債務に見あう適切な財源を持っているというのが、私たちの確信である。他方、現在の形でのグループが増加する長期負債に見あう十分な資金を生み出さないだろうということは明白です。」 政府が多額の負債を引き継ぐと約束した新機関の設立を、BNFLは切に期待している。これらは全ての放射性廃棄物、全ての閉鎖された施設及び全ての老朽炉を含む−−それは総額200億ポンド[3兆6千億円]の負債に達する。 債務管理機関(LMA)と名付けられた新機関は、政府によって完全に資金援助されるだろう。詳細は7月4日の「ホワイト・ペーパー」の中で発表された。 |