BNFLはMOX燃料製造のためにフランスに行かざるを得なかった
BNFL forced to go to France for MOX fuel


2003年8月3日 インディペンデント
By Jason Niss


http://news.independent.co.uk/business/news/story.jsp?story=430124



BNFL社は、論争の的になっているその核の副産物についてのあるひとつの受注を満たすために、その主要な競合会社の1つから混合酸化物(MOX)をひそかにまわしてもらい続けていた。

その国有原子力グループBNFL社は、論争の的になっている4億7300万ポンドをかけたMOX工場が製造を軌道に乗せるのが遅れているために、ドイツの顧客−巨大企業E.On社だと思われる−向けのMOX燃料の供給を下請けに出さざるをえなくなってきていたことを認めた。結果的にBNFL社は、ドイツに出荷するために、主要なライバル社であるフランスの原子力グループ、コジェマから燃料を購入し続けてきている。

BNFLのスポークスパーソンは述べた。「セラフィールドMOX工場は、議会関連の法的手順と工学的改造のために遅れてきており、そのために、私達の短期間のMOX燃料委託の全てを、私たちは達成できないでいます。」

BNFLはこの下請けにかかる費用がいくらになるかを明かにしないだろうが、環境グループらは2000万ポンドにもなる可能性があると指摘している。

BNFLがMOXの出荷に失敗するのは今回で2回目である。BNFLは、スイスの電力会社、ノルドストシュバイツェリィッシュ原子力(NOK)向けの受注をまかなうために、昨年はコジェマに援助の手をさしのべてもらうように頼まなければならなかった。

BNFLにとって次の重要な発送は、またNOKだ。NOKは来年6月までにこのMOX燃料を必要としている。もしBNFLがコジェマにその契約の肩代わりを依頼しなければならなくなったら、BNFLのMOX工場の信用は崩壊する。

この施設は、1990年代の後半に開発され、使用済燃料を、閉鎖前の原子炉で使うよう、新燃料に転換する。

このプラントの開発はつねに論争の的であった。計画は、コンサルタント会社アーサー・ディー・リトル社から施設の生存能力についての報告書が出された後になって、やっと完成した。

報告書は、既に投資したコストに鑑みると、施設を廃止するより計画を続行するほうがましであるという結論を打ち出した。

MOX工場における問題は、セラフィールド原子力施設内で隣接している18億ポンドかけたソープ再処理工場で徐々に作り出されている危機と同時に起こっている。ソープからの廃棄物を取り扱うことの諸困難はBNFLに顧客との再処理契約について再交渉することを強いているが、その顧客の多くがBNFLからMOX燃料を購入することが予期されているその同じ電力会社なのである。

英国政府は最近、困難に落ち入っている原子力グループ(BNFL)の部分民営化計画を中止すると発表した。